今、「留学」の動きから目が離せない! 【ニッポンの留学ウォッチング】

ますます加速するニッポンのグローバル化。それに呼応するように、留学の現状も大きく動きつつある。内と外、双方の観点から、日本の留学を取り巻く環境にアプローチ、様々な視点から、ニッポンの留学の現状をウォッチしてみたい。

【Vol.3】この秋、ニュージーランド大使館が開催した留学生同窓会。50名を超える元留学生が集まったほか、本国ニュージーランドからも高等教育大臣スティーブン・ジョイス氏が参加されていた。ニュージーランド政府の立場での留学生政策について、大臣にお話を伺った。

ニュージーランド政府の留学生政策

ニュージーランドと日本の結びつき

留学ジャーナル:このようなイベントに本国から大臣が参加されるというのはニュージーランド政府の留学生政策への強い取り組み意欲が感じられますが。

ジョイス氏:はい、今回の同窓会は、日本との教育、ビジネス、そして科学における結びつきをさらに強化する国全体で行う一連のイベントの先駆けとして開催されました。 ニュージーランドと日本には長い歴史があり、特に教育においては、我々の同窓生の繋がりは何年も前に遡ります。たとえば、日本政府が1987年に初めて迎え入れたJETプログラム*に、参加4ヵ国のひとつとしてニュージーランドは参加しました。その時から現在までに2,700人以上が日本で英語を教えに来ています。 また日本からも学生が留学に来てくれて、現在ではニュージーランドで学ぶ留学生の出身国第4位が日本です。昨年ニュージーランドで学んだ日本人留学生は9,563人、前年に比べて3%増えました。私たちは、この数をもっと増やしていきたいと思っています。

*JETプログラム:語学指導等を行う外国青年招致事業(The Japan Exchange and Teaching Programme)の略称。

50人以上の留学経験者が同窓会に参加

元留学生が日本舞踊を披露

大臣が元留学生と歓談される場面も

ニュージーランドの教育のクオリティ維持

留学ジャーナル:ニュージーランドは留学生保護政策が確立されているので安心して留学できる国のひとつですが、大学留学を考えると、レベルが高く難しいという印象があります。

ジョイス氏:そうですね、ニュージーランドでは留学生が我が国に住み、学んでいる期間、ちゃんとしたケアがされていることを保証するためにNew Zealand's Code of Practice for the Pastoral Care of International Students(留学生の生活保障に関する服務規程)を設けています。そして私たちは、継続的に提供されているサポートの質を調査し、向上させていくよう努めています。
質の高い教育を提供することもそのひとつです。また、多くの進路コースの選択肢の中から自分に合ったものを選択できます。
ニュージーランドの教育システムは幼児教育、初等・中等教育、高等教育の3つに分かれます。どの段階においても、いろいろな進路コースの選択肢があります。そして提供するコースが基準に適ったクオリティであるかを監査機関が査定します。それが世界レベルにおいて高い質であることは15歳生徒の学習調達度調査で、読解力、数学、科学、すべてにおいて高く評価されていることや、大学の世界ランキング調査においても大学8校に対して7校が少なくとも1つの学科でTOP200にランキングされていることなどからお分かりいただけると思います。


ニュージーランド高等教育大臣
スティーブン・ジョイス氏

こうした質の高い教育は、クリエイティブに考え、革新的なアイデアを育ませる学校教師の教え方から生まれてくるものだと思います。また、ニュージーランドの自然と多文化の環境で学ぶことも大きいでしょう。
同じことを勉強するのでも、いろいろな国の学生と学べることは大切なことだと思います。また、ニュージーランドは自然豊かでアウトドアアクティビティも盛んなので、そうした中でのライフスタイルを楽しみながら勉強するというのも素晴らしいことです。

ニュージーランドで大学など高等教育を終えた学生は、ニュージーランドの企業で働いたり、自国はもとより、オーストラリアなど海外の企業で働くチャンスもあります。今日も、留学当初はほとんど英語が話せなかったけれど、ニュージーランドでの高校や大学、また大学院を卒業して、今は日本や海外でグローバルに働いていらっしゃるという方々とたくさんお会いすることが出来たことは、大変嬉しく思います。

相互間交流の今後

留学ジャーナル:学校間の教育交流についてはどうでしょうか。

ジョイス氏:日本とニュージーランドの学校間交流は長い歴史があります。そのため日本語はニュージーランドの子ども達が学校で学ぶ外国語の人気トップ3に常に入っています。学校間交流は姉妹都市にある学校が姉妹校提携を結ぶということが多いようです。また大学8校すべてが日本の大学と研究交流や学生の交換留学の制度を持っています。
実は今朝、東京都の教育委員会を訪問し、次世代リーダー育成道場に選ばれた都立高校生50名と会ってきました。彼らはニュージーランドに1年間留学することが決まっているのですが、こうした機会がもっと増えればと思います。
日本では政府がこのような海外留学の促進を政策に打ち立てていますが、ニュージーランドからももっと多くの子供たちに海外で学んで欲しいと思いますし、政府としてそのための取り組みもしていきたいと思います。

留学ジャーナル:最後に日本の皆さんへひとことお願いします。

ジョイス氏:若い時に海外で経験した思い出は強く残ります。多くの皆さんがニュージーランドに留学して、そうした経験を糧に日本とニュージーランドの間で活躍する人になって、また今日のような同窓会でお会いできるのを楽しみにしています。


このページの掲載内容は2013年11月現在の情報です。学校の都合により予告なく変更される場合があります。
また、このページでご紹介している留学制度及び海外の提携大学に関する情報は、各大学へ直接お問い合わせください。

【Vol.2】IIEとは、留学生の動向調査でも知られるOpendoorsなどを発行する米国国際教育研究所。プレジデントのDr.Allan E.Goodman氏を、留学ジャーナル編集長が単独インタビュー。

Institute of International Education(IIE=米国国際教育研究所)
プレジデント&チーフ エグゼクティブ オフィサー、Dr.Allan E.Goodman氏

IIE(本部ニューヨーク)は、Opendoorsで知られるアメリカの留学生の調査分析、フルブライト奨学金やギルマン奨学金など公的奨学金の運営、途上国のリーダーなど開発支援プログラムの実施等を行う。世界の主要な大学など約1000の機関メンバー、5000人の個人会員をもつ会員機関であり、大学間の情報交換やネットワーキングの機会も提供している。
グッドマン氏は、このIIEのプレジデントを務めるほか、教育の世界イノベーションサミットの設立メンバーをはじめ多くの国際的組織の代表やメンバーであり、また国際的ハーバード、プリンストン、イエール大学が発行する国際関係の本の著者でもある。


プログラムの仕組み

留学ジャーナル(以下留) さて、さっそくですが、Open Doorsから毎年留学生の数値を発表されていますが、アメリカ側から見た留学生の大きなトレンドというのを教えていただけますか。最新の調査では、現在一位は中国、次がインドで、その母数は10万人以上と大きなものですが、数は少なくても最近増加傾向にある注目していらっしゃる国・目だった傾向があれば教えてください。

Goodman氏(以下G) まず、全体的なところからお話ししますと、インドや中国など非常に人口が多くて、ミドルクラスの層が非常に大きい国が、留学生の数を伸ばしていると思います。そのひとつの理由としては、自国内に高等教育機関を十分な早さで作れないとか、特に教員養成が追いつかず、そのために留学生が増えている要素もあります。
第2に、アメリカは、留学生の出身国がどこであれ、歓迎するという姿勢をとらせていただいています。中国やインドだけでなく、イランやキューバ、ベネズエラからもたくさんの留学生を迎え入れています。学生同士の交流というのはアップダウンがありますし、2国間関係が良好な状態で留学が行われる場合もあれば、その関係が緊迫した関係にあってもなお留学しにきてくださっている場合もありますが、アメリカの留学生の数が増えているひとつの理由は、そういったアップダウンに関わらず、受け入れる体制がととのっているということもひとつの理由であると思います。
次に収容能力という点からもお話をしたいと思います。世界的に見ますと、高等教育機関の数は1万5000にものぼります。その1万5000の高等教育機関のうち、約4000がアメリカ国内にあります。アメリカ全体の学生数に占める留学生の割合は、3%です。ということは、あと100万人留学生が増えたからといって、アメリカ人の母国の入学枠を損なうことなく、余裕で増やせるという部分があると思います。ですのでアメリカの留学生の数が増えているもうひとつの理由としては、単に現在の留学生の数が増加していることだけでなく、これから留学生が増減する余地が多大に残されているということだと思います。

アメリカに留学生が増えている理由

留 キャパシティが大きいということは素晴らしいですね。アメリカの留学生の総数は増えている理由をさらに追求するとしたら、たとえば奨学金や就職という意味ではいかがでしょうか。

G 留学生が増えている原因の最大のトレンドとしては、各国政府の指導者たちが高等教育において海外留学経験をプログラムの一部とすべきだと、声をあげ始めたことが非常に大きな理由ではないかと思いますね。中国の国家主席にしても、日本の首相でも、ブラジルの大統領、ロシアの首相及び大統領、フランス、ドイツの国家リーダーなどすべて留学が高等教育の重要な一部であるといい始めています。これが非常に重要なダイナミズムとして働いて、現在の増加につながっているのだと考えます。 アメリカにおいても同様のことだと思います。ここ半年だけを見ても、アメリカの大統領のみならず、バイデン副大統領、クリントン国務長官、それだけでなく国土安全保障長官とかその他著名な委員などが口々に、この海外留学の重要性について語っています。かつてこういった留学経験の重要性というのは、ときどき政府の役人のひとりか二人がそれに対して言及するというのがせいぜいでしたが、それが大きく様変わりしているようです。

留 ひるがえって日本の状態ですが、あまり喜ばしい数字ではなく、アメリカに留学している日本人の数は対前年マイナス14.3%と激しく減少しています。企業による新卒の就職システムや家計の状態の悪化など、原因は複数あると推測されています。しかし昨年頃から、政府や地方自治体も、グローバル30などの施策や奨学金の拠出を積極的に開始しまし た。また政府の動きとは別に、最近ひとつの大きなニュースがありまして、東大をはじめとしたいくつかの大学が9月入学というシステムを検討しているというニュースがお耳に入っていると思います。これについてはいかがでしょう。留学を促進する要因になると思われますか。

G あの東京大学の決断というのは、非常に大胆な重要なものであると思いますし、必ずポジティブな結果があるのではないかと見込んでいます。ということは今回そういった動きを東京大学がとることによって、日本の高等教育機関がアメリカ、カナダのみならず、ヨーロッパの高等教育機関ともタイムラインの足並みを揃えることになるからです。ですので、これについては、留学についても必ずや良い影響がでてくるのではないかと期待しています。

東日本大震災時、アメリカの留学生への支援

留 実現するといいですね。少し話題を変えていいでしょうか。東日本大震災のときに、留学生にも大きな影響がでました。アメリカ側では留学生を救うために、いくつかの方策を講じられましたね。その後の留学生たちの動きのフィードバックや動きの変化はありましたか。

G まず申し上げたいのは、あの3月11日の大震災というのは、世界に対し日本が社会として震災に対応するすばらしい姿を見せてくださった、表現は少しおかしいかもしれませんが、感銘を受けた災害でありました。そしてまた日本が世界からの救いの手に対し、自分たちの開襟を開いてくれたということに対しても、私たちは非常に感動しました。つまりあの大震災というのは、日本の震災ではなくて、世界の出来事だったと我々は考えています。
私たちIIEが行っている仕事のひとつは、アメリカの大学に留学している各国の留学生の数、たとえばアメリカから留学している人の数を数字で追跡することです。ですのであの東日本大震災の時に、私たちは何人の日本人がアメリカに留学しているのか、さらには、その被災地域から何人来ているのか、ということに対しての把握をしておりました。ですので、その情報を元に、被災地でご家族を亡くされたり、もしくは失業の事態に遭われた方々が家族にいる留学生の数を追跡することができました。
このような地震や洪水により、国全土もしくは国の一部が自然災害にあったような際に拠出するための、特別な財源を私たちはもっております。

G 震災がおきたときには、福島県からは154名の留学生がアメリカにいらしていました。そのうち、110名から支援の要請をいただき、私たちはそのひとりひとりに対し、支援することができました。彼らがきちんと授業に出て、学位を取得して、帰国できるように、という支援をさせていただいたわけですが、これが可能となったのも、IIEのみならず彼らの留学先の高等教育機関の協力があったからです。支援を要請した110名の学生は、全米30州の高等教育機関にまたがって留学をしていたわけですが、彼らがきちんと学業を終えて、帰国して日本の再建に貢献できるようにと、このような支援をさせていただきました。

留 取材をしていて、海外及び日本の学生たちが寄付をしあった、という話を学生たち自身からも聞きました。国や大学レベルの支援と、学生同士、その2つがあって、彼らが留学生活を続けていけたのだと思います。

G こちらこそ、ありがとうございます。


各種取り組み

留 少し話を戻しまして、高校生にときどきある話をさせてください。アメリカにはハーバードなど世界的なトップレベルの大学がいくつもあります。昔はトップ校は社会人がMBA留学のために行くもの、という考え方が主流でしたが、最近は、中学生や高校生から学部に入りたい、という希望も出始めてきています。しかし彼らが先生などに相談すると、「受かるわけがない」と言われてしまいます。また英語力の弱い日本人としては、英語でまず無理、と思い込みがちです。Goodmanさんでしたら、どのようなアドバイスをなさいますか。

G まず、私たちは21世紀を生きています。そしてこの21世紀にグローバル化のための教育を受けるということは、よその国に住んでほかの人の文化を経験し、自分の国の言葉以外のものをしゃべる経験を積むということだと思います。それはアメリカ人であっても、日本人であっても、ほかの国の人々にとっても共通のことです。もしかしたら大学で留学するのは難しい事情の人だっているでしょうし、人によっては高校時代に留学をするほうがマッチしている場合だってあると思います。また大学の入学、もしくは卒業近辺で留学するのではなく、その大学課程の一部、まんなかあたりで留学するのがピッタリという人がいるかもしれません。いずれにしても、この21世紀の国際化の教育をすすめていくためには、生徒のマインドのみならず、先生方の見方を変えていかなければならないと思っています。21世紀の教育にあって、日本国内だけ、アメリカ国内だけという教育では不十分だからです。

留 おっしゃるとおりだと思います。先生方にも、ぜひ海外の教育にも目を向けていただきたいと思います。ところで、少し前は、留学といえば必ずアメリカ、という時代が日本にもありました。今お話にでた生徒や先生の話にも関連しますが、いざ留学するときどこに行こうか、という選択肢を考えられる時代でもあります。この時代にあって先ほど収容能力、というお話もでましたが、それ以外で改めてアメリカに留学する意義というのを教えていただけますか。

G いろいろな理由がありますが、まず日米というのは戦略的に非常に重要な2国間関係があります。日米両国は歴史を共有してまいりました。したがって次世代の日本のリーダーがこの日英関係に関し理解すること、また日本とアメリカのリーダーが相互の理解を深めていくことが必要であり、非常に重要になります。まずアメリカに留学すべき第一義の理由としては、日本とアメリカの二国間の戦略的な重要性です。
また、アメリカに留学する人の多くは、そのアメリカ高等教育の質の高さ、多様性、そして柔軟性にほれ込んだ上でアメリカに来てくださいます。たとえばひとつの学科に入学したとしてもそれがあまり自分に向いていないということがあれば、ほかの学科に変更することも、もしくはほかの学校に転校することも可能です。
この2つが最大の勧められる理由です。

留 途中から進路を変更できる柔軟性のあるシステムは、特にまだやりたいことや将来やりたことが見つからない若い世代にとって、とても素晴らしいものだと思います。私たちが感じるのは、「留学は難しすぎる」と思わずに、まずは願書を出してほしい、ということですね。日本人は謙虚に考えるクセがあるので、自分が出しても受かるわけはないと思いがちで、願書を出すアクション自体をおこさない人が多いのですが、アメリカは実力よりもまず意思ありき、ということを受け入れてくださる土壌があると思います。

G いみじくも今回のインタビューの冒頭の部分で、中国やインドの留学生の数がどんどん増えている一方で、アメリカに来る日本人留学生が減っているというお話もありましたけれども、おそらくアメリカの高等教育機関も、もっと日本の留学生が来てくれたらいいのに、と思っている部分もあると思います。日本の皆さんは謙虚なのも知っておりますけれども、まずはやってみようと、よし、アメリカの留学のチャンスを探ってみようかな、と思っていただければと思います。


グローバル人材になるために、必要なものとは

留 では、時間もおしていますので、最後の質問を。グッドマンさんご自身も北京の外交学院で講義をされたり、モスクワで米国の学術交流プログラムの作成を支援されたり、と海外でさまざまなことをされたご経験がおありです。今のような時代に、グローバル人材になるために学生がどのようなスキルを見に付けておくべきか、それにはどのようなアクションが必要かということを、個人的な感想も交えて教えていただけますか。

G 学びというのは教室の中だけでなく、外でもあるべきものであって、そのバランスを上手にとっていくことが必要だと思います。まず我々は共存するということを学ばなければならないし、みんなで協力して問題を解決する能力を備えることが必要です。というのも、原子力問題も地震の問題も、日本だけのものではなくて、世界共通の問題でもあるのです。医学の問題も気候変動の問題も同様です。ですので、次世代のリーダーは「協力する」ためのスキルが必要でしょう。これはアメリカ人の学生にも言えることですけれども、他国の文化や言葉に触れて、そしていろいろな問題解決のアプローチをしていくということが非常に必要で、だからこそ、たとえ短い期間であったとしても海外に出て行くのは大切だと思うのです。

留 ありがとうございました。我々も学生の背中を押して海外に出ていく手助けをしたいと思います。数多くの教育機関を有する広大なアメリカに留学する学生の数が増えることを、心から願っております。

(インタビュー:留学ジャーナル編集長 毛利章子)

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【Vol.1】21世紀、「アジアの時代」を見据えたアジアのグローバルリーダー育成プログラムを、東京大学 公共政策大学院が開始。

東京大学 公共政策大学院
公共政策キャンパスアジアコース
-BESETO(Beijing-Seoul-Tokyo)ダブル・ディグリー・マスター・プログラム-
CAMPUS Asia

アジアを代表する3大学間の交換留学制度

日中韓の大学間で、質の保証を伴った学位プログラムや人的交流を拡大し、グローバル人材を育成する―そんな構想を三カ国の政府が後押しして、文科省の「大学の世界展開力強化事業『キャンパス・アジア』」が平成23年度からスタートした。

東京大学公共政策大学院(GraSPP)の新しい交換留学・留学学位プログラム『BESETO(Beijing-Seoul-Tokyo)ダブル・ディグリー・マスター・プログラム(BESETO-DDMP)』は、文科省の「キャンパス・アジア」で採択されたプログラムの一つ。

BESETO-DDMPは、中国・北京大学、韓国・ソウル大学校の大学院と連携、各大学が擁する公共政策・国際関係分野の3大学院による留学制度で、学生は交換留学またはダブル・ディグリー(出身大学の修士号に加え、もう一つの大学の修士号を取得)のどちらかを選び、どの学生も必ず三カ国で学ぶ経験をする仕組みだ。例えば、東京大学公共政策大学院で1年学び、東大に在籍しながら北京大学国際関係学院、ソウル大学国際大学院に1年、もしくは1学期の留学ができる。このプログラムでは、授業料は東大生の場合東大のみに納める。また、2015年度までの参加学生は、留学のための航空運賃や生活費の一部を三カ国の補助金によって支援する。

3大学院での授業は基本的にすべて英語。1年留学した方の大学で条件をクリアすれば、合計2年半で東大を含む2つの大学院の修士号を取得する「ダブル・ディグリー」も可能となり、アジアトップクラスの3大学による英語でのダブル・ディグリーという点で画期的なプログラムといえる。ここで得た経験は、国際政治やビジネスの舞台で大きな強みになる。各国の優秀な学生たちとの将来につながる出会いも大きなメリットだ。

公共政策大学院では、キャンパス・アジア構想にもとづいたカリキュラムで、北京大学国際関係学院とソウル大学校国際大学院への留学を必須とする「公共政策キャンパスアジアコース」(Master of Public Policy, Campus Asia Program, MPP/CAP)を2013年4月に新設する。

プログラムの仕組み
東京大学 ⇔ 北京大学 ⇔ ソウル大学校
アジア、そして日本の20年後を見据えた、大学の国際化戦略プログラム

東京大学公共政策大学院
伊藤隆敏院長

「公共政策キャンパスアジアコース」が目指すのは、21世紀をリードするグローバル人材の育成。なぜ、欧米ではなくアジアの大学なのか、伊藤隆敏公共政策大学院院長に伺った。

「21世紀はアジアの時代と言われています。国際政治、国際経済の分野でアジア各国の声をまとめていくリーダーシップが求められます。そのため、英語、中国語、韓国語などを自在に操るグローバル人材を育成していく必要があります。その点で、公共政策・国際関係分野におけるアジアを代表する3大学院が連携し、「知」のノウハウを英語の授業によってシェアする取り組みには大きな意義があります。」

これから来たるべきアジアの時代の世界競争に打ち勝つために、必要な力を身につけるプログラムと言えるだろう。「国際政治・経済や国際法を学んできた人、アジアのことをもっと知りたい人だけでなく、現にグローバルビジネスの現場で働いている人にも有意義なプログラムだと思います。3大学院での学生生活を通じて、人的ネットワークも広がるでしょう。20年後のアジアを見据えて、新たな道を切り拓いていける挑戦者を待っています。」

留学パターンの例
例1:東大生4月入学の交換留学(東大に1年、ソウル、北京に1学期ずつ、計2年) 例2:東大生4月入学ダブル・ディグリー(東大に1年、ソウルに1年、北京に1学期、計2年半)
学期制の違いも利用して、留学先の国の文化・慣習に触れる

留学先ではそれぞれの国の文化や慣習に触れられるような枠組みも考えられている。各国のアカデミックカレンダー(学期制)の違いも利用して、生活体験ができるよう、工夫されている。

各種取り組み
学生サマープログラム
ソウル大学は3月始業、東京大学は4月及び10月始業、北京大学は9月始業というアカデミックカレンダーの違いを有効に活用し、3大学のプログラム参加学生が一同に介して学ぶサマープログラムを開講予定。
双方向交流国際インターンシッププログラム
留学生の希望者には、各国の現地企業や国際機関等でのインターンシップを行えるよう受け入れ先機関の開拓を行っている。
3か国の言語を学ぶ機会も提供
『BESETOダブル・ディグリー・マスター・プログラム』の講義は基本的にすべて英語で行うが、初級レベルの日本語、中国語、韓国語を学ぶ機会も提供。
※東大では日本語での授業も一部受講可能。
「公共政策キャンパスアジアコース」2013年4月スタート

東京大学公共政策大学院の入学者選抜は毎年秋に実施。今年は5月31日に入試説明会を行い、8月に願書受付をする。「公共政策キャンパスアジアコース」では筆記試験は行わず、書類選考と面接による入試を行う。平成25年度は定員10名を予定している。またTOEFLスコアの提出が必要となる。職業人選抜も行う。

詳細は東京大学公共政策大学院のホームページで確認を。
http://www.pp.u-tokyo.ac.jp/index.htm

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