留学やワーキングホリデーで渡航する際の主な滞在方法としては、学生寮、ホームステイ、アパートがあります。長期間の留学やワーキングホリデーをする人の場合は、はじめは学生寮かホームステイにし、現地での生活に慣れてきたらアパートに移るなど、状況に応じて住み替えるのもよいでしょう。
おもな滞在方法は、ホームステイ、寮、アパート。それぞれメリット・デメリットがあるので、自分の目的や好みにあった方法を選ぼう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
ホームステイ | 現地の一般家庭の生活が体験でき、ホストファミリーから日常生活を覚えることができる。初めて留学する人や、留学期間が短い人におすすめ。長期での留学を考えている人も、現地での生活に慣れるまではおすすめ。 | 通学に時間と交通費がかかる場合が多い。ホームステイ先のルールに慣れることができないと辛い。守れないとホームステイ先から退去をせまられることも。 |
学生寮 | 通学に時間がかからない。現地の学生や他国の留学生と友達になりやすい。長期の滞在を考えている人におすすめ。 | ルームメイトがいて、騒がしいことが多い。さまざまな生活習慣を持った学生がいるので、トラブルになることもある。部屋数や入寮時期が限られているので、空き部屋がないこともある。 |
アパート | 自分のペースで生活できる。長期間の留学で、現地の生活に慣れてきた人におすすめ。 | 到着後に自分で部屋を探さなければならない。すべての家事を自分でこなさなければならないため、学習時間が削られる。場所によっては通学に時間がかかる。田舎の場合は車が必要となってくることも。 |
留学先の一般家庭に滞在して、一緒に生活するのがホームステイ。ビジネスとして成り立っており、一定の料金(部屋代と食費)を払い、ホストファミリーが部屋と食事を提供する。
ホストファミリーって何?
「白人の夫婦で、子供がいて、ペットを飼っていて…」という家族を想像しがちだが、実際にはさまざまな国から移民を受け入れているため、アジア系やシングルマザーといった家庭もある。ホストファミリーによって留学生を受け入れる目的はさまざま。国際理解のためという家庭もあれば、余っている部屋の有効利用という家庭もある。動機によって留学生との接し方も違ってくるが、多少ドライな関係のほうが長続きする傾向はあるようだ。
ホームステイの生活ってどんな感じ?
1日は、朝起きて自分で朝食を準備することから始まる。朝食はホストファミリーが購入してあるコーンフレークかトーストで、極めてシンプルなことが多い。
通学手段はバスが多く、電車を利用することもある。田舎の学校なら徒歩の場合もある。放課後は図書館に行ったり、友達とショッピングなどを楽しんでから家に帰ることもある。ホストファミリーには家の周りの治安を確認し、何時くらいまでに家に帰るかは伝えておこう。
それぞれの家庭には、夕食やシャワーの時間、電話やインターネットの使い方、門限など簡単なルールがある。ホームステイ先に到着したらホストファミリーから説明があるが、その家庭のルールをしっかりと理解できるまで何度でも確認しよう。よく分からないまま過ごしてしまうことが、ホームステイ先でのトラブルの大きな原因となっている。
ホームステイのメリット・デメリット
一般家庭の一員として、現地生活を体験できるのがメリット。留学生活についてホストファミリーに相談もできる。デメリットは、家庭ごとのルールに従わなければならないので、多少自由が制限される。しっかりとコミュニケーションをとり、自分の意見を伝えることが大切。
学生寮はほとんどの場合大学が直接運営・管理し、原則としてその学校に在学する学生のみが滞在できる。大学付属集中英語コースや私立語学学校で大学のキャンパス内にある場合も、その学生寮を利用できることが多い。
学生寮って何?
施設は、それぞれの部屋(2人部屋が多い)、みんなが集まるラウンジ、トイレやシャワー(フロアごとに共同)、簡単な自炊をするためのキッチン(共同)、洗濯機や乾燥機のあるランドリー(共同)などがある。部屋の中はシンプルで、ベッドと机、クローゼットくらい。
寮は男女共同の場合が多い。ルームメイトは同性だが、同じ建物の中でフロア別に男女に分けている場合や、フロアも男女一緒の場合もある。慣れてしまえば問題ないが、最初は違和感を感じるかもしれない。
学生寮の生活ってどんな感じ?
1日は、カフェテリアで朝食から始まる。午前の授業を受けて、昼食もカフェテリアへ。午後の授業が終わると、宿題や資料調べのために図書館へ。夕食もカフェテリアで済ませ、勉強が終わっていれば寮へ戻り、終わっていなければまた図書館へ。寮に戻ったら友達と話をしたり、テレビを見たりしてから寝るというのが平日の流れ。
現地の学生は、平日は勉強中心の生活となるが週末はよく遊ぶ。寮のラウンジに飲み物や食べ物を持ち寄ってパーティをしたり、映画に出かけたりする。
学生寮のメリット・デメリット
同年代の学生たちとの共同生活のため現地の友人が作りやすく、いろいろなことを話し合う時間も多い。また、大学のキャンパス内にあるため通学に時間がかからず、夜遅くまで図書館で勉強をしてもすぐに帰れるので便利。
しかし共同生活であるため、当然協調性も必要。部屋の掃除方法やその他の細かいこと(音楽のボリューム、静かにする時間)など、しっかりルール作りをしておくことをおすすめする。また週末のパーティも含めて、寮は結構騒がしい所だと覚悟しておいてほしい。
長所も短所もあるが、寮生活を送った人は、総じて楽しい思い出として記憶していることが多いよう。ルームメイトとは今でも交流があるという人も多いため、貴重な友人を得る場として寮を活用してほしい。
海外では一人暮らしよりもアパートや一軒家を何人かでシェアする方法が一般的。自炊をして節約すれば、寮やホームステイよりも安い費用で生活できることもある。
日本のアパートとの違いは?
簡単な家具付きの部屋が多いので、引越しが比較的楽にできる。何人かでシェアする場合が多いので、現地で知り合った友達同士で新たに部屋を借りる場合と、すでに何人かが共同で借りている部屋に後から入る場合がある。日本のように高額な保証金や敷金・礼金を払うことはなく、せいぜい家賃の1~2ヵ月分の保証金を払う程度。
アパート選びのポイント
アパートのメリット・デメリット
自分のペースで生活でき、節約すればいくらでも安く抑えられるのがメリット。デメリットはアパート探しから契約まで何でも自分でやらなければいけないこと。そのためホームステイや寮などを一度経験して海外生活に慣れてから、アパートに移ることをおすすめする。