将来の仕事へつなげるため海外で多くの経験を積みに
日本の大学では、経済学を専攻する新田さん。勉強していく中で、発展途上国が豊かな国になるにはどうすればよいのか?といったテーマを探求する開発経済学に興味を引かれるようになったという。将来はIMF(国際通貨機関)や世界銀行などの国際機関で働きたいと考えた新田さんは、時間のある学生の間に必要となるスキルを身につけようと、留学を決意!英語の習得のほか、多国籍な人たちの交流を通じてさまざまな国の文化や習慣に触れるなどの経験を積むため、カナダのバンクーバーへと飛び立った。
現地では、ILACの一般英語コースを受講。語学学校を選ぶ際には、豊富なコースがあることが決め手になったのだという。 「インターンシップに参加したりして、現地の企業で英語を使いながら仕事をしたいとは考えていましたが、1年間ずっと学校に通うことも含め、いろんな選択肢を残しておきたかったんです。なので、インターンシッププログラムはもちろん、ビジネス英語や履歴書の書き方など、仕事に結びつく授業が充実しているのかも、学校選びのポイントでした」。
入学から3ヵ月後、英語レベルが参加条件である「アドバンス」に達したことを機に、担当のコーディネーターにインターンシップの希望を出す。英語のブラッシュアップをいちばんに考えていたことから細かい条件にはこだわらず、大学の専攻を活かせる経済やマーケティングなどの分野で働きたい意向であることを伝えた。
「数週間後にコーディネーターから、マーケティングの職種で募集があることを聞きました。まずは面接を受けてみて、そのときに会社の雰囲気などが自分に合わないようなら、合否に関わらずに断ってくれてもいいし、また別の会社を紹介できるともいってくれました」。面接では、大学でどんな勉強をしているのか?などの一般的な質問に加え、“3分以内で家族について述べる”というタイプ試験も行われたそうだ。 「不意打ちで緊張し、全然うまく書けませんでした。面接官も、僕の表情からそれを察したのか、今度は“インターンシップをしようと思った理由”のテーマで再度チャンスをくれたんです。英語力とタイピング力を見ていたと思うんですが、予想外で本当に焦りましたね」。面接の結果は、見事合格!今年3月から、インターンシップを開始した。
ワイン関連の会社でインターンシップ
新田さんが勤める「BC wine school」はワインの輸出入やスクールの開講、イベントの開催などを行う会社。新田さんはここでマーケティング業務を担当する。社内で扱う商材の宣伝媒体をWEBサイトや新聞からTwitterやFacebookなどのソーシャルネットワークサービスへ移行することを考えていたタイミングで入社したこともあり、これらを使った広告戦略を任されることに。
「Twitterでの宣伝展開は会社としても初めての試みでしたし、まずは好きにやってみろ!って感じで、最初は試行錯誤の連続でしたね。いきなりワイン教室の案内やイベントの告知をしても、興味を持ってもらえないと思ったので、ワインに関する面白いマメ知識なんかをツイートしてフォロワーを増やすところから始めてみました。まだ、始めて間もないので、大きな効果が表れているわけではないですが、少しずつ反響が見えてきているので今後が楽しみです!同時にFacebookの企業ページも作っていました」。“働いた経験もない、ほかの国から来た学生にいきなりマーケティングの仕事をさせるなんて”と戸惑ったこともあるというが、今は責任のある仕事を任せてくれたことに感謝し、やりがい十分の毎日を送っている様子。妙な上下関係もなく、意見を対等にいい合えるこの会社がとても働きやすいという。新田さんの“海外で働く体験”はまだ始まったばかりだ。
- インターンシップ生を雇っている理由は?
- 私も若い頃にインターンシップでアカウンティングとファイナンシャルの仕事をしたことがあり、社会に出る前にとてもよい経験ができたと思っています。そのお返しの意味でインターシップの学生を雇っているんです。大学でいくらビジネスを学んでも、実社会とはまったく違います。卒業前に社会で実際に働いてみることで、具体的に自分の将来を考えられるでしょう。
- 彼らに期待することは?
- この会社では7ヵ国の国籍の人が働いていて、それぞれが個性を出しています。それはまさに各国のワインのブドウのよう。面接時が若いブドウだとしたら、契約期間がきて去るときは日々いろいろな栄養を吸収した立派なワイン。皆さんにはスポンジの如くたくさんのことを吸収してもらいたい!ここでの経験が将来どこかで役立つと信じています。
- 新田さんの仕事っぷりは?
- とても真面目でいわれたことを黙々とこなし、仕事を最後までキチンとやり遂げる、とてもありがたい存在です。ある意味で典型的な日本人の好青年かもしれませんね。でも難しいかもしれませんが、せっかくカナダにいるのだから、日本人らしさは横において、自分のアイデアを主張したり、北米らしいタフさも身につけてほしいと思っています。
2010年 10月 |
大学2年次を休学し、カナダ・バンクーバーの語学学校International Language Academy of Canada, Vancouver(ILAC)に入学。一般英語のほか、ビジネス英語やTOEFL試験対策コースで学ぶ | 2010年 12月 |
この学校の場合、英語レベルがアドバンス以上でインターンシップに参加可能。レベルがアップして条件をクリアしたことを機にインターンシップの希望を出す | 2011年 3月 |
1社目の希望で決まった、ワイン関連の会社「BC wine school」でインターンシップを開始。マーケティング業務に携わる。午前は語学学校、午後は仕事という毎日を送る | 2011年 4月 |
インターンシップがフルタイムに。7月まで続け、その後は北米旅行を計画中。9月に日本の大学に復学する予定 |
ある1日のスケジュール
出社 | |
この日オフィスに訪れる、顧客のリスト確認 顧客を迎える準備 電話応対 |
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昼食 | |
TwitterやFacebookなどのソーシャルネットワークサービスを使ったマーケティング業務 | |
顧客へのプレゼン資料作成 広告の文章作成 |
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マーケティングに関する戦略会議 | |
保管しているワインのリスト作成、在庫確認 | |
TwitterやFacebookなどのソーシャルネットワークサービスを使ったマーケティング業務 | |
片づけ 帰宅 |
新田さんが参加したプログラム
Study & Internship Program-Professional @International Language Academy of Canada, Vancouver
「語学」:「働く」の期間が1:1のプログラム。まずは上級クラスレベルの語学力をつけ、その後インターンシップをするのが基本の形。期間は8~24週間で金融、観光業、リテイル(仕入/販売)などさまざまな分野で働けるチャンスがある。修了後には企業研究レポートを2週間で作成。費用は3ヵ月CA$7,125など。このほかホスピタリティやリゾート系のインターンシップも可能。