ワーキングホリデー最初の仕事は、オレンジピッキングと、刈り取り済みワイン用葡萄の枝をワイヤーに巻きつける作業でした。場所はヴィクトリア州のミルデュラ。インターネットのサイトを頼りにたどり着いたのは良かったのですが、バックパッカー(※バックパッカー向け格安宿泊施設)が絵に描いたようなオンボロで、丸1日働いても20ドル以下。バックパッカーの費用が週140ドルだったので、働けば働くほどマイナスになる計算です。当然そこは1週間で移動し、偶然バーで知り合った人をきっかけに、別のところで働き始めました。
次の仕事先は総合農園場で、アボカドの世話やワインの若い枝を植える作業、花の世話などをやらせてもらいました。ファームでは「ひとつの仕事を黙々とやる」という、大変なイメージがあったのですが、そこではトラクターも運転させてくれ、さまざまな経験ができました。働いているオージーも気さくで、食事や船旅などにも誘ってもらいました。同じバックパッカーから働きに出ていたドイツ人の2人も本当に優しく、人なつっこく、時に悪ふざけもして、素晴らしい出会いでした。中でも印象に残っているのは、そのドイツ人の友達と、オージー家庭の夕飯に招かれたことです。ドイツ人に比べて僕の英語力は劣っており、コミュニケーションが不十分だったのですが、その家の子供たちが本当になついてくれて、食事前のゲームから映画、そして食事中も僕の隣を兄弟で取り合ってくれたのがうれしかったです。仕事場でもよく話しかけてくれ、仕事の失敗を責めるより、僕の働きっぷりをものすごい、十分すぎるほどの褒め言葉で褒めてくれたことが印象に残っています。
海外で仕事を手に入れ、自分の力で生活した経験は、僕にとって大きな自信になりました。月の稼ぎがこれくらいで、出費がこれくらい、旅行もするから節約して・・・と考えているときにふと、「あー本当に海外で自活してるんだなぁ」と実感していました。ワーキングホリデーは世間から、「大きな夢ばかり見ている」といったようなマイナスイメージもありますが、僕の場合は反対に、「地道にこつこつと仕事をしていく」という地に足がついた考え方を与えてもらいました。「何をやりたいか?」ではなく「今自分に何ができるか?」という現実を見つめることを教えられたと思います。今は「自分にできることをこつこつと続け、焦らず目標に向かって行こう」という気持ちで頑張っています。