留学成功の秘訣

大学留学体験者のケース

今月の成功者

-- Photo -- 白上直也さん(26歳) 大手ホテル勤務

高校在学中に、1年間ミネソタ州へ交換留学。そこで「もっと英語を学びたい」と思い、高校卒業後、カリフォルニアのエルカミノカレッジに留学。2年半学んだ後に、ネバダ大学ラスベガス校でホテル経営学を学ぶ。卒業後にOPT(Optional Practical Training。大学修了後に、最長で1年まで自分の専攻分野に関わる企業や団体で働ける制度。以下OPT)を利用して、ラスベガスの日本食レストランで働く。帰国は2005年10月。まずは日本で働く環境に慣れようとコンビニで契約社員として働く。06年3月からホテル業界の就職活動を始め、5月に面接を受け、2社の内定を獲得。2006年8月から都内の大手ホテルに勤務。
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成功のポイント 1.アメリカのOPT、日本でのアルバイト経験をキャリアにうまくつなげられた。 2.「ホテルで働きたい」という熱い思いを伝えられた。 3.帰国後、実際のホテルの温度と雰囲気を肌で感じるために自らの足で「客として」ホテルを泊まり歩いた。
 
白上さんのステップアップ

1997年7月 16歳
交換留学生として1年間ミネソタで学ぶ。「とても小さな街で、全校生徒で1,000人程の生徒のうち日本人は僕しかいない。でも、みんなが僕を助けてくれたり、英語を教えてくれたりしたんです。もちろん当時は意識していませんでしたが、今振り返れば、ここでの思いが後に『海外から日本に来た人を助けて、恩返しをしたい』というホテル志望につながったと思います」
1998年8月 18歳
高校を卒業後、英語力を磨くためにエルカミノカレッジ へ留学。ビジネスのコースを専攻しながら、2年半、英語もみっちり学ぶ。
2002年1月 21歳
ネバダ大学ラスベガス校に編入。ホテル経営学を学ぶ。「高校時代にホテルで皿洗いのバイトをした時、そこで働く方々がすごくカッコ良く見えたんですね。その思いと交換留学の時の恩返しをしたいという気持ちがあって、ホテル学の専攻がある学校を選びました」。
2004年5月 23歳
OPTの許可が降りたので、1年間、日本食レストランで働く。忙しいレストランで、チップも含めて月に3,000ドルの収入があった。
2005年10月 25歳
OPTを終えて帰国。まずはコンビニで働き、その後、友人の手伝いで田植えも経験。「ホテルに就職するには、日本の社会環境に慣れていなかったので、まずはインターバルを置きました」
2006年3月 25歳
ホテル業界の情報収集開始。ウェブサイトで情報を集め、東京・大阪のホテルを『客として』泊まり歩き、自分に向いているホテルを探す。
2006年8月 26歳
大手のホテルを2社受けて、2つとも内定。そのひとつである現在のホテルでベルスタッフとして新しいスタートを切る。
7年間学んでも、まだ英語は完璧だと思っていません。
自信も大切だけれど、謙虚さも大切だと思います。

都内の大手ホテルでベルスタッフとして勤務している白上さんは、「ずいぶん寄り道したかもしれません」と笑う。というのも、ホテルを志望したのは高校生の時だったからだ。「日本人が僕しかいない場所で、みんながとても優しくしてくれた。その恩返しをしたいという思いがずっとあったんです。もうひとつは、これも高校時代のことですが、ホテルの厨房で皿洗いのバイトをしたとき、そこで働く人々とその環境がすごくカッコいいと思えた。ホテルなら英語も使えるし、この頃から漠然と『ホテル業界への憧れ』が芽生えていたと思います」

とりあえずは英語力を高めたい。そこで選んだのが、後で大学に編入もできるエルカミノカレッジ 。「大学への編入は最初から考えていました。エルカミノカレッジ を選んだのは、4年制大学よりも少人数制だからじっくり学べると思ったし、費用も安かったからです(笑)」。ところが、初めてのカリフォルニアには、たくさんの日本人が。「ちょっとショックでした。こんなに日本人が多くて、英語が上達するんだろうかって。でも、バイリンガルになるには、英語も日本語も磨く必要があるんだと、気持ちを切り替えました」

その後は、予定通りネバダ大学ラスベガス校に編入。専攻はホテル経営学。「授業は月曜から金曜日の10時から夕方まで。僕の家にはコンピュータがなかったので、基本的にずっと大学にいたような感じです。あと、ホスピタリティを学ぶ学科だけあって、授業の一環として『1,000時間の就業』が必須だったんです。僕はラスベガスの日本食レストランで働いていました。本当はホテルが良かったのですが、門戸が狭かったし、英語にも自信がなかった・・・何年も学んでいるのにと思うかもしれないけれど、たかだか2、3年英語を学んで、『完璧になった』と思うほうが間違い。発音もボキャブラリーも、もっともっと高めなきゃって、常に思っていたんです。僕の場合は、もともと英語が苦手で勉強の仕方も要領が良い方ではなかったから、『人一倍努力しよう』、『人とは違ったことをしよう』、という意識が強かったのかもしれませんが(笑)」

卒業後は、就職をせずにOPTを申請。そのまま、日本食レストランの2号店立ち上げを手伝うことにした。「開店前から手伝ったので、店で冷蔵庫を買いに行くところから手伝いました(笑)。OPTの制度を使わない日本人は多いんだけれど、もったいないなあと思いますね。せっかく1年間、アメリカで働けるんですよ。見聞も広がるし、少しだけれどキャリアにもなるんだから、絶対やったほうがいいですよ。ただ・・・」日本での就職活動を考えると、反省点もあると言う。「日本の新卒の就職環境って独特でしょう?要領のいい人は、大学のセメスター(学期)中に、あるいは一時休学して、日本の新卒の就職時期に合わせて日本で活動をし、戻ってきてからアメリカの大学を卒業して、ちゃんと4月に社会人になっています。でも、僕の場合は、レストランの仕事が忙し過ぎて、そんな余裕がなかった。『僕が抜けると、誰かがしんどい目に合うんだなあ』って。それと、やると言った以上、途中で諦めるのがいやだった。自分の就活方法に後悔はしていないけれど、せっかくだから、新卒という武器のある時期に、就活しておいても良かったかなあとは思います」

 

2005年10月に帰国。彼はすぐに就職活動をせずに、まずは日本でコンビニの契約社員として働くことにした。「本音を言えば、スーツを買うお金もなかったからなんですが(笑)、7年以上アメリカにいたわけですから、日本語がおぼつかないし、日本の働く環境にも慣れていない。そのままホテルの面接を受けてもダメだろうなと思って」。インターバルの期間は半年。4月には「いつでも面接に行けるように」コンビニを辞め、時間の融通が利きやすい、友人の仕事を手伝いながら本格的に就職活動を開始した。半年間に貯めたお金で、東京・大阪のホテルを泊まり歩いた。「インターネットでも情報収集をしましたけれど、いろんなホテルを目で見て、自分に合ったものを探すというのが、僕の就活スタイル。その結果、近代的でスタイリッシュなホテルが、僕が働きたい場所なんだなあということがわかりました。あと、日本の就職状況がわからないから、実際に書いた職務経歴書をアデコの方に見ていただいたり、就職している友人に模擬面接をしてもらったりしましたね」

初の面接は今年の5月。受けたのは吟味した2社だけだ。「なんで日本には『新卒』と『中途』という枠があるのかなあと不思議でしたね。僕はどっちなんだろうと、最初は悩みましたけれど、少なくとも新卒ではないわけだから、『中途採用』に応募したんです。面接では、OPTのこと、日本でのコンビニのアルバイトのことを話しました。職務経歴にはならないけれど、『何もしてない』と思われるのがイヤだったから。面接は、友人からの『お前の話は抽象的過ぎて、印象が薄くなる。なぜホテルで働きたいのかを、もっと明確にすべきだ』というアドバイスが効いたと思います。高校の時からずっと持っていた思いと、自分の目で見たホテルの魅力などをぶつけることができましたから」

その結果、2社から内定をもらい、彼は今、都内の大手ホテルに勤務している。プロのベルボーイを目指して奮闘中だ。「帰国後に受験したTOEICは905点というスコアでしたが、最終的に認められるのは、TOEICなどの点数ではなく、なぜその仕事がしたいのかをハッキリ伝えることだと思います。OPTやアルバイトなどは、それを裏付けるためのもの。僕は、大学で学んだホテル経営学という専攻も、自分のアピールにはしませんでした。志望には自信を持ち、それまでの経験は謙虚に、それぐらいのバランスがいいような気がします」



キャリアカウンセラーが分析

  「自分の就職活動は、あまり要領のいい方法ではありません。もっといい方法を紹介したほうがいいと思います」。入社前、白上さんが留学ジャーナルのスタッフ向けに留学生活のご報告に来てくださった時、こんなふうにおっしゃっていました。

新卒で就職活動をする留学生にとって、『就職活動のタイミング』と、『物理的な距離』は一番苦労する点です。確かに、日本の採用活動スケジュールに合わせて、学期中に説明会や面接のために帰国したり、以前にご紹介した飯高和也さんのように応募企業が一番多い時期や、希望する企業が募集している時期に休学して就職活動する方もいらっしゃいます。白上さんご自身も、周りの友人が帰国しながら就職活動している状況は把握していたそうですが、立ち上げから関わった新店舗の多忙な状況を知っていたため、途中で抜けるという選択はしなかったそうです。

ご本人が「要領の悪い就職活動」と称する体験談をぜひご紹介したかったのは、帰国後の行動に説得力があったからです。『自分が働くことになる会社(ホテル)のサービスを実際に受けてみる。自ら足を運び、自分の目で見て、感じたことを信じる』。この他にも、帰国後、留学関連のボランティアをしていた際に、一緒に活動していた人の知り合いから、ホテルのコンシェルジュをしている人を紹介してもらったこともあったようです。そしてその人を通じて実際に働いている複数の人に話を聞く機会をつくったそうです。ご本人は、「そう言えば、たまたま運がよかったんですが・・・」とそのエピソードを話してくださいましたが、それだけ、日頃から、ホテルで働きたいという強い気持ちを持っていたからこそ話題に挙がり、紹介の機会を得たのでしょう。

就職活動の資金を作るため半年間アルバイトをしていますが、そうした期間に不安を感じたり、流されてしまったりする方もいらっしゃいます。白上さんの気持ちが揺るがなかったのは目標が明確だったからでしょう。

また、高校時代にしたホテルでのアルバイトの経験や、留学先で必死に働いた「人と接する仕事」を通じて、『自分のやりがい(価値観)』を育み、それに気づいていったこともポイントです。就職活動や転職の際に、自己分析や業界研究は不可欠ですが、就職に有利か不利かなどを考えもしない頃の経験やきっかけに、その人の『真の価値観』(=キャリア構築のヒント)が隠れていることがあります。

事前の計画や情報収集力も大切ですが、実体験を通じて感じたことや、『転機になったきっかけ』がどんな経験なのかを振り返って『自分の価値観に気づくこと』は、どんな性格診断テストよりも説得力があり、前に進んでいく原動力になるかもしれません。

現在、ベルスタッフとして実際に働いている白上さんに、勤務の感想を聞いたときのあの笑顔を見れば、白上さんが自ら選んだ行動が、納得のいくものであったことは間違いありません。今後もホスピタリティのプロフェショナルとして、国内外のお客様に感動のサービスを提供されていくことでしょう。

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