留学成功の秘訣
11月から、念願の貿易商社で、輸入業務を担当する予定の伊藤さん。入社する企業は、プラントや建設機械、航空機関連部品の輸出入を行なっている企業で世界80ヵ国を取引先に持つ。留学前の会社では、英語を使う機会は全くなかったという伊藤さんが憧れていた「英語を強みにしたキャリアアップ」を果たすまでを伺った。 「外国人に道を聞かれたときに上手く対応できずに歯がゆい思いをしたんです」。そんなことがきっかけで、伊藤さんは英会話スクールに通い始めたそうだ。最初は趣味程度に考えていた英語だったが、上達するに連れ、英語でのコミュニケーションの楽しさを知ると、「もっと上達したい」「英語を強みにしてキャリアアップしたい」という気持ちが募り始めたという。留学ジャーナルで無料のカウンセリングを受け、費用や、留学の種類など具体的に相談するうちに漠然としていた希望が現実味を帯びてきた。予算を抑え、海外での就業経験もしたいと思いワーキングホリデーを利用することにした。カナダでは、ワーキングホリデービザでも最長6ヵ月語学学校に通うことができる(※2008年10月現在)。カウンセリングを進めていく中で、インターンシップのプログラムも充実しているバンクーバーのILSCに魅力を感じ留学を決意した。 いざ、留学を決めたものの、帰国後の再就職に不安もあった。そこで出発前に留学ジャーナルでキャリアカウンセリングを受けた。年齢や現状のTOEICのスコア、これまでの具体的な職務経験や帰国後に希望している仕事などを話し、労働市場や相場観などについてアドバイスを受けた。キャリアカウンセリングで留学中の目標を描くことができ、不安を払拭して留学に臨むことができた。 語学学校ではTOEIC、会話のクラスやビジネスイングリッシュのクラスを中心に選ぶ。「最初のクラス分けで中級レベル以上のクラスに入ることができたので、英語が上手い人達が周りにたくさんいました。その人たちが使っている知らない単語や表現を盗むことにより自分の英語を上達させることができたと思います」。このスタートアップに成功した伊藤さんは自らの経験として“出発前にできる限り基本文法を勉強しておく”ことを強く薦めている。このほかに、伊藤さんが一貫して意識していたのは、“アウトプットの場(学んだ英語を使う機会)”を積極的に作ること。「語学学校の最後の1ヵ月は旅行会社でインターンを経験しました。ここでは簡単な電話対応や、カタログ、ホームページの翻訳業務を行ないました。語学学校終了後は、ワーキングホリデーだったので、カフェでアルバイトをしました。バイトを選ぶ際にも、“接客で英語を使う機会のある仕事”を意識して探しました」。業種は違っても、友達同士の会話と、接客で使う英語の違いを体得するチャンスと考えたそうだ。
このほかにも、サッカーチームに参加して友達を作ったり、アクティビティや旅行を通じて、英語はもちろんのこと様々なことを学んだという。「サッカーは、友達ができただけでなく、実は、足首をひねって1ヵ月くらい松葉杖を使わなくてはいけなくなったという苦いエピソードもあります。奇跡的に骨に異常がなく、大事に至らずよかったですが、海外保険に加入しておいて本当に助かりました(笑)」。けがのアクシデントは大変だったが、サッカーチームに所属したことで多国籍の様々な友達ができ、先日も仲良くなった韓国人の友達が日本に来て案内をしたそうだ。多くの人と関わりや、帰国後も続く友情。それら全ての体験が視野を拡げ、自らの成長を実感できているという。 帰国後は、英会話スクールの教師やカウンセラー、翻訳関係の企業、商社など10社程度に応募し面接も6社ほど受ける。初めての転職活動だ。就職活動を始める前は、「なぜ留学したのか」「留学中何を学んだのか」をもっと聞かれると思っていたが、実際には「その会社への志望動機と、前職の内容」をメインで聞かれたそうだ。「最初は、英語力や英語に対しての熱意を強くアピールしていたのですがあまり上手くいかなかったので、就職活動の中盤以降は志望動機や前職の経験から“自分がその会社に入ってできること”、“やりたいこと”をアピールし、それが上手く表現できるようになるに従い、面接で好感触を得るようになりました」。こうして最終的に異なる業界の数社から内定を受けた中で、自分の経験を活かしながらも新たなチャレンジができ、成長のイメージを強くもてた会社への入社を決めた。 会社を退職しての留学を不安に感じる方は多いと思うが、伊藤さんは、キャリアカウンセリングを上手く活用した例と言える。「留学を決意してからは、出発前、留学中、帰国後と留学ジャーナルでキャリアカウンセリングを受けたり電話での相談をさせて頂いたのですが、留学前は“留学中にやっておくべきことのアドバイス”を頂き、また留学中は自分の将来の方向性が分からなくなっていたのですがその“悩みを打ち明けることにより自分の気持ちを整理する”ことができたと思います。帰国後のカウンセリングでは“他の留学生の就職サクセスストーリーを教えてもらったり、自分の前職のキャリアを踏まえて志望業界の具体的なアドバイス”を頂きました。実際に就職活動を開始してからも、自分の就職活動に大変役に立ちました」 新たなステージに立つ伊藤さんに、今後の抱負とこれから留学する人へのメッセージを頂いた。「貿易業界は未経験ですが、まずは貿易の知識を身につけ一日も早く円滑に仕事ができるようになることが目標です。また頑張り次第では将来海外勤務の可能性もあるので、それを目標にしています。留学は、英語力アップはもちろんですが、自分の視野を拡げ自信に繋げるチャンスです。失敗を恐れずに様々なことにチャレンジして欲しいと思います」。
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