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キャリアカウンセラー対談 第59回(2016年9月)

「多様性」を受け入れ、まとめ上げるバランス感覚が重要

ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)で26年間勤務し、東アジア代表として多国籍のスタッフをまとめてきた経験を持つ青島泰之さん。日本、中国、韓国、北朝鮮、モンゴルという政治的・歴史的背景で複雑な関係を持つ東アジア5ヵ国の政府関係者とコミュニケーションをする際に役立った「バランス感覚」は、学生時代のスイス留学で培ったといいます。青島さんが海外での仕事を志したきっかけから現在のインドネシアでの仕事に至るエピソードとともに、これから海外へ飛び出す次世代へのメッセ―ジをいただきました。

国連とスイス留学で鍛えられた、多国籍な相手とのコミュニケーション力

田仲青島さんは、ユネスコで20年以上働かれていたそうですね。

青島はい。ユネスコでは、パリの本部に15年半、インドネシアのジャカルタに4年、北京に6年半の合計26年間在職しました。32歳のときに、当時務めていた日本鋼管(現・JFEスチール)を辞めて、転職したのですが、最初は大変で1年ももたないと思いました。

田仲大変というのは、仕事の内容が難しかったということですか?

青島いえ、組織の人事構造が日本とはまるで違ったのです。今もそうですが、1980年頃の日本の組織は、ある程度の経験を積めば、自然に上のポストが用意される仕組みでした。ところが、国連はまったく違う。すべてのポストは全世界から公募して候補者を募るので、自らも手を上げて応募しないと前に進めません。当時は自分の語学力ではあまり役に立たなくて、会議でもなかなか発言ができない状態で・・・。日本人は、こういう「前へ、前へ」というのが苦手なので、最初は苦労しましたね。

田仲それでも最終的にはユネスコで管理職をお務めになっていたそうですね。

青島専門職を約16年間務めた後、ジャカルタで管理職の仕事を始め、最後の6年半は北京事務所長・東アジア代表として教育・科学・文化の事業に携わりました。日本、中国、韓国、北朝鮮、モンゴルという東アジア5ヵ国は、政治や歴史の関係でかなり複雑な状況に常に置かれているので、対話に苦労することは多々ありました。

田仲難しい仕事というと、例えば、どのような経験をされましたか?

青島チベット問題を報道した中国人ジャーナリストにユネスコが賞を贈るということがありました。すると中国政府から抗議があり、電話やメールではできないので、往復20時間かけてパリのユネスコ本部に出かけて行って、ユネスコ事務局長と20分間で中国政府に対する対応を協議したことがありました。その他には、2008年の北京オリンピック開催に向けて、胡同(フートン)という中国の古い長屋がある一画を再開発するという計画が立ち上がったときに、「住民と歴史的景観を守るべきだ」と抗議をしました。各国大使の抗議はまったく相手にしてもらえない状況下でユネスコは粘り強く交渉して、最終的には北京市長と会談することができました。

田仲国連職員の交渉は、外交官とは違うようですね。

青島そうです。外交官は自国に不利益にならないような解を探す明確な目的がありますが、国連職員はあくまで中立の立場が原則です。ユネスコは教育、科学、文化を通じて世界の平和を構築することをミッションとしていますが、当事国(ユネスコの加盟国)の利益も損なってはいけないので、対話の取り方が難しい。当事国の政策や歴史的背景を理解して、交渉をするバランス感覚が求められます。

田仲まさにグローバル人材に求められる資質として常に上がる話題です。

青島国連は、世界中の国が加盟国として集まったダイバーシティ(多様性)の見本市のような所なので、こうしたバランス感覚は自然に鍛えられたのでしょう。また、学生時代のスイス留学で身につけた感覚というのも役立っているかもしれません。ヨーロッパは、アメリカとはまた違った多国籍社会なので、異なる文化背景を持つ相手とコミュニケーションをする力がかなり鍛えられました。

田仲英語圏ではなく、スイスに留学されていたのですね。そもそも青島さんが国際社会と関わりを持とうと思ったきっかけは?

青島"Boys, be ambitious(少年よ、大志を抱け)"のクラーク先生に憧れて、開発途上国の教育のためになる仕事をしたいと考えていました。クラーク先生は北海道大学の前身である札幌農学校で、日本の若者たちに夢を与える教育をしたことを小学校の教科書で知り、自分も同じようなことをしたいと思ったわけです。

田仲すばらしいです。小学生時代の夢をずっと持ち続けたのですね。

青島いえいえ(笑)。そんなことずっと覚えていないわけで、大学進学時に思い出したのです。開発途上国のために働くなら、外務省に入って外交官になるのもひとつの選択肢でした。ただ、外交官はジェネラリスト。途上国の発展にまず必要なのは、土木、農業、教育、財政などのスペシャリストです。そこで私は、土木工学を学ぶ道を選びました。当時の日本は、土木分野のスペシャリストが国土を作っているような時代で、憧れもありました。

田仲そのまま大学院まで土木工学を修められたのですね。

青島そこは紆余曲折がありまして・・・。大学で土木工学を専攻するなかで、海岸工学に興味を持つようになり、大学院では海岸工学の研究室に所属することに決めました。ただ、卒業論文くらい別のテーマをやろうと思って、鋼構造で卒業論文を書きました。この研究室で人生の恩師となる西野文雄先生と出会うことになります。スイスのローザンヌ連邦工科大学に留学することになったのは、この先生の勧めがあったからなのです。当時は「留学といえばアメリカ」というのが半ば常識でしたが、スイスは土木系の研究がかなり進んでいました。先生から3日以内に判断しろと言われ、あれよあれよとスイス行きが決まりました。

田仲スイスというと大学の授業はドイツ語ですか?

青島私は第二外国語でドイツ語を選択していたので、現地でもなんとかなると高をくくっていたのです。そうしたら、直前になって、ローザンヌがフランス語圏だったことが判明しまして・・・。とにかく留学前に泥縄で勉強をして、現地に乗り込みました。後で聞いた話ですが、西野先生は、「青島のやつ、フランス語ができないままスイスに行っちゃったよ」と笑っていたそうです。西野先生は、進んだ考えの持ち主で、東京大学も土木分野で世界から優秀な学生を集める拠点にならなくてはいけないと50年前に英語での授業を導入していたのです。

Yasuyuki Aoshima
PROFILE

あおしま やすゆき/日本技術者教育認定機構(JABEE)専務理事、工学博士
1947年生まれ。1970年、東京大学工学部土木工学科卒業後、同大学院へ進学。在学中にスイス・ローザンヌ連邦工科大学に留学。帰国後、1976年に日本鋼管(現・JFEスチール)入社。1982年、ユネスコ・パリ本部に就職。1997年ユネスコ・ジャカルタ事務所、2001年ユネスコ・東アジア代表・北京事務所長。2008年にユネスコを退職し、2010年より現職。2014年より、JICA(国際協力機構)の専門家として、インドネシアにおけるJICA技術協力プロジェクトのプロジェクトマネージャーも兼任している。

北京駐在の国連機関代表と中国外務大臣李肇星(中央)。英字新聞「China Daily」の2006年12月20日の一面に掲載された ユネスコ退職後の2008年9月、モンゴル大統領Nambaryn Enkhbajarから勲章を授与される

田仲 愛
株式会社留学ジャーナル
キャリアカウンセラー
商社勤務後、アメリカの大学院で教育管理学を学ぶ。UNESCOや国際協力NGO職員としての海外勤務経験や日本企業での勤務経験を活かし、これまでに3000人以上の留学希望者や留学経験者に対し就職セミナーやキャリアアドバイスを行う。JCDA認定CDA(キャリアデベロップメント・アドバイザー)

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