キャリアの達人に聞く38
 
キャリアカウンセラー対談 第38回
外資系企業で求められる力を留学で養う
外資系企業・日系グローバル企業を中心とした求人情報サイト「キャリアクロス」を運営し、短期間のうちに急成長した企業シー・シー・コンサルティング。創業間もないころに入社し、現在は取締役最高執行責任者を務める斉藤政之氏に、自身の留学経験と、外資系企業で求められる人材について聞いてみた。

メルボルンのTAFE(公立の専門学校)へ留学
現地の友人との会話で英語力を伸ばす


佐藤 斉藤さんご自身留学を経験されたそうですが、それはどんなきっかけからだったんですか?

斉藤

大学卒業後、建設資材会社で4年間営業をしていまして、そのころはまったく英語がしゃべれませんでした(笑)。営業の成績は結構よかったのですが、そこは典型的な日本企業で、職種が同じならば給料は一緒、個人個人の業績にはあえて触れず、といった風潮で、私としてはどこかしっくりこないところがあったんです。ただ、転職を考えたときに、「今のままでは、同じ業種の別の会社に行くしかない」と思い、「英語ができれば、もっと選択肢が広がるのではないか」と、オーストラリアへの1年間の留学を決意しました。

佐藤

オーストラリアに1年であれば、ワーキングホリデーという方法もありますよね。英語を学びながらその国のことを知りたいという方にはいいと思うのですが。

斉藤

私の場合、オーストラリアで何がしたいというはっきりした目標があったわけでなく、「とりあえず1年間いて、英語を話せるようになろう」というくらいだったので(笑)、ワーキングホリデーも考えたんです。ただ、あいにく私が行ったときは、年齢の上限が25歳でうまく合わなかったんです。確か私が滞在している間に、30歳に変更になったようですね。それで、メルボルンのTAFE(専門学校)で国際貿易を専攻することにしました。でも、授業にはあまり身を入れていなくて、もっぱら現地の人と遊びに行くことばかり考えていました(笑)。

佐藤

TAFEは、社会人の留学先としてはいい選択肢ですよね。単に語学を学ぶのではなく、実践的な内容が学べますね。ただ、語学学校を経ずにいきなり英語で授業を受けるのは大変だったのではないですか?

斉藤

一応、日本で英会話学校に通っていたんです。そこでオーストラリア人の先生と知り合って、現地でその先生の知り合いを紹介してもらって、といったようにつてをたどっていきました。でも、その友人とサッカーばかりしていて、あまりまじめな学生ではなかったかもしれません(笑)。

佐藤

留学する人の中には、とりあえず海外生活を経験してみたい、地元の人と英語で話してみたい、という目的の人も結構いると思うのですが、学校は意外に厳しいんですよね。学生ビザで滞在している以上、出席日数が足らないと滞在の理由が認められず、帰国させられたりしますよね。

斉藤

私の場合、まさにそれで、途中から取りやすいコースに変えました(笑)。ITのコースにして、ワードやエクセルの使い方といったごく初歩的なことをやっていたりして。でも、とにかく普段の生活の中で英語が話せるようになりたいという思いが強く、学校の授業そのものは、そんなに重視していませんでした。

佐藤

現地で友人を作って、その人たちと話をすることで、会話力を鍛えていったんですね。でも、帰国されてから仕事で英語を使うつもりだったと思うんですが、ビジネス英語を習っておかなくても問題ありませんでしたか?

斉藤

私は最初から営業を目指していたんですが、営業ではきれいな英語が話せるかどうかというよりも、基本的なやりとりができるかどうかが重要なんです。あとは「コミュニケーション力、営業力」がモノを言うところは、日本語でも英語でも同じですね。
「現地で友人を作って、その人たちと話をすることで会話力を鍛えていったのですね。」

佐藤江利奈/留学ジャーナル キャリアカウンセラー 外資系企業で求められる
「バイカルチュラル」な発想を育てる


佐藤 仕事を辞めて留学する場合、「帰国してからの仕事をどうしよう」といったように、いろいろ悩む人も多いようですが、斉藤さんの場合、特に不安はなかったのでしょうか。帰国してからの就職に当てがあったわけではなかったと思うのですが。

斉藤

あれこれ考える前に、「何とかなるだろう」と思って行動するタイプなんです(笑)。そのほうが何かとうまくいくことってありますよね。「帰って仕事がなかったらどうしよう」と悩み始めると、留学そのものが実現しなくなってしまうのではないかと思います。

佐藤

帰国されてから、外資系企業を相手に英語を使う今のお仕事に就いて、結果的に留学経験がしっかり生かされているわけですよね。

斉藤

本当は日本で働いてお金を貯めたらまた外国にでも行こうかと思っていたのですが、この仕事をしているうちに面白くなってきてしまって(笑)。会社の業績が上がっていく一方で、自分の仕事力や英語力がどんどん伸びていくのを感じることができたんです。

佐藤

イギリス人の社長が作られた会社ということで、貴社自体がひとつの外資系企業であるわけですが、英語力以外で、外資系企業の中で働く、もしくは外資系企業を相手に働くうえで大切なことがあるとしたら、それは何でしょうか?

斉藤

自分とは違う世界の価値観を認められる柔軟性でしょうか。「バイリンガル」ではなく「バイカルチュラル」という言葉がありますが、他の国の文化を理解できて、それに合わせて行動できることが大切だと思うんです。その力を養うのは、やはり教室での勉強ではなく、現地の人との触れ合いですね。うちの会社でよくThink outside the box.(箱の外側から考えろ。既成概念にとらわれるな)と言うんですが、自分のいる世界から一歩出て、視点を変えて眺めてみると、また新しい見方をすることができたりするものです。

佐藤

留学はまさにその「外から見る視点」を養う機会ですね。資格を取ったりテストのスコアを上げたりということ以外にも、海外での生活経験から、外国人とビジネスをするための力が備わっていくわけですね。本日は大変興味深いお話をありがとうございました。
「自分のいる世界から一歩出て、視点を変えて眺めてみると、また新しい見方をすることができたりするものです」<br>

斉藤政之/シー・シー・コンサルティング取締役最高執行責任者
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プロフィール
さいとう まさゆき/建設資材会社勤務を経て、オーストラリアの専門学校TAFEに1年間留学。帰国後、外資系企業を中心とする求人情報サイトの運営などを手がけるシー・シー・コンサルティングに就職、現在は取締役最高執行責任者を務める。





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シー・シー・コンサルティングは外資系や日系グローバル企業の求人サイト『キャリアクロス』のほか、『キャリアクロス派遣』、英語学習と国際資格のサイト『e-Benkyo』などを運営している。『e-Benkyo』では英文履歴書作成や英語での面接のノウハウなども充実している。





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2月に六本木ヒルズアカデミーで行われた『外資系キャリアクロスフォーラム2008』。出展企業は約50社。2日間の来場者は2800名を越えた。





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留学は外資系で求められる「バイカルチュアル」な発想を修得する絶好の機会です。





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佐藤江利奈
米国CCE,Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー。
(株)リクルートでの採用支援の企画営業、人材紹介会社でのコーディネーターなどを通して、これまで大学生から社会人まで幅広い年代2000人以上の就職・転職希望者に対しセミナーやワークショップ、キャリアカウンセリングを行う。
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