東京大学卒業後に大手エンジニアリング会社に就職。そこで、プロジェクトマネジメント(PM)のキャリアをつけたいと思うようになる。5年目に退職し、PMの本場であるアメリカ留学を実現。ワシントンDCのGeorge Washington University の大学院修士課程で2年間学んだ。留学中は、1年生の春から就職活動を開始。2年生に進級する前の夏休みに帰国し、会社訪問や試験を受験。3社から内定をもらい、念願のコンサルティング会社に就職を決めた。
留学先は、PMを学ぶには定評のあるGeorge Washington UniversityのProject Managementの修士コース に決めた。1学期は「日本で頑張っている仲間に負けない」というモチベーションもあり、かなり根を詰めて勉強したそうだ。「修行僧のようでしたね(笑)。ビジネススクールの中のクラスだったので、授業は夕方の4時とか夜の8時に始まるんです。だから、朝起きたら近所のスターバックスでブランチを食べながらテキストを読み、それから図書館に直行。授業が終わったらまた図書館で勉強して、深夜に家に帰る。遅い夕食は、メニューを考えるのが面倒臭いからずーっとパスタ(笑)」。でも、余裕が出てくると、ライフスタイルも変わってきた。「2学期になると、『これぐらいのペースがいいんだな』とわかってきて、いろんなことに目が向けられるようになったんです。やっぱり勉強だけじゃ心身ともにもたないし、もったいない。みんなでキャンプに行ったり、学生協会の活動をしたり、ワシントンDCという土地柄、無料の公開セミナーもたくさん開かれているので、午前中はそれに参加したり。面白そうだなと思った世界には、どんどん飛び込んでいくようになりました」
これまで、このコーナーでは留学前の職務経験が無い方や浅い方(新卒・第二新卒と言われる層の方)の体験談を多くご紹介してきましたが、林さんの事例は社会人の方の『目的が明確な留学・転職のケース』として参考にしていただけると思います。
本文の中で林さんの学ばれた『プロジェクト・マネジメント(PM)』については詳しく触れていませんが、留学や、就職・転職活動といったキャリア構築も、実はPMの手法に置き換えて考えることができます。PMの事実上の世界標準となっているフレームワークにPMBOK(ピンボック Project Management Body of Knowledge )というものがあります。これは効率よく確実に目的を遂行するための9つの要素から構成されています。