佐藤 |
留学中のインターンシップの有効性についての質問が多いんです。小杉さんもマサチューセッツ工科大学(MIT)のスローンスクールへ留学し、MBAを取得されていらっしゃるのですが、インターンも含めた留学中の就職活動方法について、ご自身の体験も含めてお聞かせください。 |
小杉 |
留学中に、履歴書に書けるような就労体験をすることをおすすめします。例えば、夏休みに企業で働く「サマージョブ」のような。僕の場合は、早い企業は前年の12月ぐらいに募集要項が学校に貼り出されていたので、それで申し込みました。募集のない会社の場合は、自分でファイルを見て、人事の担当者に電話をしました。まだインターネットがなかった時代ですからね。最初の学期が終わった後のサマージョブは、モルガン・スタンレーに行きました。
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佐藤 |
なぜモルガン・スタンレーを選ばれたんですか?
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小杉 |
そこしかオファーが来なかったんです(笑)。コンサルタントを志望していたんですが、当時はファイナンス全盛時代だったので、インベストメントバンクも試してみたかったんです。インベストメントバンクばかり15社受けました。僕はMITの総長から警告状が届くほど成績が悪かったので、合格したときは“ミラクル”と言われましたね(笑)。いつも1つしかオファーが出ないんです。日本での就職のときもいろいろ受けたのですが、オファーがきたのはNECだけ。大学受験のときもそう。いつも最後に一番行きたいところからオファーが来るんです。だから、スタートが悪いと楽しくなってくるんです。「また、最後にはいちばんいいところに入れるんだ。まいったなぁ」って(笑)。 |
佐藤 |
まさに、ミラクルですね(笑)。何か秘訣があるのでしょうか? |
小杉 |
ズバリ、受かるまで受け続けること。そうすれば絶対受かります(笑)。会社がある限りチャレンジできるんですから。受かるまでやるか途中でやめるか。それと、インベストメントバンクへの活動のときは、僕の場合、学業面ではファイナンスをやってきた経験者に勝てないから、面接に賭けていました。 |
佐藤 |
面接で上手に自己アピールするコツをつかんでいたんですね。 |
小杉 |
いかにおもしろい人間だと思わせるか、ですね。たとえば、「日本は芸者と富士山だけの国じゃないよ」、当時は向こうになかったから、「カラオケって知ってる?」と興味を惹きそうな話をふって、こっちのペースに持ってくればシメたものです。もちろん、いままでやってきた業種と異なるので、「メーカーにいたお前がなんでファイナンスをやるんだ?」と突っ込まれましたが、「学校で1年ファイナンスをやってみて、まさにこれが僕のやりたかったことだとわかった!」と熱意を持って語る。まあ、卒業したらコンサルティング関連の企業に行こうと思っていたのでちょっと大げさですが、インベストメントバンクにも非常に興味があり、どうしてもサマージョブでは経験してみたかったので、やりたい気持ちに嘘はありません。いかに相手を説得するかです。あとは、こいつと働いてみたい、と思ってもらえるかどうかなのではないでしょうか。 |