UNDP編 国際機関で活躍する日本人職員を紹介

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世界のために、できること 国際機関で働こう!

グローバルに社会貢献ができる国際機関で働くには、どのようなステップが必要なのだろう。
いま活躍する日本人職員に、その道のりを聞いた

Vol.9 一緒に走れる環境を整えて災害に強い社会をつくる UNDP ネパール事務所 災害リスク軽減ユニット 遠藤智夏さん

竹のように強い社会を目指しステークホルダーと政策を立案

 3年前からネパールの国連開発計画(UNDP)で防災の問題に取り組んでいる。建築基準などの法の整備、政策立案のサポート、そして2015年に起きたネパール大地震の後は、復興支援も仕事に加わった。
「ネパールでは約9千人が家の倒壊などで亡くなりました。建築基準は一応あるものの、守られていないし、守らせるガバナンスシステムが弱く、人々の意識もまだ低い。災害に強い体制を作るために、関係省庁と協力して政策を作っています」

 途上国開発のキーワードのひとつ、resilience(弾力性、強靭性)は、よく竹にたとえられる。竹はグイッと曲げられても、しなってすぐ元に戻る。その弾力がある社会は強い。災害や紛争が起きても被害を抑え込み、そこから学んだことを次に生かせる。すると開発のスピードも落ちにくい。しかしネパールはその力がまだ弱く、事前の準備で被害を小さくする防災が非常に重要な分野だという。

 ただ、日本では何事も政府主導で動いていくのに対して、ネパールは財政的に厳しいこともあって、防災分野の政策を作るにしても、関係省庁のほかに世界銀行、ユニセフ、国際NGO、ドナー(援助をする側の外国政府など)であるイギリス政府、アメリカ政府、日本政府など、いろいろなステークホルダーが必要になる。彼らの協力なくしては、政策ができても資金不足などで実施されず、文書が残るだけになってしまうからだ。

悪夢にうなされ早朝のジョギングでモヤモヤ解消

遠藤さんの1日
6:30約30分ジョギング、ジムで筋トレ
9:00車で20分の事務所に出勤。各国組織のSNSやツイッターを通じた情報収集
10:00プロジェクトに関する文書へのレビュー、フィードバック
11:00貧困削減ユニット、ガバナンスユニットとスタッフミーティング
12:30近くのネパールレストランでランチ
13:30政府との防災政策に関する会合に出席
16:00国事務所およびNY本部との協議
19:00帰宅。市内の渋滞で1時間半ほどかかることも。犬と遊び、家族と夕食。ピアノや映画、体力があるときは語学や専門分野の勉強

 そこで、こうしたステークホルダーに協力を促し、ネパール政府と彼らの意向を調整する仕事を遠藤さんが任されている。
「機関によって認識も目指すことも少しずつ違います。それを調整して、ひとつの目的に向かって一緒に走っていける環境を作り出す役割です。いわば国連本部が国家間でやっていることのミニチュア版を、私がネパールの防災分野でやっているわけです。この仕事を始めて、調整役の大変さがわかりました」

 いろいろな機関の人に話を聞き、興味のある分野が重なれば、「一緒にやりませんか」と持ちかける。普段から情報共有をして、個人的に密な関係を築いておくことも大切だ。調整が難航しているときは「あのドナーのレスポンスが遅れている。期限に間に合うかな」と、夢でうなされることもある。モヤモヤ解消に早朝のジョギングは欠かせない。
「このような政府の能力強化の仕事は、成果が出るまでに10年、20年かかります。前にいた南スーダンでは、学校をつくるなど、コミュニティレベルの仕事をしていたので、目の前にいる子供たちの将来のためになる、この国のためになると実感できましたが、政策レベルの仕事は大きな構図の中の一部分なので被益者の顔が見えにくい。そこがこの仕事の難しいところです」

 2015年4月の大地震のときは、カトマンズのアパートの6階にある自宅が大きく揺れ、壁にヒビが入った。同じ地区に住む国連職員に無線で生存確認をしようとして、気づくと手も足も震えていた。災害の恐怖と闘いながら業務を遂行する辛さを味わった。
「南スーダンにいたときも紛争が起きて、身に危険が迫る中で仕事をしました。いろいろな経験によって、私も自分自身のresilienceを高めているのかもしれません」

遠藤さんの着任までのStep

2009年2月ロータリー財団国際親善奨学金を受けてメルボルン大学院に留学、国際開発学科卒業。在学中、メルボルンのNGOとカンボジアの国連常駐調整官事務所でインターンシップ
2009年3月Sustainable Investment Research Institute(SIRIS)所属(メルボルン)。日本を含むアジア太平洋地域の企業のガバナンス・CSRにおける実績の評価・分析に携わる
2009年10月在ザンビア日本国大使館にて経済協力調整員として、日本を含む16の二国間ドナーや国際機関との開発支援事業の調整、ドナー共同開発援助政策文書の策定に携わる
2012年2月在スーダン日本国大使館、在南スーダン日本国大使館にて草の根無償資金協力の実施に携わる
2014年1月UNDPネパールにて環境・エネルギー・気候変動・防災ユニット、および震災復興・レジリエンスユニット、2部署に所属

着任3年で出した成果に
ネパール人から感謝の言葉

 今、遠藤さんの仕事は大きな成果を出し始めている。都市開発省、国家計画委員会などと「より安全な建築のための国家行動計画」をまとめ上げ、政府の承認を待っているところだ。ネパール政府の人からは、「チナツがいてくれて本当によかった」と感謝された。
「悪夢を見ながらも、この仕事をしてきてよかったと思いました」

 振り返れば、着任した3年前はマイナスからの出発だった。あるドナーとUNDPの間で難航する調整事案があり、そこに放り込まれた遠藤さんは、いきなり関係を修復しなくてはならない立場に立たされた。
「キラキラした理想を抱いて国連に入ったら、すごく難しい状況になっていて、ドナーから批判され、ショックを受けました。でも、批判の裏には、国連にもっとしっかりしてほしいという期待の高さがある。今も傷つくことはありますが、個人的な関係を築くことで、以前より仕事がしやすくなりました」

 途上国で開発を進めるには、防災のほかにもガバナンス、貧困対策など、さまざまな環境整備が必要だ。
「自分の能力を高めて、将来は複雑な途上国の開発課題にあらゆる専門分野のノウハウを活かしながら、包括的に取りくめるようになりたいですね。今も上司の仕事を横で見ながら、国際機関という大きな組織の中で、よりインパクトのある貢献ができる人材になりたいと思っています」

国際機関で働くまでの道のり

メルボルン大学大学院で
国際開発学を専攻

中学ではカナダ人の英語助手と英語を勉強。海外の大学に行きたくて両親を説得するが叶わず、米国同時多発テロの影響もあって山梨大学教育人間科学部国際共生社会課程に学ぶ。ロータリー奨学金を得てメルボルン大学大学院に留学。「国際情勢に興味があり、人のためになる仕事がしたくて開発学を専攻しました」。

現場での仕事を求めて
ザンビアの経済調整員に

大学院には既に現場を経験した社会人学生もいて刺激を受ける。「彼らの理解度、議論の仕方は違います。私も現場を知りたくてカンボジアでインターンシップをしました」。開発関係に進むことを決め、大学院修了後はメルボルンの研究機関で働きながら現場の仕事を探した。外務省の経済協力調整員に合格しザンビアへ。

政策とコミュニティの
両レベルの経験を積む

「ザンビアはアフリカの中では初心者向けといわれる平和な国。政策レベルの仕事を2年やったので、今度は人の顔が見えるコミュニティレベルの仕事がしたくて南スーダンの日本大使館に移りました」。現地のNGOと衛生や教育の支援をする、草の根無償資金協力を担当。UNDPネパールのポストに応募し採用された。

UNDPって?

UNDP(国連開発計画)の活動

UNDP(国連開発計画)は貧困の撲滅、不平等の大幅是正等を目標として、1966年に発足。策定された国別計画、地域計画およびグローバル計画に基づき、開発途上国・地域において生活向上支援、ガバナンス支援、紛争・災害復興支援等の支援を実施する。またすべての活動で、人権保護と女性のエンパワーメントを推進している。ネパールにおいては、農村エネルギー開発プログラム(REDP)により、貧困層による手頃な価格での代替エネルギーの利用促進に大きな成果を収めた。本部ニューヨーク、事業所数約130ヵ国以上。


少水力発電による灯りで
夜も学ぶことができるようになった
子供たち©UNDP Nepal
日本からの太陽光発電機器を寄贈。
一番右が遠藤さん©UNDP Nepal
ワークショップを開催し、
女性の雇用の機会を創出©UNDP Nepal
2015年ネパールの災害復興に従事する©UNDP Nepal
大量の薪から炭を
作る方法を伝え、
生活を向上させる
©UNDP Nepal

国際公務員になるためのキーワード!

外務省での仕事

 国連などの国際機関で勤務するのに、エントリーレベルでも2年以上の職歴が必要なのはご存じの方も多いだろう。しかし、その職歴をどのような職場で積むのが良いのか?という質問がよく聞かれる。どのような国際機関でどのような職種を選ぶのかに応じ、職歴を積むところは変化してしかるべきだが、今回の遠藤さんの例では、アフリカにある日本国大使館で「経済協力調整員」や「草の根・人間の安全保障無償資金協力」の実施に携わったという職歴が記載されている。外務省の正規職員ではないが大使館や日本政府代表部において特定の分野の業務を1~2年の間だけ経験できる制度がかなりある。特に、将来的に開発の分野で国際機関を目指す方にとって、外務省が行う経済協力などの業務は職歴の加算に非常に有効である。

外務省 国際機関人事センターhttp://www.mofa-irc.go.jp/

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