留学成功の秘訣

大学留学体験者のケース

今月の成功者

-- Photo -- 神戸佳美さん(29歳) デロイト&トウシュ米国LLP勤務

日本の大学卒業後、専門商社での秘書を経て留学しAccounting(会計学)を専攻。ボストンキャリアフォーラムで大手の会計監査法人数社から内定を獲得する。面接などを通じ内定した数社の社員との交流が進む中で“自分と似た雰囲気”を感じ、デロイト&トウシュに就職を決める。現在ニューヨークのミッドタウンに勤務し3年目になる神戸さんに留学に至った経緯から現在までを振り返っていただいた。
↓
成功のポイント
 
神戸さんのステップアップ

1997年8月
上智大学1年の夏休みカナダ バンクーバーで1ヵ月間語学学校(Global Village)に短期留学
2001年3月
上智大学文学部英文学科 卒業
2001年4月
石油などを扱う専門商社に入社。秘書として勤務。
2002年7月
留学を決意し商社を退職。留学に向けて準備を始める。
2002年10月
旅行でニューヨークのグランド・ゼロを訪れる。
2003年9月
ロングアイランド大学ポスト校入学 会計学専攻
2004年10月
ボストンキャリアフォーラムに参加。卒業は翌年だが情報収集を兼ねた 活動として参加する。大手の会計監査法人からディナーに呼ばれる。
2005年8月
会計事務所にてインターンシップ。
2005年10月
ボストンキャリアフォーラムに参加。デロイト&トウシュ米国LLPを含めた数社から内定。
2005年12月
ロングアイランド大学ポスト校を卒業。学業成績はGPA4.0。成績優秀者に贈られるAcademic Awardを授与され卒業式に壇上で表彰される。
2006年1月
デロイト&トウシュ米国LLP 入社
準備や努力を続けていくコツは目的意識を持つこと。
地道なリサーチや勉強。



くじけそうになった時も目標や目的がしっかりしていれば“ブレる”ことがないと思います。

ニューヨークのミッドタウンにあるデロイト&トウシュ米国LLPに勤務する神戸佳美さんは入社して3年目になる。日本の大学を卒業後、専門商社を経て留学。会計学を学んだ後、この会計監査法人に入社した。デロイト トウシュ トーマツは世界4大監査法人(Big4)のひとつで、ニューヨークに本部を置き世界150ヵ国に展開している。神戸さんの勤務するデロイト&トウシュ米国LLPはその米国法人だ。そもそも神戸さんが英語に興味を持ったのは中学2年生の時。春休みを利用したアメリカ サンディエゴへ10日間のホームステイツアーだった。翌年にはそのときのホームステイ先に一人で遊びに行く。大学でも英文科に入学し、夏休みを利用して短期の語学留学をする。就職も英語を使う仕事や外資系企業の秘書などを希望して活動をしたが、当時は就職氷河期といわれる時代。最終的に石油などを扱う日系の専門商社に入社し、秘書としてのキャリアをスタートさせた。「周りの人が働きやすくなるようサポートすること。人の役に立つことにやりがいを感じます」。そんな神戸さんは、その会社で役員秘書業務に留まらず、総務的な仕事や会計業務も手伝うようになる。幅広い仕事をこなす一方で、気持ちにゆとりが出てくると将来のキャリアを考えるようになったという。そして学生時代から興味を持ち続けていた『英語』、『海外』、『留学』などへの想いがよみがえってきたそうだ。「仕事を辞めて留学すると、卒業したときに27歳。何を学べばこれまでの経験を活かしてキャリアにつなげられるのか考えました」。留学セミナーに参加したり留学カウンセリングを受けることで、業務の中で興味を持った『会計』を専門的に学ぼうという意思が固まっていった。

留学を決め、会社を辞めて出発するまでには約1年ほどあった。その間、英語の準備のほか、簿記や会計学など、留学後に学ぶ専門分野もまずは日本語で基礎を理解した。「プログラムの内容や奨学金制度、そして、ニューヨークはやはりビジネスの最先端であること」。こうした点を考慮しニューヨークにあるロングアイランド大学を留学先に選んだ。

多くの留学生は、「英語や授業の内容についていくのに苦戦した」と言うが神戸さんの場合は比較的順調に進んだそうだ。専門分野の基礎知識は日本でもしっかり勉強、実際の留学先の授業でも予習をしっかりして臨んだので聞き取れないことはなかったそうだ。テストや課題提出のほか、教授の元にも毎回足を運んで不明な点は積極的にクリアにしていく。会計のクラスは1クラス20人程度で日本人は神戸さん一人。現地の学生が約8割で、昼間のクラスは若い人が多いが夜のクラスは社会人も多かったという。印象に残っているのは、チームに分かれて調査のために実際に小さな会計事務所を訪れた授業。その事務所の組織やシステムがどのように運営されているのかヒアリングを行った。20名程度の会計事務所で仕事の流れ全体を把握するのに役立ったそうだ。大学での授業はアカデミックでありながらリサーチの仕方やコンピュータシステムの操作など実践的な内容が多く、働き始めてからも役立っていることが多いという。教授陣の多くが会計ファーム出身者であるということが活かされているようだ。また、就職を検討する時期には大学のキャリアセンターを大いに活用したそうだ。例えば、ビジネスマンの参加しやすい夕方の時間帯で開催された『Accounting Society』というミーティングでは、週に一度会計ファームの方を招いてのパネルディスカッションで生の声を聴くことができ、仕事観や企業研究をする有益な機会だったそうだ。

 

ボストンキャリアフォーラムは毎年秋に開催される世界最大の海外留学生向けの就職フェアだ。神戸さんは卒業の前年度と卒業の年のこのキャリアフォーラムに、計2回参加している。新卒で就職活動した時に苦労していることもあり、卒業後の就職に備えての準備は万全で臨みたいと考えていた。1年目は「来年に備えて」という気持ちだったが、社会経験もある神戸さんは1年目のキャリアフォーラムでも大手の監査法人からディナー(夕食会)に誘われる。このディナーはキャリアフォーラムに参加する学生にとっては「『採用を積極的に検討していますよ』という企業からの意思表示」のようなもので、学生・社員合わせて50人くらいが食事をしながら交流する。そして2年目に参加したフォーラムでも面接を受けた企業は二次面接まではすべて通過し、世界でもトップクラスの監査法人を中心に数社の内定を獲得する。「大学のキャリアセンターで英語の面接の様子をビデオに撮ってアドバイスしてもらいました。キャリアセンターの他にもマンハッタンにあるインターナショナルセンターをよく活用しました。ここは、ボランティアで運営されていて就職に限ったことではなく、生活情報やビザのことなど留学生にとって役立つ情報やイベントが提供されているので便利です。私はここで知り合ったPwC(プライスウォーターハウスクーパース。会計Big4の1社)で働いていたタイ人の女性と仲良くなり、英文のレジュメの添削をしてもらったり、面接の練習などもサポートしてもらいました」。また神戸さんは就職準備だけでなく学業にも真剣に取り組んだ結果、留学生でありながら成績はGPA4.0(※)を獲得した。そして成績優秀者として『Academic Award』を授与され卒業式には壇上で表彰されたそうだ。(※GPA:Grade Point Averageの略で学業成績の平均値のこと。アメリカの大学でGPA4.0というのは全ての科目で最高評価ということ)

留学のきっかけとなった会計業務の経験、それを学ぶために留学し得られた成績の評価、学んだことを活かすための就職。自分の『やりたいこと』を掴むために『やってきたこと』と『できること』を伝える。書類や面接で『伝える』ための努力も怠らなかったからこそ手にできた成果であろう。

世界金融の最先端で働いている神戸さんに現在の心境をうかがった。「今は日々の仕事の中で毎日学んでいます。クライアントの財務諸表の監査をしたり会計規則を調べたり、実務を通して学ぶことも多いですが、『調べ方』『学び方』のベースは留学時代に身に付いたと思います。クライアントの役に立って認めてもらえたと感じるときが、やりがいを感じる瞬間です。今日の取材を通じてこれまでを振り返り、目標にしたいと思える優秀な先輩や刺激を与えあえる同僚に囲まれて、ありのままの自分でいられる『今』に気づき、改めて留学してよかったと思っています」。



キャリアカウンセラーが分析

  これまで取材した多くの方から、『留学当初の英語力の壁』や『コミュニケーションでの苦労』をお聞きしてきました。しかし、今回の取材では、神戸さんの場合はとても順調な留学生活を送られていたという印象を受けました。短期ではあるけれど留学の経験があり、また、就職活動や社会人としての経験もあるため目的意識がしっかりしていたという点が大きな理由の一つだと思います。

神戸さんのお話の中で、『準備』という言葉が繰り返し出てきました。「留学までの準備期間・・・」「訪問前に下準備をした・・・」「予習をしていったので聞き取れないということはなかった・・・」「事前準備をしっかりした・・・」などです。最近読んだ本に『幸運は準備を整えた人に微笑む』という文章があり印象に残っていますが、今、目の前で当時を振り返ってくださっている笑顔の神戸さんに、調べ物や勉強などコツコツと努力を続けていた当時の神戸さんの姿が重なりました。留学先での『GPA4.0』という最高の成績も、ニューヨークでの輝かしいキャリアも努力なしには得られるはずがありません。

地道な努力や準備は、目指すものが明確でないとなかなか続かないものです。現在の心境をお聞きすると「まわり道をしたかもしれないですが、留学やアメリカでの就職を経て度胸がつき、今は周囲を気にせずありのままの素直な自分でいられます」とおっしゃっていました。留学前、日本で仕事をしている時はどこかで人目を気にしていたところがあったといいます。「私が就職した会社は中堅の専門商社でした。仕事の機会や得られた経験には感謝していますが、大学時代の同級生が大手企業で活躍したり国際的に頑張っているのを見てどこかで引け目を感じていたのかもしれません」。こんな風に5年以上も前の記憶をたどってくれました。神戸さんは『まわり道』と言いますが、日本での最初の就職経験は『Accounting(会計学)』という専門分野を学ぶきっかけを得られただけではなく、努力を継続する強い信念を持つために必要な経験だったのでしょう。

留学中に大変だった思い出をお聞きすると「留学当初、車を持っていなかったことが一番つらかったです」と、寒い冬のニューヨークを思い出したのか、少し顔をしかめました。「思っていたよりだいぶ田舎でバスの本数も少なく、日が落ちてどんどん暗くなっていくんです」。教習所に通うも、車を買うためにどうしたらよいのか困っていると、結局、教習所の教官が車を買いに行くのに付き合ってくれたそうです。この他にも上の体験談で紹介したインターナショナルセンターで知り合ったタイ人女性や大学の教授など、困っているときに多くの人に助けられたそうです。また、入社2年目から、今度はボストンキャリアフォーラムなどのイベントで『採用する側』として参加する機会もあるそうです。採用担当者というのは言わば『会社の顔』。その手伝いに抜擢されるということは社内でも評価が高い証拠です。更には、キャリアフォーラムでご自身が就職活動中に内定を頂いた企業の採用担当者に顔を合わせることもあり、今でも良好な関係を保っているのだそうです。神戸さんのひたむきで誠実な人柄を応援してくれる人や信頼してくれる人の輪が拡がっているようです。

最善の結果を出すために準備を怠らず結果を出してきた神戸さん。成長意欲をもち続ける神戸さんの次の準備が整ったとき、きっと更なる幸運をその手につかまれることでしょう。

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