キャリアの達人に聞く40
 
キャリアカウンセラー対談 第40回
「英語は当たり前」の職場で自分のやりたいことを見つける
20代で起業、30代で上場。起業家として着実に歩んできた、株式会社アガスタの松崎みさ取締役会長。会社の成長の過程をうかがいつつ、海外に多数の取引先を持つ中古車販売ビジネスの現場では、どのような人材が求められているのかを聞いてみた。

必要とされるのは「自分で考える」人

佐藤 オフィスでは英語で電話をしている方々を見かけましたが、留学経験者も多いんですか。

松崎

特に留学経験者かどうかということを意識しているわけではないのですが、メールでも電話でも英語を日常的に使うので、英語力は必須です。英語は今や、できると武器になるというわけでなく、できて当たり前という感じですね。一方、英語でのコミュニケーションがあまり得意ではない人でも、入社したらすぐ英語での仕事があるので、とにかくやるしかないという状況の中で身につけています。

佐藤

留学経験者は一般に、英語力があって、やる気がある人も多いんです。そういう人たちが実際にビジネスの現場に出て、次第に仕事の上で差が出てくるとしたら、例えばどんな点なのでしょうか。

松崎

うちにはルーティンの仕事というのがあまりなくて、何をやるべきなのか、自分で考えて行動していかなければならないんです。だから、自分で道を切り開くのが好きな人はがんばれるし、その分どんどん成長していきますね。

佐藤

創業者が女性であるということもあり、女性スタッフが活躍しているところも印象的ですね。

松崎

大手企業だと、女性を採用しても、なかなかその能力を生かし切れていないところも多いようですね。

佐藤

表向きは、男女の差はないはずなのですが、中東や南米といった不安な要素がある国に出張させるときには、どうしても男性を選んでしまうといった傾向があるようですね。御社の場合、男性女性ということにかかわりなく、どんな国にでも、自らマーケットを開拓しに行くというわけですね。

松崎

私の場合、女性社員を出したときより、男性社員を行かせたときのほうが不安なんですよ。女性は、外国に行ったときにあえて危ないことをしたりしないじゃないですか。男性のほうは、夜街にふらふら出ていって、何かに巻き込まれたりしないかどうか、心配になっちゃうんです。実際、男性社員が現地で携帯電話を盗まれて、追いかけて取り返したときに殴られそうになった、なんていうことがあったんです。幸い大事にはいたらなかったのですが、女性だったら追いかけたりはしないですからね。経営者としては、携帯電話がなくなることよりも、社員がけがすることのほうが怖いですから。

佐藤

リスクをきちんと把握した上で、思いがけない出来事を楽しめるくらいの度胸のある人に向いているのかもしれませんね。
ルーティンの仕事というのがあまりなくて、何をやるべきなのか、自分で考えて行動していかなければならないんです。だから、自分で道を切り開くのが好きな人はがんばれるし、その分どんどん成長していきますね。松崎みさ/株式会社アガスタ取締役会長 勢いがあるインド、アフリカ
他が行っていないところに行く


佐藤 松崎会長は、日本だけでなく海外の経営者の方々ともお付き合いがあるわけですが、最近世界のビジネスについてお感じになられていることは何ですか。

松崎

私はEO(Entrepreneurs Organization=起業家機構*年商が100万USドルを超える会社を持つ若手起業家の世界的ネットワーク)に所属しているんですが、ここのところ、インドや中東地域のメンバーにすごく勢いがあるんです。アメリカと提携して新しいビジネスを始めるとか、経済的にとても力がついているのを感じます。日本を担う若い人たちには、競争相手は身近な友人ではなく世界の優秀な人材だということを伝えたいですね。中古車ビジネスのほうでは、アフリカからのアクセスが本当に多いですね。インターネットでビジネスをするようになってから、こちらがアプローチしなくても、買い手からアクセスが来たりするんですが、アフリカからの問い合わせはだいぶ増えています。資源開発用に車が売れる一方で、個人所得も上がっているようです。

佐藤

インドや中東、アフリカの人たちは、日本にいるとあまり触れる機会がありませんが、実は海外の語学学校では、そういう国の人たちとクラスメイトになることが多いんですよね。海外で学ぼうという留学生が多いということはそれだけその国に勢いがあるということだと思います。彼らと直接話をすることができて、しかも留学後もお互いに連絡を取り合ったりしてネットワークを作ることは、とても大きな財産になりますね。

松崎

そうですね。アフリカの国も、実際に行ってみると、近代的な都市ができて工場が次々と建ってと、私たちがテレビで見るような、自然がいっぱいのステレオタイプなイメージとは、ずいぶん違います。中にはまだ日本企業が進出していないところがたくさんあるので、私たちはそういうところに挑戦していきたいと思っています。

佐藤

ザンビアの航空会社と提携してキャンペーンを展開したり、いろいろ新しいことを考えていらっしゃるんですね。

松崎

今考えていることとしては、今後は第二創業期として、車以外の商材を扱っていきたいんです。今までのノウハウを応用することで、日本と海外の間でさまざまな商材やサービスを流通させることができるのではないかと思っています。

佐藤

英語や国際感覚がますます必要とされるわけですね。ただし、語学を身につけることだけを目標とするのではなく、自分のやりたいことを見つけて、その手段として英語を使う。これは、留学しようとしている人にとって、とても大切なメッセージだと思います。本日はありがとうございました。
世界の勢いのある国の人たちと直接話をすることができて、しかも留学後もお互いに連絡を取り合ったりしてネットワークを作ることは、とても大きな財産になりますよね。佐藤江利奈/留学ジャーナル キャリアカウンセラー
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プロフィール
まつざき みさ/獨協大学外国語学部卒業。幼少時を南アフリカ共和国で過ごし、学生時代に世界40ヵ国以上を旅する。大学卒業後、経営コンサルティング会社に就職。1997年に独立して有限会社アガスタを設立。株式会社への変更を経て、2004年、東証マザーズ上場。現在は取締役会長。

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2006年12月にオープンした海外向け中古車販売サイト「PicknBuy24.com」。このサイトのオープンにより、中古車ディーラーだけでなく、個人の顧客に流通させることが可能になった。最近ではアフリカ地域からのアクセスが増えている。

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自分で道を切り開くのが好きな人は頑張れるし、その分どんどん成長していきますね。

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日本を担う若い人たちには「競争相手は身近な友人ではなく世界の優秀な人材だ」ということを伝えたいですね。

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佐藤江利奈
米国CCE,Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー。
(株)リクルートでの採用支援の企画営業、人材紹介会社でのコーディネーターなどを通して、これまで大学生から社会人まで幅広い年代2000人以上の就職・転職希望者に対しセミナーやワークショップ、キャリアカウンセリングを行う。
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