留学成功の秘訣

専門留学体験者のケース

今月の成功者

-- Photo -- 水本晶子さん(24) ジュエリー・ショップ店長

海外での買い付けとデザインを自ら行い、インターネットのオンライン・ジュエリー・ショップで販売するという、誰もがうらやむような仕事を実現させた水本晶子さん。短大を出て証券会社に勤めていた水本さんにとって、シアトルへの語学留学とニューヨークでの宝石留学が、大きな飛躍のきっかけとなった。そのサクセス・ストーリーの一部始終を追ってみよう。
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成功のポイント 1)「宝石のビジネスをする」という目標を定め、入念に準備を行った 2)証券会社での勤務や販売の経験で“ビジネスの基礎”と“将来に活きる信頼関係”を築いた 3)世界屈指のマーケットで学び、“専門性”と“将来に活きる信頼関係”を培った
 
水本晶子さんのステップアップ

1997年3月
京都の短大を卒業、大手証券会社に就職
1999年4月
退職してシアトルに6ヵ月間語学留学
2000年2月
仏 ラグジュアリーブランドに入社
2005年6月
退職して、宝石学を専門に教えるニューヨークのGIA(Gemological Institute of America)に留学
2006年9月
帰国。ビジネス・パートナーを得てジュエリー・ビジネスの準備を始める
2008年7月
オンライン・ジュエリー・ショップ「アクアクリスタル」オープン
「なりたいものを先に決めて、そこに到達するための道のりをたどっていったんです」
「ニューヨークは、世界でも指折りの宝石マーケット。そこで得た知識と人脈が、今の仕事に役立っています」

京都の短大を卒業後、証券会社に勤務していた水本晶子さん。「何か海外にかかわる仕事がしたい」と、シアトルに半年間語学留学をすることにした。語学学校を終えるといったん故郷の高松に帰り、再度専門知識を身に付けるための留学に出かける予定だったが、知り合いに勧められて、仏、ラグジュアリーブランドの採用試験を受けることになった。

「ちょうど高松に新しくショップがオープンするときだったんです。採用面接でなぜ留学したのか聞かれて、『英語の勉強法は人それぞれだけれど、私は日本で勉強するよりも、早く確実に身につくと思った』と、はっきり自分の意見を伝えたのがよかったようです」。新しいショップで販売員として勤務、華やかな店頭の裏ではつらい力仕事も経験したが、いい同僚に恵まれ、充実した生活を送っていたという。

そんなあるとき、お客様が身につけている見事なリングが気になった。話を聞いてみると、オーダーして作っているものだという。「そんな世界があるなら自分もやってみたい、チャンスがあれば、自分で宝石をデザインしてみたいと、強く思うようになったんです」

宝石の仕事をするための勉強はどのようにすればいいのか調べているうち、GG(Graduate Gemologist=米国宝石協会認定宝石鑑定士)という資格があること、GIA(Gemological Institute of America)という宝石学を専門に教える学校で所定のプログラムを終えて試験に合格すると、このGGの資格を得られることがわかった。「GIAは東京や大阪にもあるのですが、故郷を出るという意味では、東京や大阪も海外と同じ。宝石に関しては、ニューヨークは世界的でも指折りのマーケットですし、せっかくならニューヨークのGIAに留学しようと考えたんです」

そして、社会人時代に蓄えた資金と、1ヵ月家賃480ドル(約53,000円)、食費約100ドル(約11,000円)という倹約生活で、ニューヨーク留学をスタートさせた(当時1ドル=110円)。「GGの資格を得るための8ヵ月のコースを選んだのですが、最初にスーツケースがいっぱいになるくらいのテキストが配られて、ビックリしました。しかも、それぞれの本を、内容を覚えるくらいまで、読み込んでいかなければならなかったんです」。水本さんが学んだGemology(宝石学)とは、石の鑑別や評価のほか、岩石や鉱物に関する知識、カッティングの技術など、実に幅い広い範囲について学ぶものだ。毎週テストがあり、70パーセント以上の成績を維持しないと退学を勧告されるという、厳しい授業だった。水本さんは、部屋に戻っても1日5時間を勉強にあて、予習・復習をこなしていったそうだ。

「同じクラスには、地元アメリカの学生のほか、世界中からの留学生がいました。その多くはデザインや製造など宝石の仕事に関わっている人でしたね。私と同じように日本から留学しに来た人たちも、帰国後、宝石業界で働いていることが多く、日本でのネットワークづくりにも役立ちました」

 

ニューヨークでのコースを終え、GGを取得すると、今度はGIAの本校があるサンディエゴへ。ニューヨークとはまた違う、西海岸の開放的な雰囲気の中で、デザインや実際の制作について学んでいった。

サンディエゴでの8ヵ月間の留学の後、日本へ帰国。宝石の知識を生かした仕事を目指したが、当初は思うように事が進まなかった。「知識があっても、経験がないとやはり就職するのは難しかったんです」。そんなときに生きてきたのが、前職の人脈。かつての上司の紹介で、宝石ビジネスに興味のある起業家と出会い、水本さんは「自分でデザインしたジュエリーを、大勢の人につけてもらう」という夢に向かって動き出したのである。

「準備に2年近くかかってしまいましたが、インターネット上の『楽天市場』に『アクアクリスタル』というショップをオープンさせることができました。海外で石を買い付け、製造するといったことを行っているので、アメリカで身に付けた英語はとても役に立っています」。GIAで共に学んだ仲間の中には、ニューヨークのティファニーでダイヤモンドのグレーディングをしている人などもいる。そういった人々が、今では水本さんにとっての頼りになる取引相手、相談相手となっているそうだ。

店名の「アクアクリスタル」は、水本さん自身の名前「水」(アクア)、「晶」(クリスタル)から取っている。「“氏名”って、“使命”につながっているのかもしれませんね。世界中から素晴らしい石を見つけ、それをデザインし、お客様に届けることが、私の使命だと思っています」。顧客とのやりとりは普段はもっぱらメールだが、いつか宝石について語り合う会を設けたいという希望も抱いている。

住まいは現在も故郷の高松。ネットショップということもあり、地方であることのデメリットはまったく感じないという。「コンクリートしかないところで暮らすのには抵抗があるんです。ニューヨークでも、少し郊外のほうに部屋を借りていました。私は自分の暮らしてきた高松の町が大好き。今後も離れるつもりはありません」。最近結婚して、生活の基盤はますます高松に根付くことになった。お相手は前職時代に知り合い、水本さんと同時期にアメリカに留学、海外での生活をともに乗り切った仲間だという。「これからは仕事だけでなく、自分の生活とのバランスを上手にとっていきたいと考えているところなんです」

自らの夢を確実に形にした水本さんの最大の成功の秘訣は、「人生の逆算」。「まず宝石の仕事がしたいという目標があって、それにはまず勉強をして、資格を得て、お店を出す算段として・・・と、こなさなければならない道のりをたどっていったんです。先々まで計画を立てるのが難しかったら、とりあえずやりたいことをやってみるのもいいのではないかと思います。やるべきことが自然に見えてくるかもしれません」


キャリアカウンセラーが分析

  インターネットの普及やサービス・機能の急速な進化により、働き方も多様化してきました。結婚や出産、仕事や家庭とのバランス。留学相談にいらっしゃる女性の多くも、20代後半で今後のライフキャリアについて足を止め考える方が多いようです。インターネットを活用して通勤のストレスなく、好きなことを仕事にしていらっしゃる水本さんのような生き方に憧れる女性も多いのではないでしょうか?

社会経験のある方のキャリア構築のヒントとして、「留学前に経験してきたこと」、「留学中の経験」「帰国後のキャリア」の重なる点を探して、一貫性を持たせるというようなアドバイスをしています。水本さんが留学してジュエリーショップの運営へと転身したことは、留学前とは全く異なるキャリアチェンジをしたように映るかもしれません。しかし、意識はしていないかもしれませんが、証券会社では幅広い業界のお金の流れを把握し、販売経験を通じて売り上げなどの経営感覚を身に付けています。これらの経験は扱うものに関わらず、自営業を行う上でのベースになったと言えます。また、高級ブランドとジュエリーの購買層は重なるので、顧客の顔をイメージしたマーケティングが可能かもしれません。

好きなこと、夢を仕事にするにはビジネスセンスや経営感覚(経営基礎力)が欠かせません。お金の流れの知識とともに大切なのが“人のつながり”です。転職や留学、資格取得、コミュニティへの参加など、行動してきた足跡を振り返ったときに、そこに、知識やスキルだけではなく、それぞれの場所で信頼関係を築けてきたかが、後々の財産になります。

留学は大きな投資ですが、そこでしか出会えない教授(講師)陣や苦労や感動を共有したクラスメイトは、知識やスキル、資格以上にビジネスに結びつけるためのリターンになったと言えます。ビジネスで欠かせない人脈ですが、これは、「名刺をたくさん持っている」「有名な人を知っている」「仕事になる」などと誤解されがちです。しかし、本来は「お互いが自分にない魅力的なもの」を持っていたり、「人生の価値観に共通のもの」を持っている人同士の結びつきこそがそれぞれの成功を喜び合う太く大きな脈となるのではないでしょうか。

人生の価値観というと大げさかもしれませんが、困難や苦労を共有したり、同じものに情熱を注いだりした仲間というのは結びつきが強いものです。目の前の仕事(課題)を一生懸命やり、成長するために自らハードルを上げて挑戦する。輝いている人の周囲にもまた、輝いている人が集まるものです。学んだことを活かして充実した日々を送っていらっしゃる水本さんに今の心境をうかがいました。

「自分は留学にあたりいろいろな人にお世話になりました。これからはその恩返しとして、日本から海外に出る人、海外から日本に来る人を助けてあげたい。それが人生の目標の一つです」

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