佐藤 |
高野さんの担当されているウェブサイト「All About転職のノウハウ」はよく拝見させて頂いています。キャリアに関する最新情報や具体的なアドバイスはとても参考になります。人材紹介業としてのお仕事では、どのあたりの領域を中心にされているのですか? |
高野 |
キャリアコンサルタントとしてこれまで5000人以上のカウンセリングを手がけてきたのですが、私自身、33歳になったばかりということもあり、20代から30代の、若手の転職を扱うことが多いですね。転職先は、必然的に、外資系企業やベンチャー企業が多くなってきますね。非上場型で、必ずしも新卒採用に頼っていないところです。 |
佐藤 |
最近は企業の倒産やリストラなどのニュースが後を絶ちませんが、不況時でも求人が伸びる業種というのはあるのですか? |
高野 |
特定の分野で成功しているところでは、求人が多いですね。介護や医療の分野で人材紹介をしている企業などがそうです。アメリカでもメディカル、ヘルスケアの分野は、不景気に強いとされています。そのほか、安売りを特徴としているところはやはり伸びていますし、どんな企業でも、人事や経理など管理部門では、常時欠員補充用の求人があるものです。 |
佐藤 |
留学経験者の場合、社会経験がない中、中途採用に応募する人もいるわけですが、未経験では不利にならないでしょうか。
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高野 |
基本的には経験者を求めている企業が多いのですが、採用に当たっては、業種というより職種が重視されますね。例えばメーカーなどで経理の経験があれば、介護業界の経理部門で採用されるということがあるわけです。前職で正社員であったかどうかということはそれほど気にしないこともあるので、まずはアルバイトでいいので希望の職種に就き、景気が好転して自分が望む求人が出てきたところで、改めて社員募集に応募するという手はありますね。
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佐藤 |
不景気だから・・・とあきらめてしまうのではなく、雇用形態に関わらず、“仕事そのものの中”にチャンスがある、と考えればいいわけですね。 |
高野 |
伝説のバイトになればいいんですよ(笑)。アルバイトから始めて、社長秘書や役員になったという例もありますからね。
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佐藤 |
社会人経験がなくても、留学経験が有利に働くとすれば、どんなところでしょうか。英語力や、海外で学んだことを生かせるといいのですが。 |
高野 |
学んだことが生かせる機会はあると思います。例えば、MBAは、今も外資系などでは、価値ある資格として考慮の対象になります。英語力に関しては、よく「英語ができるだけではダメ」などと言われますが、実際は、飛び抜けた実力があれば、必ず有利になります。例えばTOEICテストのスコアが900点以上あって、ネイティブのスタッフともすらすら話せるというのであれば、それは大変な強みです。 |
佐藤 |
留学中に人脈を作っておいたり、勉強以外の何らかの活動をしてそれを面接でアピールして成功する人もいますね。 |
高野 |
「インターンシップを経験してこんな仕事をまかされました」といったように、具体的なエピソードがあるといいですね。今、海外留学に出ている人は増えていますし、「留学した」というだけでは、自己アピールにならない可能性があります。何か自信を持って話せることがあれば、面接でもうまくいくはずです。
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