キャリアの達人に聞く12
 
キャリアカウンセラー対談 第12回
活況を呈する航空業界求められる人物像は?
一時期は採用を控えていたが、ここ数年で積極採用を展開し始めた航空業界。2006年度を見ても、客室乗務員においては、新卒・既卒合わせて700 人近い採用を行っている。今回は、客室乗務員の採用担当者・清見氏に、求められる人物像を具体的に伺うとともに、留学経験者が応募において心がけておきたいポイント等を伺った。
海外大学卒業者には、別枠の採用日程を用意

佐藤 御社では「新卒」と「既卒」と分けていらっしゃいますよね。そこが、留学生の悩みどころ。留学生は卒業年度がまちまちなので、「私は新卒なのか?第二新卒として既卒枠に応募したらいいのか?」という質問が、私のところにも少なからず届いています。

清見

そこは明確ですよ。仮に07年4月以降の入社の場合、我々が「新卒」と捉えているのは、06年の4月から07年の3月の間に卒業する方(募集要項にありますのでぜひ確認してみてください)。仮に海外の大学を06年5月に卒業する方は、卒業後に「新卒」として弊社を受けて、採用された場合は07年の4月以降の入社となるわけです。日本の大学を卒業する学生も留学生も「新卒として受けられるのは1年間」という部分は変わらないんです。ただし、仮に「卒業してすぐに就職したい」というのであれば、06年の既卒枠で応募していただくことになりますね。ただ、その場合も応募資格にあった方に限ります。

佐藤

では、留学生は、卒業年度に合わせて、どちらを選択するかを判断すればいいわけですね。

清見

はい。また、06年から初めて、海外大学卒業者を対象にした別枠の採用日程も用意しています。具体的には7月過ぎから採用活動を開始するというスケジュールです。

佐藤

今年も継続して行う予定ですか?

清見

そのつもりです。ただし、「留学生・新卒」には条件があるんです。それは海外の大学・短大の卒業証書を取得した方。つまり日本国内の学士や準学士と同レベルであることが大前堤なんです。語学学校などはこれに含まれません。また「交換留学生として海外大学に通っていたが、卒業は国内の大学」という方も含まれませんね。

佐藤

英語力に関しては、TOEICが600点以上ということですから・・・。

清見

短期・長期を問わず、留学経験がある方は、英語力に関しては、心配せずにすむレベルでしょう。ただ、長期留学の方は覚悟しておいたほうがいいかもしれません。何故なら、「3年、4年と留学していれば、このレベルまでの英語力・語学力は身についているだろう」という期待が大きくなるからです。一定レベルをクリアしていても、我々の期待より低かったりすると、マイナスイメージを与えかねません。
留学生も「新卒の期間は1年間」ということに変わりはありませんが別途、採用枠も用意しているので募集内容・時期をよく見て判断してください。 求めるのは、決断力・判断力・行動力のある人

佐藤 ストレートにお聞きしますが、留学経験がアドバンテージになることはあるのでしょうか?

清見

留学したという「事実」がプラスに作用するということはないでしょう。ただ、留学を通じて、体験したこと、磨かれたものがあれば、その方の能力として認めます。極端な話、羽田空港もこれからは国際化されると言われており、海外のお客様とコミュニケーションする能力が問われてくる。TOEICの点数云々ではなく、頓着なく海外のお客様と聞く・話すができるという点は有利かもしれませんね。

佐藤

受かる人とそうでない人の違いは、どこにあるのでしょう。

清見

私は実際に面接をするわけではないのですが、面接担当者に聞くと、「どんな内容であれ、話せばわかる!」と言っていました(笑)。

佐藤

シンプルですね(笑)。

清見

面接数分でわかるそうですよ。面接最中の雰囲気、質問の意図、いろんなことを理解しながら、面接担当者と話ができているかどうかが。何故、そこを重視するかと言うと、客室乗務員は、機内でいろんなお客様からいろんな要望を言われます。しかも、それとは別に、自分がしなければならない業務も抱えており、周りのスタッフが困っていたらサポートする必要もある。そんな中で、状況を見ながら、自分は何をすべきかという優先順位をつけられるか、判断力や決断力が求められるからです。ですから、いくら素晴らしい留学経験でも、状況を無視して延々と話すような方よりも、その時々で意見を修正して、質問に対応した答えを、自分の言葉でスマートに語れる人のほうが、「合格」に近くなるのではないでしょうか。

佐藤

決断力や判断力で言えば、留学経験者は、「海外で学ぶ」という決断を経験し、現地でも、様々な局面で意志決定を求められることが多いのですから、スケールの大きさはともあれ、判断力等が磨かれる可能性は大きいと言えるかもしれませんね。

清見

目標に向かって頑張ってきた人、達成感を得た経験のある人は自信を持っていいのではないでしょうか。
留学中には、様々な場面で意志決定を求められることも多いから決断力・判断力が磨かれているかもしれませんね。 大切なことは「お客様の喜びが自分の喜び」と感じられること

佐藤 客室乗務員というお仕事で、最も大切なことを教えていただけますか?

清見

ひとことで言うと「ホスピタリティの精神」です。我々が目指すのは、毎日、違うお客様と接する中で、一人でも多くの人に「また全日空に乗りたい」と思っていただくこと。そのためには、「お客様の喜びこそが自分の喜び」と感じられることが最も大切なんです。

佐藤

「お客様の喜びが自分の使命」と考えられるかどうか、ということですね。

清見

はい。例えば、機内で何かトラブルがあった場合に、どうしようとオロオロするのではなく、どうすればお客様が不安・不快にならないかを判断して、瞬時に行動することが、客室乗務員の仕事なんです。多くの方は「華やかな仕事」だと思われていますし、確かにそういう場面もあるかもしれませんが、我々は常に「客室乗務員の最も重要な任務は“保安要員”であることなんだ」と話しています。実際、新卒・既卒を問わず、入社後はピンクのつなぎを着て、訓練所にあるプールの上で避難用のボートに乗ったり、燃えたぎる火を前にして消化器を使って消したりなどの訓練を重ねていますから。

佐藤

これまで取材をさせていただいた複数の客室乗務員の方が「私たちは『保安要員』だ」とおっしゃっていました。会社の意識が浸透している証拠ですね。

清見

そうであると信じています。それと、弊社の特徴は、常にチャレンジ精神があることですね。みなさんはご存じかどうかわかりませんが、国内線のフルフラットシートを世界で最初に取り入れたのも、ヨーロッパ・北米路線のビジスネクラス以上で、客室乗務員が機内で調理をして1皿ずつお出しする、レストランさながらのサービスを最初に手がけたのも弊社なんです。

佐藤

その、フレキシブルかつチャレンジングな精神が、人気企業ランキングにも表れているんでしょうね。

清見

経営が低迷していた時期も、社内は「やってやるぞ」とひとつになって、前向きに向かっていたような気がします。

佐藤

最後に、「入社後に留学したい」という人について、サポートしてくれるような制度があったら教えていただけますか?

清見

私が名古屋勤務だった頃は、有給などを巧みに使って20何連休を取り、短期留学をした女性がいましたが(笑)、今は「休職留学制度」というのもあります。

佐藤

休職して留学できる制度、ですね。

清見

その通り。休職中は無給ですが、留学後はまた元の部署に戻ることができる。現在、毎年15人ぐらいの客室乗務員がこの制度を使って留学しています。語学留学の場合は、英語だけでなく、中国語、フランス語など、多岐に渡っています。それ以外にも、お客様とのコミュニケーションを図る上で知識をつけたいと、アロマ・テラピーなどを学んでいる人も多いですね。

佐藤

やはり、入社後も自分を磨き、育てたいという意欲を持っている方が多いのですね。今日はどうもありがとうございました。


また全日空に乗りたい!お客様にそう思っていただくためにもお客様の喜びを使命に感じられる人を求めています。
清見佳秀
プロフィール
きよみ よしひで/経済学部卒。1991年に全日空入社。もともとはパイロット志望で、1年半、アメリカで訓練を受けた経験がある。現在は主席部員として客室乗務員限定の採用業務を担当。面接のコーディネートなど、幅広く活躍中。















海外の大学・短大を卒業する留学生で4月の説明会に参加できない方向けに7月に選考も行う予定。ANAの採用ページで応募条件に合っているか確認の上チャレンジして下さい。また、『就職成功の秘訣』バックナンバーでもANAの客室乗務員、田中裕子さんの体験談をご紹介しています。















留学は客室乗務員に求められる『判断力』が磨かれる絶好の機会かもしれませんね。















『お客様の喜びが自分の喜び』と感じられることと、『ホスピタリティの精神』が大切です。
佐藤江利奈
米国CCE,Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー。
(株)リクルートでの採用支援の企画営業、人材紹介会社でのコーディネーターなどを通して、これまで大学生から社会人まで幅広い年代2000人以上の就職・転職希望者に対しセミナーやワークショップ、キャリアカウンセリングを行う。
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