| 佐藤 |
何年も留学される方の中には、やはり日本を留守にしていたことによる情報のギャップに不安を感じている人が多いんです。一種の浦島太郎状態になってしまっているのではないか、と。実際には海外でもインターネットを利用して日本のさまざまな情報を手に入れることができるのですが、その情報があまりにも多いので、適切なものを選択し、自分で判断するのが難しいんですね。 |
高野 |
「リクナビ」や「マイナビ」といった就職サイトは、学生の方は皆さん利用していることと思いますが、さらにmixiやGREEのようなSNS(Social Networking Service=インターネット上で他人と情報交換できるネットワーク)を、人脈作りや情報収集に活用するといいと思います。そうしたネットワークでは、単に他の人の就職活動の状況がわかるというだけでなく、就活についてネット上の日記に書くことで、考えを整理することができ、また第三者の意見を聞くこともできます。 |
佐藤 |
海外のSNSだと、Facebookなども有名ですね。ネット上の情報は使い方のコツをつかみ、上手く活用できれば、非常に便利ですね。留学先からでも、企業の情報を得て、担当者にコンタクトを取ったりすることが可能ですから。 |
高野 |
以前、経済評論家の大前研一さんの本に、一流のビジネスパーソンであるには、古典文学などの教養を深めることが大切だ、と書かれているのを読んだことがありますが、現代のビジネスパーソンにとってはそれが、インターネットを活用してうまく情報を集めることができるかどうか、だと思うのです。情報に敏感になることによって、環境問題やボランティアなどグローバルなトピックについて語ることができるようになります。 |
佐藤 |
おっしゃるとおりですね。ただし、集めた情報に流されたり、マニュアルの中から安易に答えを探したりするのではなく、情報を元に自分の考えをきちんと持って自分の言葉で伝えることが大切ですね。 |
高野 |
そうですね。特に就職・転職に関しては、自分自身と向き合うわけですから、“誰かが考えてくれた答え”ではなく、自分の言葉を大切にして欲しいですね。 |
佐藤 |
前職も含めて多くの方から相談を受けてきましたが『考え抜く力』、『掘り下げる力』を大切にして欲しいと思います。自分で決める、考える、といったところでラクをしてしまうと、後々辻つまが合わなくなることがあります。それらは留学生に限ったことではありませんけれど。その前提で、グローバルなトピックスについて語るという点を考えた場合には、留学経験者のほうが意識が高いと思うのですが、高野さんのこれまでのご経験の中で、留学経験者と会ってみていかがでしたか?同じ留学経験者の中で、就職・転職活動で差がつくとしたらどのような点でしょうか。 |
高野 |
大学や大学院留学であれば、有名校のほうが有利だというのは当たり前の話かもしれませんが、それは、有名校であれば、必然的にそこに集まる学生のレベルが高く、留学後に海外の企業の重要なポストに就いている人も多いのでOBとのネットワークが作れるかもしれないという点が大きいのです。また、たとえば、TOEICテストなど、数字で測れるものは、「もうこれくらいでいい」ということはなく、高ければ高いほどいいと思います。 |
佐藤 |
留学の目的としてはいかがでしょうか。帰国後の就職について、出発前に明確な目的があるといいのですが、やはり留学してから進路を決めたい、という人も多いようです。 |
高野 |
社会人が仕事を辞めて留学するとき、「仕事が嫌だから留学する」といったような選択肢は、できれば避けてほしいですね。帰国後の就職に有利になるよう、「留学」という武器を手に入れるくらいのつもりで行ってみてはどうでしょうか。そのほうが、いい成果が得られるはずです。 |
佐藤 |
留学前の仕事と、留学の目的、そして帰国後の希望就職先と、目標に一貫性があることは大事ですね。自分ではまったく違う仕事に応募しているようなつもりでいても、振り返ってよく考えてみると、前職の中に、新しい仕事を目指すようになったヒントが隠れていたりします。 |
高野 |
少なくとも面接の際に、留学の目的についてきちんと答えられるようにしておいたほうがいいと思います。自分の中で明確にしておけば、ほかの人に説明するときもうまくいくはずですからね。 |