留学成功の秘訣

MBA留学体験者のケース

今月の成功者

-- Photo -- 廣木美砂さん(28) ダノンジャパン株式会社 財務部

入社1年目で心に抱いたキャリアチェンジを、MBA留学を経て見事実現した廣木美砂さん。未来を切り開いた思い切りのよい行動は単なる思いつきでなく、周到な準備に裏打ちされたものだった。何が彼女を動かし、彼女はどう動いたのだろうか。新たな挑戦が始まり、意欲あふれる廣木さんに、成功の秘訣を振り返ってもらった。
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成功のポイント 1)『情報収集力』と『行動力(人と会う)』 2)失敗してもそれを活かすことで成長してきた 3)将来的なポテンシャルを伝える工夫をした
 
廣木美砂さんのステップアップ

2004年3月
早稲田大学政治経済学部を卒業
2004年4月
株式会社ロック・フィールド社に総合職で就職。企画販促室に配属される
2005年6月
在職中、留学ジャーナルで無料カウンセリングを受ける
2005年8月
留学準備のため、ロック・フィールド社を退職
2005年9月?2006年6月
派遣社員として独立行政機関の秘書業務に就くかたわら、留学準備活動を行う
2006年7月?2008年4月
カリフォルニア州のPepperdine University Graziadio School of Business and ManagementにMBA留学
2008年4月
MBAを取得して大学院卒業後、プラクティカル・トレーニング(OPT)でコンサルティング会社に勤務しながら、就職活動を本格化
2008年8月
ダノンジャパン株式会社から内定を得て帰国。9月1日より現職
「あらゆる選択肢をテーブルにずらっと並べ、自分で選んだ留学であり、再就職でした」
「ただ待つだけでは状況は変わりません。情報収集も就職活動も、自ら働きかけることが大切です」

廣木美砂さんは大学卒業後、総菜の製造・販売を手掛けるロック・フィールド社に総合職として入社した。新入社員は営業に配属されるのが通例だが、彼女だけは企画販促室へ。アルバイト30人を抱える都内の一店舗を副店長格で任され、店長と協力して売上から人事管理まで店舗経営を担った。異例の抜擢だった。

初めは無我夢中で挑んだが、忙しい日々の中で彼女の心の中には次第に違和感が広がっていく。経営には以前から興味はあったが、大学での専攻科目でなく、実務経験もない。「基礎知識なしにできるほどマネジメントは甘くない。このまま流されてはダメだ」と痛感。社会人1年目にして早くも「キャリアチェンジ」の言葉が胸をよぎりはじめる。

10代前半をハワイで過ごし英語力堪能な廣木さんはある日、ふと留学を思い立つ。だが、仕事は多忙で、具体的な留学準備はおろか情報収集さえままならない。「駆け込み寺的な期待」を抱き、留学ジャーナルに個人カウンセリングの予約を入れた。「留学したいけど、何学部にすべきでしょうか」??そんな質問から幕を開けた相談だったが、カウンセラーの親身な提言と助言に、漠然としていた留学への思いが一気に具体化した。

「第三者から『あなたの英語力なら大学院留学も大丈夫』と評価されたのは自信になったし、最初は『MBAって何?』というような私に、さまざまな可能性と選択肢を提示してくれて、留学に関して視野がぐっと広がった。カウンセリングを受けてよかった」と廣木さんは振り返る。結局、MBA留学にターゲットを絞り、具体的な準備に入る。基礎的な英語力は十分だったが、MBA必須条件のGMATは手ごわく、学習時間確保のため思い切って転職し、派遣勤務に切り替えた。就職1年目での方向転換を不安視する声も周囲から聞こえたが、一度決めたら迷わないという廣木さんはむしろ、「今がベストタイミングだ」と確信していたという。新しいことを基礎から学ぶには実務経験を積み固定観念ができてからよりも、経験が浅く白紙状態に近いほうが吸収も早いはず。「それに、体力的にも頭の回転的にも若いほうがいいだろうし、結婚前のほうが動きやすいとも思った」のだ。

最終的に、留学期間や費用、生活面なども考慮し、アメリカ・カリフォルニア州のPepperdine University Graziadio School of Business and Managementを選択。2006年7月からMBA留学がスタートした。約30人のクラスのうち3分の1が留学生だったが、ネイティブとは対等扱い。英語力のハンディは大きく、月曜から木曜まで1日4時間から8時間続く授業に予習復習を含めると深夜まで机に向かわないと追いつかない。「とにかく、勉強だけの毎日。まず、学習習慣を取り戻しリズムをつかむまでに半年くらいかかった」と振り返る。だが、ビジネスの基礎知識を網羅的に学べる環境は充実していた。渡米2年目には少し余裕ができ、大学の広報活動を手伝う校内アルバイトにも挑戦。必修科目のインターンシップでは、日系のコンサルティング会社で約5ヵ月、ウェブサイトの立ち上げなどいくつかのマーケティングプロジェクトを任され、アメリカで貴重な実務経験を積むことができた。

 

廣木さんはまた、忙しい学業と並行して再就職活動も早い時期から始めている。ちょうどアメリカの経済に陰りが見え始めた頃で就労ビザのない留学生の就職には逆風が吹いており、大学からも「早めに活動を」という助言があったという。そこで、情報収集を手始めに、学内での企業説明会からボストンでのキャリアフォーラムにも渡米1年目から参加。チャンスがあれば異業種交流会にも顔を出すなどネットワークづくりにも励んだ。初めの頃はレジュメの不備を面接官に指摘されるなど失敗も多かったという。だが、瞬間的に落ち込んでも昔から切り替えは早く、反省点を改善の糧にした。「失敗が育ててくれた」と話す。

2年生になると就職活動は本格化。オンライン就職サイトをはじめ、就職エージェントにも登録した。再就職先に求めた最低条件は希望する財務職に就けることと、前職よりも給料が高いことの2点。業界には拘らなかったが、職種を財務に絞ったのは、大学院で学んだ中で最も興味を感じ、適性があると思えた分野だったからだ。慣れない環境での就職活動でも積極的に動いた廣木さんが2年間で企業訪問や面接など直接コンタクトできたのは約50社。ネットへのレジュメ登録だけに頼ることなく、直接会ってもらうため、電話をしたりメールを送ったりの積極策が奏功したのだという。

とはいえ、すべてが順調に進んだわけではない。希望する財務職では実務経験のない廣木さんにとって、「大学院で履修して興味を持った」だけでは即戦力が求められるアメリカ社会では説得力に欠けた。そこで、課題として行ったプロジェクト内容をポートフォリオとしてまとめるなど自分の力を少しでもアピールできるよう工夫した。また、自分の長所として持ち前の行動力と向上心を訴え、将来的な成長のポテンシャルを強調したという。

最終的に入社を決めたダノンジャパン株式会社はアメリカの就職エージェントから紹介された企業の一つだった。電話による3回の面接を経て、ビデオカンファレンス形式で行われた4次面接で内定が出た。希望する財務職でのオファーであり、提示された給料の額も納得できたが、廣木さんが入社の意思を伝えたのは1週間後だったという。「それまでの就職活動を振り返りながら、アメリカにこだわるか帰国するか、さらに他に内定をもらっている企業の条件や職種など、すべての候補を総合的に比較検討しました」

現在は同社の財務部に配属され、新人ながら唯一の財務アナリストとして活躍する。たとえば、廣木さんが算出した試作品の利益評価などを元に製品化の判断が下されるなど経営管理の一端を担う責任あるポジションだ。「私なんかが決めちゃっていいの、と思うこともありますが、たとえば英語の財務諸表の読み方などMBAで学んだことを実務の現場で応用できるのはおもしろいし、何より会社を動かすお金の流れに関わることができる。責任は重いけど、大きなやりがいを感じています」

キャリアカウンセラーが分析

  以前、『キャリアの達人に聞く』の対談で、スタンフォード大学でMBAを取られた石黒不二代さんにお話を伺った際にも、「ビジネススクールの場合は、入社式の翌日から就職に向けたインタビューが入っている」とおっしゃっていました。廣木さんの大学でも同様に、入学当初から「どうやって就職を進めていくか」、「ネットワーク(人脈)を意識した行動」などについてキャリアセンターからアナウンスがあったそうです。

2年で50社の企業と会ったという廣木さん。日本の新卒の就職活動のようにシステム化され、一定期間に集中して説明会や、Webエントリーを行うのであれば、50社という数もそれほど珍しくないかもしれません。しかし海外の大学院留学の就職活動においては多いほうです。廣木さんの場合は、現地の就職エージェントに複数登録し、そこからの紹介もありましたが、20?30社は直接企業にコンタクトしたそうです。「『とりあえず聞いてみよう』というくらいの気持ちの会社にも、『勉強させてください』と伝えて会ってもらう工夫をしました。求人サイトの企業だけでなく、勉強会や異業種交流会などにも積極的に出向いて企業の関係者に会える機会や紹介してもらうチャンスを作りました」

もちろん、会ってもらうためには、「自分は誰なのか?」「何のためのアポイントなのか?(例えば、専攻しているテーマとの関連など)」を明確に伝え、次のチャンスにつなげるために、自分のレジュメは常にブラシュアップし、相手企業のことも研究して臨みます。

MBAやビジネス系の専攻の場合、社会人の参加する勉強会や情報交換の交流会なども比較的多いですが、専攻に限らず、学外の人と会う機会や実際に働いている人に会う機会を意識的に作ることはとても大切です。これは、留学先であろうと、日本国内であろうと同じです。自分の学んでいることが世の中でどのように仕事として評価されるのか、どのように活かされるのかを知った上で勉強に取り組むと勉強そのものに新たな価値を見出せるかもしれません。ぜひ、早い段階から、就職説明会だけでなく、利害関係なく交流できる機会にも眼を向けてみてください。

当然のことですが、50社以上にコンタクトすれば、全て上手く行ったわけではなかったはずです。面接が上手くいかない時など落ち込んだりしないのでしょうか?気持ちの切り替えで工夫していたことはあるのでしょうか?「就職活動に関しては、それほど気持ちを引きずることはありませんでした。企業との相性もありますし、ご縁の無かった企業にしがみついていてもしかたないですから、そこはすぐに気持ちを切り替えられました。諦めが早いわけではなく、他のこと、例えばスノボとか、こだわりを持って頑張ることもありますが(笑)」

行動し、経験が増せば、その分失敗することや傷つくこともありますが、その経験や他者からの指摘で気づくことこそ成長のチャンスです。それは留学経験から学ぶことと共通します。好況、不況に関わらず、若手人材に対して企業が求める資質として『積極性』は必ず上位に入ります。ある意味、“不便な”留学だからこそ、工夫や積極性を発揮し実践するチャンスです。目の前のチャレンジをチャンスに変えましょう。

「あらゆる選択肢をテーブルにずらっと並べてからでないと選べない性格」と自己分析する通り、留学先の選定から希望職種、再就職先まで多くの選択肢を集め、その中から自分自身で選びだし、「今」を手に入れた廣木さん。そんな彼女に、これから留学を考える人たちに向けてアドバイスをうかがいました。「情報はいくらあっても困ることはありません。視野と行動範囲を広げて多方面に積極的に働きかけて集めること。さまざまな情報の中から自分で選んだ結果なら、きっと満足できると思います」

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