UNHCR編 国際機関で活躍する日本人職員を紹介

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世界のために、できること 国際機関で働こう!

グローバルに社会貢献ができる国際機関で働くには、どのようなステップが必要なのだろう。
いま活躍する日本人職員に、その道のりを聞いた

Vol.11 タイの山中で感じる歴史のダイナミックな動き UNHCR タイ・メーホンソン事務所 准難民保護官 阿部明子さん

自主的に帰る難民をさまざまな面から支援する

 タイで人気の観光地チェンマイから飛行機で約30分、山深いミャンマーとの国境近くに阿部明子さんが勤務するメーホンソンの町がある。タイには9つの難民キャンプがあり、そのうち阿部さんはこの地域の2つのキャンプで難民の保護と難民問題の解決に取り組む。紛争から逃れてきた人、教育や医療を求めてきた人など、2つのキャンプで約1万2000人、タイ全体では10万2300人がキャンプで生活している。ほとんどがミャンマーとタイ国境近くに住んでいた少数民族だ。
「難民キャンプは定住のための場所ではないので、ここからアメリカ、カナダなどの第3国に定住する人もいますし、ミャンマーに帰れる日を20年近く待っている人もいます。私は自主的に帰る決断をした難民の支援をしています」

 紛争が以前より落ち着いたことや国内外からの支援の減少、キャンプ内の仕事が減っていることなどから、最近、帰還を希望する人が徐々に増えている。UNHCRがミャンマー、タイ両政府と交渉し、昨秋には別の2つのキャンプから20世帯71人の帰還が初めて実現した。現在は阿部さんが担当するキャンプでも帰還準備が少しずつ進められている。
「まさに動き出したところです。帰還に際して受けられる支援、必要な手続きなどの情報を難民の方と共有するのが私の主な仕事です。でも、中には紛争のトラウマがあって帰還に否定的な人もいます。将来どんな生活をしたいですか、という問いかけから始めて、できるだけ対話をするように心がけています」

山道を車に揺られて1時間以上ほぼ毎日キャンプまで往復

阿部さんの1日
7:30事務所を出発。片道1~3時間の山道を越え、難民キャンプへ
10:00キャンプ到着。ボランティア・スタッフたちと打ち合わせ
11:00UNHCR情報共有セッションの開始。難民の保護、恒久的解決策や自主的帰還について難民へ情報共有
12:00難民たち、ボランティア、同僚たちとランチ&難民の帰還への懸念について議論
13:00情報共有セッション反省会。難民で構成される委員会や、関係団体と打ち合わせ
14:30キャンプから事務所へ向かう
17:00事務所到着。報告&書類作成
19:00NGO代表や同僚と夕食&情報交換
21:00帰宅。年次計画予算案についてアイディアを練る

 帰還を希望する人にはカウンセリングをして家族何人でどこに帰りたいのかを聞き、その土地の安全などを確認してから手続きを進める。ミャンマー政府に申請し、OKが出たら帰還できる日取りを決め、地雷などの情報を提供し支援金を支給する。今年1月にはキャンプ内に自主的帰還センターを設立した。

 情報はキャンプの掲示板でも発信するが、読み書きのできない人も多い。そこでセンターに集まってもらい、難民とはどういう状態なのか、どんな権利があるのかに始まり、今後考えられる解決策などについて口頭で情報を提供し、意見を交換している。

 こうした活動のため、阿部さんはほぼ毎日キャンプを訪れているが、どちらもかなり遠い。メーホンソンにあるUNHCRの事務所を朝早くに出発し、車で1時間から3時間、山道を揺られてようやく到着する。

「それでも定期的にキャンプに通うことによって、彼らがどんな環境の中で、どのような思いで生活しているのか、顔が見えてきます。会合の後に『来てくれてありがとう』、『本当に勉強になった。また来てね』と言われると、やっていてよかったと思います。タイの山奥にいるのですが、歴史のダイナミックな動きの渦中にいることを感じながら活動しています」

 夕方、オフィスに戻ってからは、同僚との作戦会議、書類作成、政府やNGOの人との会食など、現場とはまた違った仕事が待っている。難民に対して何ができるのか、現場とオフィスワークの両方を通して考えられるのも今の仕事の魅力だという。

阿部さんの着任までのStep

2001年7月米国ペンシルベニア州フランクリン&マーシャル大学教養学部へ交換留学、国際政治、国際関係等を専攻
2004年3月東北学院大学法学部法律学科国際法務コース卒業。国際法、国際政治学、平和学等を学ぶ
2004年~2005年国内外NGOでボランティア、各スタディツアーに参加、国連開発計画でインターン
2005年12月英国ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで「開発マネジメント」修士を修了
2006年7月JICA本部にてインターン(3ヵ月)
2007年3月オランダ Institute of Social Studiesにて開発・公共政策&マネジメント及びジェンダー(副専攻)修士。その後国内外の国際協力関係機関で主にアジアにおける人道と開発援助支援事業を企画、ミャンマー少数民族難民の帰還と平和構築に向けたコンサルティング、早稲田大学大学院で平和構築と人道・開発支援につき研究中
2015年3月国連平和大学・アテネオ・デ・マニラ大学にて平和学及びグローバル政治学修士を修了
2015年7月外務省平和構築人材育成事業研修生・和解と開発支援担当官として、国連開発計画事務所へ赴任。国内避難民の帰還支援事業を企画・実施
2016年6月UNHCRタイ・メーホンソン事務所へ准難民保護官(恒久的解決担当、JPO)として赴任

英語を使って人のため
社会のためになる仕事がしたい

 阿部さんは中学、高校の授業などを通して途上国の現状やマザー・テレサの活動を知り、緒方貞子さんが国連難民高等弁務官として難民のために世界を駆け巡るニュースに触れたこともあって、国際協力に関心を持った。親戚に英語の先生がいて英語に親しんでいたので、英語を使って人のため、社会のためになることがしたいと、大学では国際法や平和学を勉強した。在学中にアメリカに1年間留学し、途上国からの留学生に出会う。国に貢献したいという彼らの真摯な思いに打たれ、阿部さんは国際社会で対等に世界平和のために働ける人になりたいと考えるようになった。

 仙台での大学時代には、東京で開催されるセミナーを見つけては夜行バスなどで通った。
「国際機関を目指している人をはじめ、国内外のいろいろな人と友達になりました。人とのつながりを大事にしていると、自然と情報をキャッチできる環境が整ってきます。あの時代があったから今があると思っています」

 大学卒業後はイギリスの大学院で開発マネジメントを専攻。さらにオランダで学び、コスタリカやフィリピンで平和構築について途上国や先進国から来た同級生と議論を交わした。その後は日本に戻り、外務省、JICA、NGOなどで平和構築、開発支援などを担当。国連開発計画でも活動して、中高生のころに描いた夢に一歩ずつ近づいてきた。国際機関を目指す人にはこうアドバイスする。

「国際協力には多くの分野があるので、何に関心があって、何の問題に心を揺さぶられるのか、自分の心を大切にしてほしいですね。いろいろな人に出会い、さまざまなチャレンジをしていけば、本当に好きなこと、得意とするものが見つかるはずです」

国際機関で働くまでの道のり

中学、高校時代に
国際協力に興味を持つ

キリスト教系の中学、高校で途上国の問題や国際機関の活動を知る。「UNHCRの代表に就任した緒方貞子さんに憧れる思いと、自分は先進国で豊かな暮らしをしているけれども、世界には貧しく紛争を抱える国があって、そこにも子供たちがいること、そこに携わる仕事があることが分かって、自然と国際協力に興味が湧きました」

アメリカ留学で出会った
途上国からの留学生

大学の法律学科に進み、国際法、国際政治、平和学などを学ぶ。2年生のとき奨学金を得て1年間アメリカの大学に交換留学し、国際政治、国際関係を専攻。途上国から来た留学生と知り合う。「皆さん自分の国のことを真剣に考えていました。背負っているものが違いましたね。私も帰国して、さらに勉強を続けたいと思いました」

海外の大学院で
国際協力を学ぶ

大学卒業後、ロンドンの大学院で開発マネジメントを専攻。ロータリー財団国際親善奨学生としてオランダでも公共政策などを学び、コスタリカ・フィリピンでは平和構築を学ぶ。ここでも世界各国からの留学生と議論を重ねる。その際日本の国際協力についてより知る必要を感じて帰国し国内の各国際協力支援機関にて研鑽を積んだ。

UNHCRって?

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の活動

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は、世界各地の難民を保護し支援するための国連機関。2015年初めには、世界で約6,000万人もが難民、国内避難民、または庇護申請者として避難を余儀なくされた。彼ら難民に対し、基本的人権が尊重されるための活動を行う。現在拠点は125ヵ国にわたり、事務所109ヵ所、地域のフィールドオフィス341ヵ所、職員は9,300人以上。1954年にはノーベル平和賞を受賞。人道危機が複雑になるにつれて、活動範囲はますます拡大している。


キャンプでの情報
共有セッションで、
帰還について難民
と語り合う
事務所職員の能力
強化研修(自主的
帰還)の実施
キャンプの若者たちの
リーダーと今後の協力
について語る
キャンプのボラン
ティア・スタッフ
たちと
関係NGO代表らと
今後の情報共有に
ついて協議する
世界平和の日に難民の若者たちへメッセージを伝える阿部さん

国際公務員になるためのキーワード!

海外の大学院への留学

「国際機関への就職を目指すには、海外の大学院に進学する必要があるか?」という質問がよくある。国際機関への採用の際に問われるのは、「どの国の大学院を出たか?」ではなく、「どのような修士号を持っているか?」ということだ。つまり、英語さえ問題なくできれば、日本の大学院での修士号でももちろん国際機関への応募要件を満たすことになる。実際、外務省が実施している若手日本人を国際機関へ派遣する「JPO派遣制度」で2016年度合格された48名のうち、7名(約15%)は日本の大学院で修士号を取得した方だったが、裏を返せば、残り41名(約85%)は海外の大学院で修士号を取得しており、特に国際機関で必要とされる学問の修得や英語への慣れなどの観点から、海外の大学院を経て国際機関へ就職する方が多いのも事実である。

外務省 国際機関人事センターhttp://www.mofa-irc.go.jp/

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