留学成功の秘訣

大学留学体験者のケース

今月の成功者

-- Photo -- 沼田智彦さん(26歳)

高校時代に交換留学生としてアメリカで学んだことをきっかけに、卒業後の進路をアメリカに決める。Shoreline Community Collegeで学んだ後に、University of Illinois, Cicagoに編入。かねてからの目標だった工学部機械工学科に進み、専門性を高める。在学中から就職活動は始めていたが、本格的に取り組んだのは卒業後の7月。自動車メーカーを第一志望に、夏の就職フォーラム、秋採用にチャレンジして、10月に内定を獲得。現在は設計企画を行う部署で車両レイアウトを担当する。
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成功のポイント
 
沼田さんのステップアップ

1999年3月 18歳
交換留学生として1年間、米・アーカンソーで学んだ。「外国人と意志の疎通ができたことが、すごく楽しかったんです。もっと勉強したら、世界が広がるんじゃないかと思って」
2000年9月 19歳
ワシントン州のShoreline Community Collegeに進学。3ヵ月はホームステイで、4ヵ月目からアパートを借りて、自炊をしながら勉強。「この学校に進んだときから、大学の機械工学部に編入することを決めていました。この時点では『車とか家電とか学んでおくと、その先は安心かな』という安易な選択でしたけど」
2003年8月 22歳
University of Illinois, Cicago・工学部機械工学科に編入。授業の9割が工学系で、ひたすら勉強する日々。またこの頃から、技術者の自伝や開発物語など、多くの本を読むようになる。
2004年10月 24歳
ボストンで行われる、留学生を対象にしたキャリアフォーラムに参加。電機メーカーや自動車メーカーなど10社とコンタクト。「自己分析はしていったんですが、散々な結果でした」
2005年6月 24歳
大学を無事卒業。7月に帰国し、夏のキャリアフォーラムに参加。就職活動にエンジンをかける。
2005年9月 25歳
第一志望の自動車メーカーに落ちる。これが転機となり、「自分は何をしたいのか、自分には何が足りないのか」と、自己分析し直した。
2005年10月 25歳
秋採用の応募を見て自動車メーカーに応募。トントン拍子で内定を獲得。「会社のことも、自分のことも、きちんと理解した上で臨んだからだと思います」
2006年4月 26歳
自動車メーカー入社。製品企画設計部で、車両のレイアウトを担当する部署へ配属になる。
「編入して、卒業する」・・・明確な目標があったから、留学中も気持ちがブレなかったんです。
「日本の大学生と同じ土俵に立とうとするな」このアドバイスで目が覚めました

高校で交換留学を経験した沼田さんは、アメリカで機械工学を学ぶことを決めた。「留学を決めたときから、アメリカの大学の工学部で学ぶという目標がありました。ショーラインに進んだのは、留学ジャーナルのカウンセラーの方から、ネイティブでない日本人の留学生が難関の4年制大学を卒業する方法として、まずコミュニティカレッジで勉強し、そこから編入するという方法があるということをアドバイスをしていただいたからです。だからショーライン時代の目標は、希望の大学に編入すること。毎日朝から午後の3時ぐらいまで授業を受けて、その後、6時ぐらいまでカフェテリアで宿題や課題に取り組み、帰りがけにジムで運動して、帰宅後に自炊・・・そんな生活でした。知らない外国での初めての一人暮らしは、生活のための手続きなども含め、慣れるまでは大変でした。水道や車の保険の手続きなどは、日本でも経験したことがありませんでしたから。でもその反面、やりたい事も自己責任で何でも自分でやれます。親の保護の元で暮らしていたときのことを考えると、大きく成長できたと思います」

2003年に無事、イリノイ大学の工学部機械工学科に編入。もともと機械に興味があり、学んでおけば損はないという安易な考えもあった。しかし苦労もあったという。「一般教養の単位はショーライン時代に取得していたので、授業の9割が工学系。専門分野に集中できたのはいいのですが、やはりレベルが高いので、精神的にキツかったです。『卒業する』という明確な目標があったにも係わらず、『卒業できないかもしれない』というプレッシャーが大きくて。初めてホームシックにもかかりました。でも、中途半端に帰っても居場所はないし、頑張るしかないなと(笑)」。

留学中のことといって思い出すのは、窓のない工学部の実験棟で黙々と課題に取り組んでいる自分の姿。「この頃から、将来のことも考えていました。できれば、技術者として自動車メーカーで働きたいなあと。日本から本を取り寄せて、『開発物語』のような本も数冊読んで、自分を鼓舞していました」

就職を意識したのが編入2年目の10月。ボストンで開かれたキャリアフォーラムに参加したのが、最初の活動だ。「180社ほど集まるフォーラムで、10社ぐらい話を聞いてみました。履歴書を持参し、自己分析もしていったんですが、企業が自分に何を求めているのか、自分は企業に何を伝えればいいのかがまったくわからなくて、結果は散々。『就職できるのかな』って、自信がなくなってしまいました」

 

その後は、卒業することに全力投球。2005年6月に無事卒業して帰国。7月から本格的に就職活動を再開する。「第一志望の企業があったんです。そこを目指して、エントリーシートを5回も書き直して挑んだんですが、落ちてしまって・・・。かなり落ち込みましたね。でも、それがいいきっかけになった。このままじゃダメだと、自分を見つめ直すことにしたんです」。そこでわかったのが、企業と自分とのマッチングだった。「やりたいという熱意だけじゃダメなんですよね。自分は何を学び、何を得てきたのか、それを活かせる環境が御社にあるから、そのチャンスが欲しい・・・論理的に伝えるためには、まず、自分の考えを整理することが大事。なのに僕はそれができていなかった。落ちてしまったのは残念でしたが、ここが僕にとってのターニングポイントだったと思います。これを機に自分と向き合い、これまでの反省点を整理して、すぐ次に繋げることができました」

心機一転、10月から活動を再開し、新卒者として秋採用の企業にトライ。15社ほど面接を受け、同月、内定を獲得する。「ボストンで散々な目に合っていたから、僕の留学経験は、特別扱いもされなければ、ハンディキャップにもならないということはわかっていました。ただ、就活中に相談した就職カンウセラーの方から、『せっかく人と違う場所で人と違うことを学んできたんだから、日本の大学生と同じ土俵に立とうとするな』と言われたことは大きかったですね。あと、『採用担当者が海外の大学のことを知っているはずだと勘違いするな』というアドバイスも。お陰で、限られた時間の中で、自分の留学経験を簡潔に話す準備ができたんです」

面接では、英語力については「ビジネス会話ぐらいは大丈夫?」と聞かれる程度。沼田さんはその度に「大丈夫です」と答えた。専門性については、大手企業より中堅の素材・材料メーカーのほうが、突っ込んだ質問が多かったという。「いきなり公式を渡されて、問題を解けと言われたこともあります。でも、解けるか解けないかは関係なくて、アドバイスを聞きながら、最後まで辿りつけるかどうかが肝心のようです。あと、言葉というのは不思議なもので、英語力を問われたときも『大丈夫だと思います』ではなく『大丈夫です!』と答えたほうがいい。意思表示はハッキリと。それだけですごく印象が違うんです」

現在は念願の自動車メーカーに勤務。「高校生のころ、おぼろげに思い描いていた道に進めたような気がしています。いまはまだ研修中なので『これがやりたい』という明確なことは言えません。とりあえずは求められたことに対して100%以上で応え、実力がついてから、大きな夢を語りたいなあと思っています」



キャリアカウンセラーが分析

  海外在住の留学生にとって、『就職活動のタイミング』と『物理的な距離(会社説明会、OB訪問、面接など)』が大きな課題であることはバックナンバーでも何度か触れました。

日本の企業への就職を考えた場合の『活動のタイミング』について改めて整理すると、次の3つが主な方法です。

1.各地で開催される海外大生向けフェア(一時帰国も含め)を活用する。
2.日本の就職(採用)活動スケジュールに合わせて休学し、日本で活動する。
3.(卒業後)個別にアプローチする。

バックナンバーでご紹介した飯高和也さんの場合は2、白上直也さんのケースは3でした。そして今回の沼田さんは、1を活用しながら卒業後に帰国して『秋採用』を利用したケースです。

フェアを活用するメリットは、何と言っても企業の採用担当者と直接話ができることです。会場にいるライバル達は基本的に日英バイリンガルの学生ですので、『留学生』であることはアドバンテージにはなりません。英語以外に何ができるかをアピールする必要があります。留学生に限ったことではありませんが、就職成功のポイントを一言で表すならば、『自分を知り、相手を知ること』です。みなさんには『英語力、海外経験』というとても魅力的な武器があります。その点は自信を持ちましょう。ただ、『その英語力をどう使うのか』、『日本では経験できない何を海外経験から具体的に学んだのか』は人それぞれのはずです。それがまさに『自分を知ること』であり、みなさんのオリジナリティ、パーソナリティです。そして、それを『誰』に『どのように伝えたら響く』のか、『なぜ、響くのか』、それが『相手を知ること』です。

沼田さんも、世界最大規模である海外大生向けの就職フェア『ボストンキャリアフォーラム』への参加が実質初めての就職活動。その後も秋までは決して順調ではなかったように見えますが、その経験から何を学んだかが成長の鍵です。日本の大学より卒業が難しいと言われる海外の大学で、勉強と就職活動を両立するのは簡単なことではありませんが、これら一つひとつの壁を『自力』でクリアしていったことが、沼田さんを大きく成長させたことは間違いありません。また『就活ノウハウ本』だけでなく、早い段階からエンジニアの開発エピソードなどの本に触れて、自分の将来の仕事をイメージしていたことも、『就職』成功のポイントです。『内定』はゴールではありません。仕事というのは学生生活よりもずっと長いだけに、ロールモデル(自分のヒーローや憧れの存在、目指すべき人など)の存在は重要です。身近にいる場合もありますが、いなければ出逢えるような行動を意識すること、そしてその出逢いの中から自分の価値観に気づき、感受性を磨いていくこと。これはキャリアを構築していくヒントになると思います。留学生に限らず、就職活動前から知っている方に、内定後にお会いする機会が多いのですが、彼らの表情の変化には驚かされます。時どき、同一人物と気づかないことさえあります。それは紛れもない成長の証です。数多くの壁を乗り越えてきた人の勲章のようなものかもしれません。

先日、沼田さんには留学セミナーに体験者としてご協力いただきました。多くの方の前で堂々と的確な言葉でお話しする沼田さんを見て、沼田さんが『経験から学んだこと』を実感しました。一つひとつの言葉を慎重に選んで話される姿からは謙虚な印象を受けましたが、いつか沼田さんの開発した自動車に触発されてエンジニアを目指す人が現れるかもしれませんね。

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