キャリアの達人に聞く20
 
キャリアカウンセラー対談 第20回
ミスマッチのない自分らしい働き方を見つける方法
アデコは人材サービスのグローバルリーダー。留学ジャーナルと提携し、留学経験者の帰国後の就職活動、各種キャリアセミナーやカウンセリングにもご協力いただいている。前回の人材紹介(転職支援)サービスに引き続き、今回は新卒や実務経験の浅い若手の就職支援サービスについて担当の山岡さんにお話を伺った。自分らしい働き方をどうやって見つければいいのか。また、留学後のキャリアをどのように考えればいいのか。日頃多くの若手の方に接している彼に、アドバイスを頂いた。
やりたいことが明確な人も 何がやりたいのか迷っている人も
アデコのサービスを上手に利用してほしい


新卒を対象とした「キャリアーラ」

佐藤 前回は、人材紹介サービス部の西山さんにある程度実務経験のある方の就職・転職支援サービスについてのお話を伺いましたが、今回は新卒者または実務経験の浅い方を対象にした就職支援サービスについてお話をお伺いしたいと思います。まず、支援の対象について改めて教えていただけますか?

山岡

はい。このサービスの対象は、専門学校・短大・大学の卒業見込みの方、あるいは卒業された方で実務経験がない方、また1年〜2年未満の実務経験が浅い方に特化しています。

佐藤

年齢層で言えば、20代前半の方が対象ですね。

山岡

はい。20歳から25歳位までの方が対象です。たとえば高校を卒業した後、語学留学に行き、戻ってこれらた方も対応させていただいています。

佐藤

私がカウセンリングした留学生も、御社のサービスを使って仕事に就いていますが、就職支援の形にも通常の派遣のほか、「キャリアーラ」と「フレッシャーズ」の2つのシステムがありますね。

山岡

はい。「キャリアーラ」は、新卒者のみを対象にしたサービスです。キャリアーラの中でも、『当社の契約社員』として派遣先企業で1年間または2年間就業し、その後、派遣先企業の社員となれるタイプのものと、『紹介予定派遣』で人材派遣のスタッフとして最長6ヵ月間派遣先企業で就業し、その後、派遣先企業の社員となれるタイプの2種類があります。昨今は短期間の派遣期間を経て正社員になるニーズが圧倒的に多くなっています。

佐藤

それぞれのタイプの特徴を教えていただけますか?

山岡

両タイプとも、一定の派遣期間を経て、最終的には派遣先の社員として就職することができるものなのですが、大きな違いは派遣期間中の雇用形態と派遣期間です。前者は、当社への応募、面接といった選考プロセスを経て、『当社の契約社員』として採用され、社内での研修期間を経て企業に派遣されます。派遣期間は派遣先によって異なりますが1年または2年となります。当社の契約社員として派遣されますので、その間の雇用は保障されています。一方、紹介予定派遣では、当社へ『紹介予定派遣のスタッフ』として登録していただき、やはり、卒業までの期間に研修などを受けていただきながら、その方の希望する職種などに沿った最適な就業先を当社がご紹介します。派遣での契約期間は最長でも6ヵ月で、その後、派遣先企業の正社員として採用されるというシステムです。

佐藤

どちらも社員となることを前提に、希望の職種に沿った派遣先を紹介していただけるというのが大きなメリットですね。

山岡

はい。一般的な就職活動の場合は、たとえば「経理の仕事がしたい」「貿易事務の仕事がしたい」と思っていても、いざ入社して配属されたら営業だった・・・という場合も少なくありません。でも、当社のキャリアーラシステムを使っていただければ、例えば経理なら経理と、希望する職種に就ける可能性が拡がります。

佐藤

やりたいことが明確な場合や、キャリアの第一歩はこの職種で・・・と考えている新卒者の方には最適のシステムですね。

山岡

そうですね。

佐藤

「キャリアーラ」の派遣先の業種や職種に、何か特徴はありますか?

山岡

もともと業種としては銀行などの金融系が多いですね。最近では、メーカーや商社なども増えています。受け入れる側も新卒者を受け入れる体制が整っていなければならないため、体力と安定性のある企業が多いのは確かです。職種としては事務系が多いのが特徴です。

佐藤

「キャリアーラ」を利用する学生たちの就職へのこだわりはどんなことでしょうか。

山岡

そうですね。どちらかと言うと企業規模や知名度というよりは、自分の仕事の内容を重視する方が多いですね。自分に合った仕事に就きたい、という意識が高いのではないでしょうか。
経理がやりたい・・・といったように、希望の職種が明確な人には「キャリアーラ」のシステムを上手く活用していただきたい既卒・第二新卒を対象とした「フレッシャーズ」

佐藤 もうひとつの「フレッシャーズ」というシステムは、「キャリアーラ」とはどう違うのでしょうか?

山岡

「フレッシャーズ」は既卒の方を対象としたサービスです。既卒と言っても、実務経験の無い方や、あっても1〜2年のいわゆる第二新卒と言われる層に特化した支援をしています。ビジネス研修プログラムを受けていただきながら、我々が個別カウセリングで適性を見て、アドバイスを通じて、最もマッチした企業を長期の派遣もしくは紹介予定派遣のシステムで紹介するという制度です。

佐藤

登録されている方の傾向などありますか?

山岡

プロフィールで言えば、既卒で年齢23歳という方が多いですね。第二新卒の方の傾向として、新卒で就職したものの実際に働き始めてミスマッチを感じていらっしゃる方が多いのが特徴といえます。自分の『色』、つまり、適性や強み、個性ややりたいことなどについて、改めて自分を見つめなおしたり、将来の方向性を模索したりしている方が多いように感じます。

佐藤

確かに、学生時代の就職活動の段階でも何がやりたいのか見つけられないという方は少なくないですね。就職活動をしていて何度か面接に落ちてしまうと、自分を否定されて自信を無くしてしまう方もいらっしゃいますね。

山岡

そうですね。そのほかにも、就職活動のタイミングを逃された方も多いですよ。公務員を目指していたけれど試験に落ちてしまい、いざ就職活動を始めようとした時には採用が終わってしまっている。周りが一斉に活動している時期なら情報も入りやすいけれど、友人たちは既に内定していて、何から始めてよいかわからない、というようなケースです。

佐藤

留学する方の中にも、公務員試験を目指されていた方は多いような気がします。そういった方たちを含め、大学や短大を卒業し、就職活動をせずにそのまま留学して帰国した人は、「フレッシャーズシステム」のサービス対象になりますね。公務員試験に限らず、留学を決めた時点で英語の勉強に集中したので就職活動はしなかった、という方からもよくご相談を受けます。

山岡

そういう方も、自分の色がわかっていないと思うんです。だからこそ、ビジネス研修プログラムとカウンセリングを通じて、自分の色を見つける支援をできればと思っています。研修やカウンセリングを行っていく中で、登録されている方が自分に気づいて変わっていき、紹介先の企業でも頑張っていると評価をいただいたときが、この仕事の大きなやりがいのひとつです。

佐藤

そういったお気持ちで支援していただいているのは心強いですね。具体的な研修内容を教えていただけますか?

山岡

いくつかステップがあります。ステップ1が、自分の方向性を見つけていく研修。自分史を書いてみたり、グループワークで素の自分を見つけたりという、いわば自己分析の段階ですね。ステップ2ではビジネスマナーを学びます。ステップ3になると、即戦力として働けるような実務研修を体験していただきます。

佐藤

反応はいかがですか?

山岡

なかなかいいですよ(笑)。「自信がついた」と表情が変わる方もいますし、「考えが甘かった」と新たな認識を持たれる方もいますし。

佐藤

まずは自己理解を深め、社会に出ていけるだけの基本的なスキルを身につけることで、はじめて自分の将来と向き合えるのかもしれませんね。
自分の色がまだわかっていない20代は自己理解を深め、社会に通じるスキルを磨く準備期間が必要なのかもしれませんね留学後は時間をかけて仕事を選んでいい

佐藤 留学経験者も御社のサービスを多く利用していますが、留学生に共通する特徴はありますか?

山岡

やはり、自分の力で海外で暮らしてきたという実績がありますから、紹介した企業さんからはいい評価をいただいています。ただ、仕事を決めるまでの過程において「そんなにあせらなくてもいいのに」という思いがあります。

佐藤

急いで就職先を決めている、ということですか?

山岡

学生時代の友人は、みんな就職をしているでしょう?そのせいか、「この仕事がしたい」というより、「早く仕事を見つける」ことが第一になっているような気がするんです。我々は「そうじゃないよね」という話から入ります。日本の新卒の就職活動では、半年ぐらいの時間をかけて納得した1社を見つけるわけだから、同じぐらいの時間をかけてもいいじゃないかって。そうすると、みなさん気持ちが落ち着かれるんです。

佐藤

転職の場合、時間があくのはマイナスになると言いますが、留学経験者が帰国後、半年の時間があくことはマイナスにはなりませんか?

山岡

多少、気にする企業はあるかもしれません。ただ年齢が25歳くらいと若いのであれば、問題はないと思います。むしろ「それぐらいの時間をかけて、御社を探していた」とアピールすれば、企業側も喜ぶでしょう。

佐藤

留学経験者の多くは、「英語を活かした仕事がしたい」と言いますが、その点はいかがでしょう。留学生にしてみれば、留学で勉強してきた英語は、「これが自分の専門分野だ」というこだわりに近いものを持っているような気がします。

山岡

考え方ですよね。就職をあせっている多くの方は「自分には英語しかない、だから英語を使う仕事しかない」という悪循環に陥ってしまう。英語はひとつの武器だと捉えて、「英語もできる」とプラスに考えていただくと、可能性も開けると思うんです。

佐藤

なるほど。よく、「英語を使って何ができるか、何をしたいか」を考えなくてはいけない、ということが言われていますが、山岡さんの表現のほうが前向きですね。いずれにしても、「英語以外」の能力や資質、個性に目を向けることは大切ですね。英語もできるけれど、日本語で何ができるか・・・そこから考えてみると、将来の選択肢も広がってくるでしょうし、そこに気づかせてあげることが、私や山岡さんの役割なのかもしれませんね。

山岡

大切なのは、我々のサービスを使う方々の「現在のやる気」なんです。迷いがあっても、先が見えなくても、「何かをやってみたい」と思うその気持ちに、我々は応えていきたい。時には彼らに厳しく言うこともありますが、基本的には相手の気持ちに立って、共感から信頼を生み、ベストな働き方を見つけるお手伝いをしたいと思っています。

佐藤

仕事やキャリア、ライフスタイルを含めて、10人いれば10人の価値観がある、それを踏まえてアドバイスをしてくださるということですね。研修内容や、山岡さんの仕事に対する想いを改めてお伺いし、留学を終えて帰国された方がビジネスの世界に踏み出す時に、連携してサポートしていただける心強い味方の存在を実感いたしました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


「英語しかできない」ではなく「英語もできる」とプラスに考えて潜在的な自分の能力や個性に目を向けてほしいんです
山岡洋平
プロフィール
やまおかようへい/大学時代に短期の留学経験あり。卒業後は英会話スクールに就職し、スクールマネージャーを務める。2003年にアデコに転職。主に新卒・第二新卒・就労未経験者のための就職支援を担当。「相手の気持ちになって考える」をモットーに、仕事に打ち込む30歳。




























『フレッシャーズのための研修』の様子。グループワークは自分の再確認・再発見の機会。




























明るいイメージの待合コーナーではリラックスして就職情報誌などの閲覧が可能。




























山岡さんと一緒に働く松成さん(写真右)も求職者の頼もしいサポーターだ。
佐藤江利奈
米国CCE,Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー。
(株)リクルートでの採用支援の企画営業、人材紹介会社でのコーディネーターなどを通して、これまで大学生から社会人まで幅広い年代2000人以上の就職・転職希望者に対しセミナーやワークショップ、キャリアカウンセリングを行う。
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