留学成功の秘訣

大学留学体験者のケース

今月の成功者

-- Photo -- 設楽直伸さん(22歳) 大手ゲームソフト制作会社勤務

アメリカのコミュニティ・カレッジへ留学後、日本のゲーム会社への就職を考えた設楽さん。中途採用の枠への応募だが、実務経験がない分、不利になってしまうかもしれない。そこで、自らゲームを制作して、企業に「作品」を見てくれるよう売り込んだ。その結果、見事採用が決定、アメリカで学んだITの知識を生かし、ゲームのプログラマーとして活躍するようになったのである。就職には、英語力やコンピュータの知識だけでなく、アメリカで培った度胸も大いに役に立ったという。高校を出てすぐに留学することを決意した設楽さんの、これまでの道のりを伺った。
↓
成功のポイント
 
設楽直伸さんのステップアップ

2005年3月
高校卒業
2005年4月
渡米。カリフォルニアにあるチャップマン大学の語学学校(ELS, Chapman University)に4ヵ月通う
2005年9月
南カリフォルニア州ゴールデン・ウェスト・カレッジ(Golden West College)のコンピュータサイエンス学科に入学
2007年5月
カレッジを卒業、2ヵ月間アメリカ・カナダを巡る旅に出る
2007年7月
帰国。家の事情から、家業を手伝う
2008年1月
就職活動開始。ゲーム会社の中途採用の枠で応募。履歴書だけでなくゲーム作品も送ったところ、10社以上から面接の案内が届く
2008年4月
大手ゲーム制作会社に就職
「何かを思いついたら、悩む前にやってしまおうという度胸は、アメリカ留学中に身につきました」
「このまま高校、大学という流れに乗っていくだけで、自分のやりたいことが本当にできるんだろうか、と思ったんです」

高校生のころから、コンピュータで絵を描いたりすることに興味があったという設楽直伸さん。「このまま高校、大学という流れに乗って進学したとして、自分のやりたいことができるんだろうか」と、漠然とした不安を抱いていた。そんなある日、テレビのドラマに外国帰りという設定のさっそうとした人物が登場、「僕も留学でもしてみようか」とポロリともらしたところ、意外にも両親から「行ってくれば」という言葉が返ってきた。それはすでに、高校3年の夏のことだったという。

インターネットで留学事情について調べ、「とりあえず話だけでも聞いてみよう」と、留学ジャーナルへ。実は、設楽さんの高校での英語の成績はあまりよいものとは言えず、英語教師には「そのまま留学したらまずいだろう」と、はっきり言われていたそうだ。しかし、留学ジャーナルのカウンセラーに相談するうちに、大学で授業を受けるだけの英語力がない場合は、現地で語学学校に通う方法があること、そして、語学学校で一定以上の成績を収めれば、大学に入るだけの英語力があると認めてもらえるシステムがあることなどを知った。「大変そうだな、とは思ったんですが、もともと大ざっぱな性格なもので(笑)。行けばなんとかなるだろう、と留学を決意したんです」。

治安のよさを重視して、カリフォルニアにあるチャップマン大学の語学学校ELS, Chapman Universityへ。最初は単語をつなげて意思を伝えるのが精一杯だったが、留学生活のスタートは意外に「楽しかった」そうだ。「授業中に教室の外に連れ出してくれたり、先生方自身が教えることを楽しんでいる雰囲気でした。そのやり方が、僕にとても合っていたのだと思います」。ホームステイのホストファーザーはU2などロックのファンで、2人で音楽の話で意気投合、一緒にギターやベースを演奏してみることもあったという。

その一方で、携帯電話を契約したり、銀行に口座を開設したりといったことを自分で経験する中で、「何にでもイエスと言ってはいけない」ということも学んだ。「携帯電話を買うときなど、『こんな機能がある、あんな機能もある』といろいろ勧めてくるので、適当に『イエス』と答えていたら、使いもしないサービスを売りつけられてしまうかもしれません。相手の言うことがわからなかったら、例えば『ちょっとそれ見せてください』と必ず確認するようにしていましたね」。

語学学校で無事に一定以上の成績を収め、同じくカリフォルニアのゴールデン・ウェスト・カレッジ(Golden West College)のコンピュータサイエンス学科へ入学。日本人の数はそれほど多くなく、同じクラスにもう1人いるだけ。お互いに「学校では英語で話そう」と約束し、英語の授業を理解することに専念した。「英語がわからないだけでなく、内容的にも結構高度なことをやっていたので、アメリカ人でもドロップアウトしていく人がいました。僕自身、ちゃんと理解できているという確信が持てるまでに、1年くらいかかったでしょうか」。日本ではコンピュータのプログラミングというとUNIXやC言語を学ぶことが多いが、アメリカではJAVAやC++が中心。設楽さんはCGやゲーム制作に役立つC++を重点的に学ぶことにしたが、それが後に自らゲームを制作するときに役立ったという。

  「やっぱり好きなこと、楽しいことだと、やる気がぜんぜん違ってくるんです」

大学に入ってからは、ルームシェアをするようになった。「ルームメイトは日本人ばかりだったんですが、他の大学に通っている人や現地で働いている人などもいて、彼らと付き合ううちに、だいぶ行動範囲が広がっていきました」。地元の社会人野球クラブにも参加、日本人だけでなくアメリカ人や韓国人と一緒に、リーグ戦を行っていた。「その中に、映画を作っている人、コンピュータのプログラマーをしている人がいたりして、いい刺激になりましたね」。アメリカではゲームも熱心にやっていたことから、次第にゲーム仲間も増えていった。「英語のゲームでアメリカ人と対戦したりしていたんですが、はっきり言って、このときが一番英語を覚えました(笑)。やっぱり好きなこと、楽しいことだと、やる気がぜんぜん違ってくるんです」

大学は、試作で作ったソフトが表彰されるなどして、優秀な成績で卒業。その後2ヵ月間、アメリカとカナダを回る一人旅に出た。「これといった予定を立てず、バックパッカーとして、ぶらぶらと旅行していたんです。野宿しないといけなかったときは、さすがに怖かったですけれどね(笑)」。旅を終えて帰国すると、家の都合でしばらく家業を手伝うことに。「でも、就職のためにゲーム作品を作る時間が必要だったので、いずれにせよすぐに応募を始めることはなかったと思います」。「ゲーム業界に就職したい」という意志を固めていた設楽さんは、自らのリサーチの結果、応募の際にゲーム作品を提出すると有利になることを知り、それまで学んだことを最大限に生かした作品を作ることを決意していた。「朝は4時か5時に起きて家業を手伝い、夕方6時に終えると、それからゲームを作るというような生活でした。それがようやく完成した1月の終わりに、就職活動を始めたんです」。

中途採用を行っているゲーム会社を見つけると、問い合わせをすると同時に「作品を見てほしい」というコメントを書いて送った。そして、オリジナルの3Dシューティングゲームを、自分で書いた英語マニュアルとともに提出したのである。「3Dが扱えるプログラマーは有利だということを聞いていて、できるかぎりの新しい機能を盛り込みました。何かを思いついたら、悩む前にやってしまおうという度胸は、アメリカ留学中に身についたように思います(笑)」。応募先の企業では、いずれもこのゲームへの高い評価を受け、就職活動を始めて約1ヵ月後に、本命の大手企業への採用が決まった。「新卒の人たちのように、面接の練習をする機会なんてありませんでした。でも、『マニュアルに従うのではなく、自分の考えをそのまま言うようにしよう』と決めていたんです。結果的にはそれがよかったのかもしれません」。

ほぼ新卒と同待遇の4月入社となったが、職場ではすでに即戦力として期待されている。「コンピュータの世界では、最新の情報は常に英語。日本語に翻訳されるのを待たなくても、すぐに内容が理解できるのは、やはり強みですね」。英語力や技術、知識など留学で得てきたものは多いが、一番の収穫は、多くの人と知り合い、価値観が広がったことだという。「日本では人と『同じ』だということが大切にされたりしますが、人間は一人ひとりがみな違う考え方を持っているのが当たり前で、そこに面白さがある。それに気づいたことが、これから社会でやっていく上で、非常に役に立つのではないかと思っています」。



キャリアカウンセラーが分析

  大手のゲーム制作会社への就職が決まった設楽さんからご報告をいただき、会員向けの帰国者交流パーティに参加していただいた際にお話を伺いました。

専門的な分野(技術系、デザイン系、クリエイティブ系、芸術系など)を学びそれをアピールするには、在学中からコンテストやコンクールに応募して受賞実績ができれば価値がありますが、そうでなくても『ポートフォリオ』(作品集)を用意しておくとよいでしょう。目的は『相手に興味をもってもらう』ことなので、以下の点を意識しましょう。

●『何をアピールしたいのか』
●『見てもらいやすい、受け取りやすい形式やサイズ(相手の動作環境の確認)』などの工夫
●『覚えてもらい、相手がコンタクトしやすい連絡先』の工夫

設楽さんの場合はこれらを踏まえて、3Dを駆使した作品を、CDに焼いて、英語のマニュアルを添付して郵送しました(※受取方法は事前に先方に確認しています。他に、作品を見てもらう方法として、撮影した写真やデザインなどの作品を紹介するHPを作り応募書類にURLを記載する方もいます)。3Dのプログラミングができる人材の、市場ニーズが高いことを知った設楽さんは、授業で習ったわけではなかったそうですが、独学で応募用のプログラムを仕上げたそうです。

英語のマニュアルを添付したことも、実務の場面で即戦力として役に立つことを十分にアピールできたはずです。開発関連の仕事や技術職、新規ビジネスのマーケティングの現場などでは、最先端の情報を海外のリソースから得ていることも多いものです。その業界や職務特有の専門用語も含めた英語を理解して実際に使えることが伝えられれば、採用側も入社後にどんなことを任せられそうかイメージできます。特にゲーム業界の場合、設楽さんの話では、アメリカで開発された最先端技術が日本に登場するのは1?2年後だったり、また日本のゲームのUS版などが海外で人気だったりしたそうですから、英語ができることや現地で肌で感じていた情報を持っていることを伝えられたことは大きかったといえます。

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