キャリアの達人に聞く03
 
キャリアカウンセラー対談 第3回
やりたい仕事を見つけて輝く人生を切り開く方法
20代で会社を起こし、現在は2つの会社を経営し、国際的にも活躍する“輝く女性”佐々木かをりさんのインタビューを2回に分けてお届けする。第1回目は自然体なのに前向きで、謙虚なのにアグレッシブな彼女の仕事と魅力について。
20代の女性が起業する、そのパワーの秘密とは?

佐藤 本当に多方面でご活躍ですね。27歳で設立されたユニカル・インターナショナルは、今や2,400人以上の翻訳・通訳のプロが登録し、サービスに対応する言語も70以上ということですが、当時、20代の女性が起業するということは大変珍しいことだったのではないですか?

佐々木

そうですね。でも、「やってやるぞ」っていう意気込みや野心は全然なかったんですよ。起業したのは、簡単にいうと、私が無知だったからなんです。

佐藤

それはどういう意味でしょう?

佐々木

高校時代にレコード会社や音楽業界でアルバイトをして学費を稼いでいた私にとって、「働く」ことは、大変でも特別なことでもなかったことは確かです。ただ、その頃の就職といえば、たいていが新卒のみ。それも事務職での採用がほとんどだったので、「卒業から少しすぎてしまったし、簿記もできない私を雇ってくれる企業なんてあるはずがない」と思い込んでしまって…。それで、私ができる唯一のことは英語だと考えていたので、「簿記がダメなら通訳しか食べていくしか道がないわ」と、まずはフリーランスで働き、会社にしていったんです。それぐらい無知で幼稚だったんですね。でもね、今思うと、情報のない時代だったからこそ起業できたんだなあって思います。何も知らなかったから、「あっちの会社のほうがいいかも」とか「あの仕事のほうが条件がいい?」などと余計なことを考えず、目の前にある仕事やお客さまをすごく大切にできたんです。今の若い人を見ると、「まだ何もやってないのに情報ばかり仕入れてどうするの?とりあえず何かやってみれば?」と思いますね。

佐藤

おっしゃるとおりですね。同じころ「ニュースステーション」のレポーターとしてもご活躍されていましたよね。そういうチャンスは、他の人ではなかなかつかめないと思うのですが。

佐々木

そんなことはありません。結果だけ見ると華やかに見えるかもしれないけれど、私にスゴい能力や強力なコネがあったわけじゃない。大学の時にたまたま講義で近くの席になった方と年賀状などのやり取りを続けていたのですが、その方からたまたま翻訳の仕事をいただいて、原稿を郵送ではなく私自身が持って行ったら、たまたまその方が「ニュースステーションの人がリポーターを探している」という情報を私に教えてくれたんです。それがきっかけで試験を受けたら受かったという、そんな偶然の連続なの。その方も、何年も会ってなかった私を年賀状で思い出してくれて翻訳の仕事をくださったわけですから…。大きくて華やかなチャンスも、実はたった1枚の挨拶状からなんですよ。
留学は、今までの自分からは想像もできない視点からモノを考え、さまざまな価値観の人と出会える。人が一番成長できる、いい機会だと思うんです。 留学経験は人生における貴重な財産

佐藤 今のお仕事の主軸は、2000年に設立されたイー・ウーマンになるのですか?

佐々木

そうですね。30歳になる少し前、ユニカルも軌道に乗ってきたころに、世の中を冷静に見てみたら、第一線に女性がいないことがわかったんです。そして、プロ意識の高い女性はもっといるはずだ、そういう方と出会って自分ももっと勉強したいと思って、「国際女性ビジネス会議」というのを開いたんです。

佐藤

2005年7月で10年目を迎えられる会議ですよね。全国の前向きな女性が、自費で集まり、勉強会やディスカッションをする、活気ある会だとうかがっています。今年は1,000人もの参加者を見込まれているとか。

佐々木

そうなんです。どなたでも申し込める会議なんですが、私を含めて参加された方は全員、「わあ、日本にもこんなに若くてステキな女性たちが、いっぱい働いているんだ」って毎回感動して、勇気や元気や刺激をもらっているんです。会議参加者の満足度も過去9年間ずっと平均が97%以上。だったら、24時間、刺激し合い、学び合えるコミュニティをインターネットで作れないかと思ってイー・ウーマンを立ち上げました。

佐藤

それをあえて株式会社にされたのは、何か理由がおありだったんですか?

佐々木

それは、ここに集まる知恵や提案力を社会や経済や政策に活かしてみたいという思いがあったから。ただそのためには、ノンプロフィットでは経済界やメディアはあまり認知してくれないんです。認めてもらうには、経済界の人達と同じ土俵、同じルール、同じ言語で戦わなきゃダメだとわかって、株式会社にすることを決めました。

佐藤

そういう果敢な挑戦は、やはり、大学時代に留学されたということが影響するんでしょうか?

佐々木

ありますね。英語力そのものは、留学中よりも帰国後フリーで通訳の仕事をしている時の方が伸びたかもしれませんが、振り返るとあの時の“キツかった留学”が今の私の原点であり、財産だといえますから。

佐藤

では次回は、その“キツかった留学”のお話をたっぷり聞かせてください。


成功されている人というのは、まずは与えられた仕事に一生懸命取り組む。そしてチャンスをつかんでいくのですね
佐々木かをり
プロフィール
1983年、上智大学外国語学部卒。在学中に日米会話学院代表奨学生として1年間、米国エルマイラ大学に留学。87年にフリーランスの通訳・翻訳家を束ねた、ユニカル・インターナショナルを設立。同年、テレビ朝日「ニュースステーション」のリポーター、96年にはCBSドキュメントのキャスターも務める。2000年には女性の声を経済・政治・社会へ反映させる新ビジネスを手がける、イー・ウーマンを設立。1996年にはヒラリー・クリントン氏との昼食会に招かれるなど、その活躍は国際的にも認められている。主な著書に「ギブ&ギブンの発想」(知恵の森文庫)、翻訳に「さよならメリルリンチ」(日経BP社)など。2児の母


対談はイー・ウーマンの本社ビルで行われた。壁にはイー・ウーマンのメンバーによって開発された商品が並ぶ


情報を集めることに時間を費やすより、まず何かを始めることが大事


'04年度の「国際女性ビジネス会議」の様子。'05年は7月16日(土)に「女性たちのネクストステージ〜CSRの時代の企業と個人の責任〜」をテーマに開催される



佐藤江利奈
米国CCE,Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー。
(株)リクルートでの採用支援の企画営業、人材紹介会社でのコーディネーターなどを通して、これまで大学生から社会人まで幅広い年代2000人以上の就職・転職希望者に対しセミナーやワークショップ、キャリアカウンセリングを行う。
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