留学成功の秘訣

大学聴講体験者(休学留学)のケース

今月の成功者

-- Photo -- 橋本愛さん(24) 船舶関連の総合商社勤務

愛知県立大学では外国語学部英米学科で学び、語学力には自信があった橋本さん。「1年留学すれば、私も成長して、就職活動も楽勝だわ」と思っていた。それが間違いだと気づいたのは帰国後。就職活動中の様々な挫折を経て、「大切なのは留学経験や語学力ではなく、私が何を考え、どんなふうに生きていきたいかを伝えること」だと気づいた。卒業直前まで粘り強く就職活動を続け、3月に内定獲得。英語での電話やメールのやりとりも多く、「尊敬できる人に囲まれたハッピーな会社」で、楽しく仕事に打ち込んでいる。
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成功のポイント 1.挫折を通じて、自分の将来と真剣に向き合えた2.「新卒で就職」にこだわり、粘り強く活動3.留学で身につけた集中力・論理的志向力が役立った
 
橋本さんのステップアップ

2001年7月 19歳
イギリスで3週間の短期語学留学を体験。「いつかはイギリスに長期留学を」と決意する。
2003年4月 21歳
愛知県立大学の3年生を修了したところで1年間休学し、イギリスの Warwick 大学に留学。専攻は社会学。寮暮らしをしながら、楽しい日々を過ごす。
2004年3月 22歳
帰国後すぐに就職活動に突入。4月には第一志望である国際協力関連の仕事での選考が始まるが、最終面接で落ちてしまい、自信をなくす。
2004年9月 22歳
秋採用を狙って就職活動を続けるが、なかなか結果が出ない。苦しみながらもまだ「何とかなる」と信じていた。
2005年1月 23歳
将来について両親と大ゲンカ。「何がやりたいの!」と問われ、初めて自分の甘さに気づき、改めて真剣に将来について考え始める。
2005年2月 23歳
就職サイトを通じて「説明会参加」のメールをもらった企業に、背水の陣で挑む。3月に内定獲得。現在は物流・海外チームで奮闘中。
落ち込みながらも粘り強く活動すれば、いつか必ず「この1社」に出会えると思います
1年間の学生生活をめいっぱい楽しんで、世界各国に友人を作ることができました!

「1年間なら、胸を張って『留学してきました』と言えるだろう」と考えた橋本さんは、「4月から8月までは語学学校で学び、新学期が始まる9月から3月までの半年は大学の授業が聴講できる」という1年間の留学プログラムを選んだ。「ともかく1年間の留学を終えたら、語学力も国際性も身につき、すごく成長できるだろうと思っていました。帰国後に就職活動を頑張れば、楽勝で世界に羽ばたける仕事に就けるだろうって。今考えるとホントに甘い考えですよね」

4月に渡英し、最初の3ヵ月はWarwick 大学内にある語学学校で英語の基礎を学ぶことになるが、留学前からTOEIC800点の実力があった彼女は、余裕のスタートだった。しかし、夏休みに入ると、9月からの大学生活に備えて、プレゼンテーションのやり方やエッセイの書き方をみっちり学ぶハードな日々に変わる。「夏からの勉強はホントに大変でした。学校行く前に勉強して、帰ってきてからは宿題に取り組んで。でも、楽しいんですよ。何が楽しいって、『私、イギリスに住んでるんだ!』っていう実感。例えば、天気がいい日にレンガ造りの寮から学校に行く時。寮の共有キッチンで、外国人の友だちと昼休みに食べるサンドイッチを作っている時。『ああ、イギリスにいるんだなあ』って心が弾んでくるんです」

9月からはWarwick 大学で社会学専攻の生徒となり、新1年生と一緒に授業を聴講する。みんなでディスカッションを交わす授業も多く、そのためには辞書よりもぶ厚い文献を読み込む必要がある。苦労しながらも、彼女はそこで様々な自己発見をする。「英語力には自信があったのに、ディスカッションが始まると、何も発言できない“お客さん状態”になってしまう。自分は思っていた以上にシャイなのかなあとか自己嫌悪に陥りましたね。反面、自分では信じられないぐらい勉強に集中できた時もあったんです。エッセイの提出前は、朝の8時半から10時間以上ぶっ続けで、それこそランチも5分ですませる感じでパソコンに向かっていました。そんな自分が『すごいなあ』って(笑)」。でも、一番の思い出は世界各国に友だちができたこと。「家族だと思えるほどに心が通じ合う仲間ができました。日本人の友人はもちろん、イギリスや中国の友人がたくさんできました。留学生をケアしてくれるスタッフの方もみなさん優しい方ばかりで。多くの人との出会いは、一番胸に残っているし、私の財産です」

1月になると、橋本さんと同じ立場、つまり「帰国後は就職活動」という友人達が、情報収集やエントリーシート提出などで動き始める。彼女にも「動かなきゃ」という意識はあった。でも動かなかった。「今から思うと、なぜあの時にみんなと一緒に頑張らなかったんだろうと不思議です。『関係ないわ』と涼しい顔をしているのは間違っていた。少なくともここで就活の波に乗っていれば、いくつかのチャンスを逃さずにすんだのにって反省しているんです」

 

3月に帰国した翌日、橋本さんはリクルートスーツを買いに行き、合同説明会に参加するなど、就職活動を始める。第一志望は国際協力関連会社。でも、最終面接で玉砕し、彼女が言うところの「落ちるところまで落ちた暗い日々」が始まるのだ。「甘かったんです。会社選びも『外国に事務所がある』とか『国際部なら良さそう』とかそんな感じ。しかも『自己PRは留学経験を話せばいい』と思っていた。要するに、企業研究も自己分析もしないまま、『何とかなるわ』という気持ちだったんです。しかもうまくいかないから、気持ちはどんどん暗くなり、面接を受けても結果は出ない。典型的な悪循環です」

そんな彼女に喝を入れてくれたのが、家族だった。「年が明けた4年生の1月、日頃は口うるさくない母と大ゲンカしたんです。『あんたはいったい、何がやりたいの!』『わかんない』。そんなやりとりで私、初めて目が覚めました。自分の将来をもっと真剣に考えて、できる限りのことはしなきゃって思うようになったんです」

そこから大学の就職課、無料の就職斡旋会社に行き、就職サイトや就職媒体もこまめにチェック。「もうダメかも・・・」と諦めたかけた時に、内定先となる企業から就職サイトを通じ説明会の案内がメールで飛び込んできた。「説明会に参加した瞬間、本能で『私、ここに入る』って思いました。だから、選考会での作文は気合を入れましたね。私のことを少しでもわかってもらえるように、今までどんなことを考えてきて、これからどんなふうに生きていきたいか、そしてそんな私があるのは家族や友人のお蔭だから、感謝の気持ちを忘れずにいたいこと、そんなことを素直に書いたんです。きちんと伝えられたのは、やっぱり就職で挫折に負けそうになりながらも、将来や自分自身について、じっくり考えてきたからだと思います。あと、留学時代にライティングが鍛えられたことで、論理的思考力や課題に取り組む集中力が磨かれたんだとも感じました」

最後に、これから留学する人へ、橋本さんからのアドバイス。「就職活動に出遅れはしましたが、あえて言いたいのは、就職のことを心配しすぎて、学生生活を満喫できないのはもったいないということ。とりあえず、その土地でしか学べないこと、経験できないことがあるので、『留学している今』を楽しんでほしい。少なくとも私は1年間をめいっぱい楽しんで、友人もたくさん作ることができましたから。ただし、外国でも就職に関する情報収集はできるので、そこは怠らないようにね」



キャリアカウンセラーが分析

  今回の取材を通して一番伝わってきたことは、『現在の橋本さんからは笑顔が絶えない』ということです。今の職場に納得、満足されている様子が、その表情や言葉から強く伝わってきました。尊敬できる上司や先輩、同僚、留学で培われた英語や経験を試せる機会をいきいきと話してくれました。

橋本さんの就職活動を通しての一般的な成功へのポイント(経験から学ぶこと)ということであれば、むしろ、失敗談から『1.事前の情報収集のタイミング。海外からでも情報収集は可能』、『2.可能性の幅を最初から絞り過ぎない(複数の内定を獲得しても構わない)。』などを挙げるべきなのかもしれません。しかし、周囲と比較して早いタイミングで内定を獲得することが成功かといえば疑問も残ります。また、いくら事前に情報収集や念入りに計画を立てたとしても、必ず納得のいく就職に辿りつくとも限りません。

体験談にあるように、5月以降の就職活動ではかなり苦労をされたようです。人気の高い国際協力機関で最終面接まで順調に進んでいたため、内定が出ていた企業も断ってしまっていたそうです。最終面接で落ちてしまった時には募集している企業も減ってくるし、周りの同級生もどんどん内定が決まっている。やりたいこともわからなくなる・・・。出だしが順調に思えただけに、その後の就職活動は辛かったことでしょう。

橋本さんとの対談の中で印象的なのは、年が明けてお母様と大喧嘩した時のエピソード。それを転機に、派遣の仕事でも何でも、とにかく4月から社会に出て働くことにこだわって動き始めたそうです。

就業未経験の方とカウンセリングをしていると「自分のやりたいこと」にこだわりすぎて可能性を狭めてしまい、結果的にチャンスを逃してしまっているケースが多いように感じられます。真剣に就職活動をしているつもりでも、人気企業や業種であれば20社くらい続けて落ちてしまうことも珍しくありません。そんな時に、落ち込んだり迷いを感じたら、ぜひ、5年後、10年後といった、もう少し先のキャリアに目を向けて選択肢の幅を広げてみてください。変化の激しい現代では転職を視野に入れた就職を考えるのは当然のことと言えます。留学経験は人生において必ずプラスになります。ただし、社会経験がないのであれば、まずは社会に出ることも、留学経験以上に人生のプラスになります。社会に出て、目の前の与えられた仕事に真剣に取り組むことで実感として理解できる「適性」や「将来やりたいこと」の方が多いはずです。

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