「ホストファミリーの言っていることが何一つ理解できない!」。私のワーキングホリデーは、まったくと言っていいほど英語ができない状態からのスタートでした。けれど、不安いっぱいの私に、ホストファミリーはいつもゆっくり話しかけてくれて、理解できるまで根気よく教えてくれました。間違った英語を訂正してくれたり、時には厳しく注意してくれることも。本当の家族のように親身になって接してくれたことで、私は海外で生活していく自信を持つことができました。
働く前に通った語学学校も、英語上達の大きな助けとなりました。レベル別のクラスでは、クラスメイトに気遣うことなく自然と会話が進みました。それに、いい意味でみんながライバル意識を持って向上しようとしていたんです。2校目のPacific Gateway International College, Victoriaでは、母国語禁止ルールが厳しく大変でしたが、その分、日本人以外の友達もたくさん作ることができました。学校を修了し、アパートに住むようになってからも、地元の友達や他国からの留学生とよく遊びに行きました。南アメリカ出身の友達とはパーティを開き、アジア出身の友達とは買い物やご飯、ヨーロッパ出身の友達とは観光名所を巡る。国によって遊び方が違うというのも楽しい発見でした。
仕事は、ハウスキーパーとして朝食のサービスや日本人観光客への通訳をしたり、ケアホームで働いたりしました。なかでも印象に残っているのが、レストランでウエイトレスをしていたときのこと。忙しくなるとつい慌ててしまい、お客さんの英語を聞き取れないことがありました。けれどそんな時も、お客さんは決して怒ることはありません。それどころか、言い直してくれたり、私の話すことに真剣に耳を傾けてくれたんです。単語のスペルが分からいときも助けてくれて。街の人たちの優しさは、本当に驚くほどでした。
ホストファミリーや語学学校の先生、そして道行く人までも、カナダの街で出会った人たちは、あたたかさにあふれていました。日々を満喫し、英語を上達することができたのも、みんなに支えられたからこそ。その成果があまりに嬉しくて、私も何か人の役に立つことがしたいと、アメリカで日本語教師のボランティアをすることにしました。自分から心を開くと必ず返してくれる、そんな街で生活できたおかげで芽生えた感情でした。思いやりの気持ちが根付いているカナダ。語学や仕事の能力だけでなく、人間として成長させてくれたことに感謝しています。