留学成功の秘訣

大学留学(休学留学)のケース

今月の成功者

-- Photo -- 今村亜紀さん(25歳)海運会社勤務

早稲田大学教育学部英語英文学科卒。在学中、3年生の秋から1年休学して、米国 California State University のChico校に学部留学。人類学部に在籍中は「日本語禁止」を自分に課し、密度の濃い1年を送る。留学前は教師志望だったが、留学中に「海外の人とコミュニケーションを取り、チームワークで仕事がしてみたい」と進路変更。帰国後、新卒として就職活動を開始。50人以上の先輩や社会人に話を聞きながら活動を進め、英会話学校・物流・海運の3社の内定を獲得。第一志望だった海運会社に入社して、今年で3年目になる。
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成功のポイント 1.留学中は1日足りともムダにしない覚悟で勉強 2.就職活動中は多くの人に話を聞き、仕事観を固めた 3.面接では一番頑張った留学経験を素直に語ることができた
 
今村さんのステップアップ

2000年8月 20歳
「英語英文学科なのに英語でコミュニケーションもできないままでは自分に自信が持てない」と留学を決意。カウンセラーに相談しながら、3年生を1年間休学して渡米。California State UniversityのChico校で学ぶ。
2000年10月 20歳
1年間はとことん勉強しようと「日本語禁止」で頑張る。最初はちんぷんかんぷんだった授業も、3ヵ月目から8割程は理解できるように。勉強だけでなく、友人を増やし、多くの海外の学生とコミュニケーションできるようになってきた。
2001年6月 21歳
帰国後に待っていたのが就職活動。「海外の人とコミュニケーションする仕事がしたい」と、旅行会社、商社、英会話学校など、企業を絞って活動。その傍ら、親や親戚、サークルの先輩など50人以上の社会人を訪問。仕事観を聞きまくった。
2002年3月 22歳
就活をしながら、やりたい仕事が物流関係であることが明確に。強い志で物流や海運会社を受けて、結果的に3社の内定を獲得。
2002年4月 22歳
海運会社に入社。仕事は営業や国内外の荷物の管理など。現在は新卒採用の仕事も並行して担当し、「忙しいけれど楽しい」という充実した日々を送っている。
「どうしてもこの会社に入りたい」という熱意を素直に伝えられたと思っています。
「たった1年しかないんだ」と自分を奮い立たせた日々

英語の教師になりたいと、大学は教育学部英語英文学科に進んだ。留学は「英語圏で生活したこともない私が先生になっても、自信を持って教えられない」と思ったから。「留学先は『勉強に集中できるところがいい』と、あえて都会ではなく田舎の大学を選んだんです。休学してまで行くんだから、とことん頑張るという覚悟はありました。だって1年とはいえ、学校で勉強できる期間はたった10ヵ月しかないんですよ。辛いとか、大変だとか言ってる場合じゃない(笑)。『たった10ヵ月しかないんだよ』って、常に自分に言いきかせていましたね」

現地では寮住まい。3人のアメリカ人学生と同室で、今村さんいわく「すごく恵まれた環境だった」そうだ。「すごく仲良くしてくれて、彼女たちの友だちをたくさん紹介してもらいました。あと、私の書いたエッセイやレポートを見てもらってアドバイスをもらったり」。授業は基本的には9時から4時。予習復習は欠かさず、少なくとも1日6時間は勉強に没頭した。「わからないとは思っていたけれど、最初の3ヵ月はホントにちんぷんかんぷんで(笑)。最初は授業をMDに録音してたんですが、『後で聞けばいいや』って心の緩みが出てくるんですね。だから録音は止めて授業に集中することにしました。知っている単語だけを一生懸命拾いながら頑張っていたら、3ヵ月後に突然『あ、言っていることが8割くらいわかる』っていう日が来て。それからですよね。授業で質問もできるようになったし、クラスメイトにも積極的に話しかけられるようになったんです」

頑張り屋の彼女は「たった10ヵ月しかない」と、勉強はもちろん多くの人とコミュニケーションするように心がけた。その中には日本人もいたが、「英語を練習したいから、英語で話しかけてね」と頼んで、「日本語禁止」を自分に課した日々を送った。「ひとり言も英語でつぶやくような日々(笑)。でも、楽しかったなあ。友だちもたくさんできて、10ヵ月間、1日たりとも無駄にしなかったという自負はあります」

今でも、目を閉じると思い浮かぶシーンがある。「キャンパスの中に川が流れていて、その川べりの木陰でよく勉強してたんです。校内でコーヒーを買って、草の上にあぐらをかいて、教科書を読んだり、エッセイを書いたり。疲れたらゴロンって横になったりね。そうしていると、小道を歩いている先生や友だちが声をかけてくれるんです。『エッセイ、進んでいる?』『わからないことがあったら聞いてね』って。春にはいっぱい花が咲いて、その中で『ああ、私はアメリカで学んでいるんだなあ』って、胸がいっぱいになりました」

 

帰国後は就職活動。留学前は教師志望だったが、留学中に考えが変わった。「海外の多くの人とコミュニケーションをし、それを通じて日本に目を向けてもらう仕事がしたいと思ったんです。英語に係わる仕事はしたいけれど、英語を教える仕事よりも、英語をツールとして何かを発信できる仕事がやりたいって」。実は留学中にひとつのドラマがあった。「中国人の友人ができたんですが、彼は『日本はヒドい国で大嫌いだ』と言うんですね。教科書問題など日本と中国の歴史にとても詳しくて、どれだけ日本を恨んでいるのかがわかった。私はそれがすごく悲しくて、いろんなことを本や資料で調べながら、一生懸命話をしたんです。それこそお互い泣きながら気持ちをぶつけ合うような感じで、何日も何時間も語り合って・・・。で、その友達が最後に言ったんです。『亜紀がそうやって話してくれたことで、日本もいい国だなと思った』と。それが今の仕事の原点かもしれない。心からコミュニケーションをすれば何かが変わる。伝えることで、私も何かの力になれる。そう思えたんです」

就職活動で最初にアプローチしたのは、商社・旅行会社・英会話学校など「わかりやすい」企業だった。ネットエントリーしたのが約30社。説明会などアプローチをしたのが17社。50社近く訪問する新卒学生が多い中、数としては多い方ではないけれど、「自分にはどんな仕事が合うのか。あるいは合わないのか。仕事ってどういうものなのか。それを知るために多くの社会人に会ったんです。身近なところでは親。母親にも『専業主婦ってどんな感じ?』って聞きましたし、親戚や従姉妹にも話をしてもらいました。あとはサークルの先輩や、就職部にある名簿を利用して、少なくとも50人以上に会ったと思います。これがすごく良かった。少しずつだけど自分の仕事観が明確になりましたから」

話を聞きながら、「海外の人と協力して、進められる仕事は何だろう・・・」と探した。そこで出合ったのが海運や物流など『物を動かす仕事』だった。「世界中にネットワークを持っていて、それこそ絶えず連絡を取りながら物を動かしていく。『これだ!』って思いましたね。就職活動初期は、こういう裏方の仕事まで目が届かなかったんです」。面接では、留学経験を多いに語った。「最初は、『あなたも留学したのね。それで?』っていう冷たい感じなんです(笑)。でも、私が一番頑張ってきたことは間違いなく留学。英語力もついたし、心でコミュニケーションする力も鍛えられた。そこを真っ直ぐにぶつけました。よくわからないけれど、本気で頑張ってきたことは『気概』として伝わるような気がするんです」

留学中、「どんなにゆっくりでも、文法が間違っていても、気にしないでとにかく気持ちを伝える」という経験をした今村さんは、面接でも「失敗を恐れずに、正直に気持ちを伝えよう」と思っていたという。「内定をいただいた後、『どうして私を採用して下さったのか?』と聞いてみたんです。そしたら『入りたいという気持ちが強烈に伝わったから』と(笑)。留学したからエラいとか、語学を修得したからスゴイというのではなく、心でコミュニケーションすることがどれだけ大切なのかを、私は留学で得たんだと思います」



キャリアカウンセラーが分析

  記事にはありませんが、今村さんはインタビューの中で、「留学して初めて“助けてもらうこと”のありがたさを知りました。お願いします、と言って助けてもらうこと、助けることの大切さを知りました」とおっしゃっていました。今村さんは、それまで、比較的自立した性格で、あまり人に頼らず、自分で努力されてきた方なのかもしれません。努力家であることはお話を伺っていても伝わってきます。

留学する際に、「自分で目標・目的を決めて、それを達成するために頑張る」ことはとても大切ですが、これは、必ずしも「一人でなんとかする」という意味ではありません。企業や組織、学校や地域でも、チームワーカーであることは重要です。目標が高ければ高いほど、協力者や、依頼、交渉、推進力などが必要になってきます。このことに気がついたことで、元々自立していた今村さんは一回り大きくなったのだと思います。

そうして、様々な価値観や文化的な背景の人とコミュニケーションを取る中で、『伝えるべきこと、伝えたいこと』を醸成させて、必死に伝える。そのプロセスと、伝わって理解してもらった時の『達成感』を味わったことは、今村さんが留学で得られた財産のひとつといえます。このことは、帰国後すぐにスタートした就職活動で、まず再現されます。『興味のない仕事だと思っても、なぜ興味がないのかを確かめるために話を聞いた』。こうして、50人以上の人に会い続け、自分の中に「これがやりたい!この会社で働きたい!」という思いを醸成させていったのでしょう。面接で、この『伝えたいこと』を必死に伝えた今村さんには、中国人の友達に自分や日本を理解してもらおうとして必死になり、伝わった時の記憶が、無意識のうちに甦っていたのかもしれません。

今村さんは自らの就職活動を振り返り、「留学していたときに、話すテンポが遅くても、必死に伝えようとした時には伝わったし、面接も、自分の能力がもし足りないと思っても何とか気持ちを伝えようとした。そして、『伝えられるのも実力のうち』だと思った」とおっしゃっています。

現在の仕事では、無理だと承知していても強気で交渉して来る国民性や、5時を過ぎると電話が繋がらない、ゆったりとしたワークスタイルの国民性など、お国柄の違いに驚いたりいろいろと発見したりしながら、世界各国の協力企業とお客様の荷物を無事に届けるために、チームワークを発揮していることに喜びを感じている様子が伝わってきました。

『経験自体がその人の魅力』とおっしゃっていた今村さん。留学の経験もこれまでの仕事の経験も、言葉だけではなく、表情そのものから今村さんの魅力として伝わってきました。内定をもらうのがゴールではなく、面接の時に『伝わった』今村さんの伝達能力は、この2年間の仕事の中でも日々再現され、今度は採用担当者としても仕事の魅力を伝えていかれることでしょう。

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