留学成功の秘訣

語学留学体験者のケース

今月の成功者

-- Photo -- 大坪 善明さん(26歳)

2006年の秋まで在籍していたKDDI EUROPEでは、ロンドンに滞在していた1年の間にビジネス、プライベートを併せて30ヵ国を訪れたという大坪さん。彼の海外に対する強い憧れとこだわりの原点は、高校2年の時の家族でのアメリカ旅行だという。ケネディ宇宙センターで本物のスペースシャトルを見上げた時の興奮は忘れられないそう。大学時代には夏休みや春休みを利用して、5回の短期留学やホームステイプログラムに参加。『海外で働きたい』という強い思いを持ち続けた大坪さんの就職活動から海外勤務までのプロセスと、夢を実現させる成功の秘訣を伺った。
↓
成功のポイント
 
大坪さんのステップアップ

1999年4月
東京理科大学理工学部情報科学科 入学
量子コンピュータや暗号化技術について学ぶ。
1999年8月
大学1年生。ボストン語学学校で語学研修
初めて一人で海外に。『希望を伝えなければやってくれないが、
伝えればやってくれるんだ』ということに気づく。
2000年8月
大学2年生。東京理科大学提携校(ポートランド州立大学)にて
語学研修。生徒は日本人だけだが、チューターは地元の大学生。
アクティビティなどで積極的に交流する。
2001年3月
大学2年生。カリフォルニアホームステイプログラムに参加
地元の小学校で日本の文化を伝えたり、ホストファミリーと名所などを訪れて文化交流。
2001年8月
大学3年生。UCLAのプラクティカルイングリッシュプログラムに留学。英語力アップを目的に語学留学。
2002年1月
就職活動開始。海外の大学院を目指していたが、試験は4年生の12月だったため、並行して就職活動を行う。大手の外資系企業を中心に面接 を受けるが、日本法人は『偉くないと海外には行けない』と言われ、活動を見直す。海外に拠点のある日系の企業で、当時、興味のあった携帯 電話会社を受ける。
2002年8月
大学4年生。『英語を使って』学びたい、との思いでUCLA のサマーセッションプログラムを受講。会計学を学ぶ。
2003年4月
KDDI株式会社入社。ソリューション部 配属
2005年10月
KDDI EUROPE 配属
念願の海外勤務。ロンドンに滞在し、ヨーロッパ30ヵ国を訪問。
2006年10月
帰国。ネットワークソリューション国際営業本部に配属
外資系企業などを担当。
海外に行けないと意味がない!
『新しいサービスを作って、自分で海外に売りたい』

大坪さんの家庭では、大坪さんが中学の頃にホストファミリーとして外国人の学生を受け入れていたり、家族旅行でアジアに行ったりと、『海外』に触れる機会は少なくなかったという。しかし、海外に強い関心を持つようになったのは、高校2年生の時の、家族でのアメリカ旅行がきっかけだそうだ。「ケネディ宇宙センターで、本物のスペースシャトルを間近で見上げたんですよ。ちょうど、打ち上げの直前でニュースにもなっていたから、これが宇宙に飛び立っていく本物かって、すごく興奮しました。ものすごくでかいんですよ。ツアーバスの中で英語の解説が流れていて、父親に訳してもらいながら聞いたのを覚えています。そのでかいロケットを格納庫から運ぶのに、1時間に何センチという緻密な作業をするらしいんですが、その下に敷かれている砂も、どこか、決まった場所の砂じゃないとダメらしくて、そんな話にも、ものすごくワクワクしました」。アメリカでは、レディーファーストの文化や料理の量にも驚いたと言う。大坪さんにとって初めてのアメリカは、まさにすべてが異文化で、未知の世界。最先端技術のスケール感と、クールでスマートな別世界が与えた衝撃はさぞ大きかったのだろう。

それ以来、大坪さんのアメリカへの想いは募る。大学に入学してからは、夏休みや春休みを利用して短期留学やホームステイのプログラムに参加した。初めて一人で海外に行ったのは大学1年生の夏休み。ホームステイをしながら1ヵ月ほど語学学校に通った。「最初の1週間くらいは戸惑いました。でも、『ちゃんと伝えれば、やってくれるんだ』ってことがわかってからは上手くいきました。初めての留学で得たのはこれが一番大きかったと思います」。その後も、大学提携校のプログラムやホームステイプログラムに参加し、異文化体験を楽しんだ。

しかし、ある時、ふと思ったそうだ。「『あれ?こんなに海外に行っているのに、現地の友人が少ない』って(笑)。これまで僕が参加したのは日本人向けのクラスがほとんどだったんです。行ったことのない場所を訪れて見たり聞いたりしたのはすごくいい経験をしたと思ったけれど、今度は、『英語を』学ぶのではなくて、『英語で』学びたいって思ったんです」。そこで大坪さんが選んだのがUCLAのエクステンションプログラムだ。「会計学のコースを取りました。いろんな国籍のクラスメイトと英語で授業を受けたり、プレゼンをしたり、大変だったけれど達成感がありました」。寮に滞在したことで、授業だけでは図れないコミュニケーションをとることもできた。それぞれの国の習慣や価値観の違いに気づく機会にもなり、これは後の海外勤務に役立ったという。

帰国後、日本では就職活動の時期。理系の大坪さんは、大学院への進学を考えていた。アメリカにこだわっている大坪さんは、『進学するならアメリカの大学院』と決めていたそうだ。「ただ、海外の大学院の入学試験は4年生の12月だったんですよ。日本の就職活動は3年生の秋からスタートしているから、進学するにしても、一応、就職活動はしておこうと思って、外資系の企業を中心に回っていました。海外に行けないと意味がないと思っていましたから(笑)」。ところが、説明会や面接で海外勤務の可能性を聞いてみると「偉くならないと行けないよ」という答えが。「じゃあ、行けるのはどこだろう?って、考え直しました。僕は『新しいもの好き』で、当時も携帯電話関連の会社が新しい機能やコンテンツをたくさんリリースしていたから、それに興味があったんです。『海外』+『好きなもの(新しいもの)』で考えた時に、国外に拠点のある携帯会社はどこだろうと考えだしました」

 

『新しいものが好き』だと言う大坪さん。実は、学生時代に自ら新しいサービスを作った実績がある。「大学2年の時に、『ショッピングモールの検索サイト』を作ったんです。当時はまだウェブサイトを作れる人も少なかった時代だから、ウェブサイトの作成代行とかでもちょっとしたお小遣い稼ぎになったんですよ。検索サイトの方は、今は閉鎖しちゃっていますが、アフェリエイトにしたら、毎月50万か60万円くらいにはなったんです。そのお金で留学しました」。その他にも、契約書の翻訳(下訳)のバイトや、携帯電話のコンテンツを学生で企画するバイトもやっていたそうだ。就職活動の時には、留学で得られた経験や、これらの経験を応募企業に合わせてアピールした。

大学院に進学せずにKDDIに決めたのは、『入社3年目くらいで海外勤務の可能性がある』と聞いたからだそうだ。「内定をもらって、3年目で海外勤務できる可能性があるのなら、2年大学院に行かなくてもいいかな、と。後は、KDDIの人事の人が名前をよく覚えていてくれて、すごく感じがよかったんですよ。外資系はドライな感じがしましたね(笑)」

ただ、就職活動の時に海外勤務の可能性を提示されたからといって、確実に行けるとは限らないだろう。では、どうやって念願の海外勤務の夢を叶えたのだろうか?「ずっと、海外に行きたいって周囲に言っていました。パソコンのスクリーンセーバーも海外の写真とかにして(笑)」。笑いながらそう答えてくれたが、もちろんそれだけではない。「学生時代にサイトを作ったりした経験は、よい経験にはなりましたが、『一人でできることには限界がある』と感じたんです。だから大きな会社に入ろうと。でも、元来、黙々と何かに集中してしまう方だから、入社1年目は組織で仕事をすることに苦労したこともありました。でも、理系気質なんでしょうか、『分析グセ』があるんです(笑)。上手くいかないなと思ったら、何がいけないのか考える。で、やってみる。コミュニケーション力をアップするためにコーチングを受講して、現場で実践してみたり。これは、すごくよかったです」。実際には海外勤務の希望者の募集があった時に、応募して試験を受けたそうだが、もちろん周囲の理解は必要だ。3年後の海外勤務の希望を常に頭におきながら、日々の仕事も楽しんでいる姿勢が評価されたようだ。

1年間のロンドン勤務を経て帰国し、現在は主に国内の外資系企業を担当している大坪さんにメッセージをいただいた。「とにかく、やりたいことをやるってことでしょうか。言うのとやるのは違う。行動して五感で感じることが大事だと思います。そして、どう感じたか、それを踏まえてまた行動に移すことも」

やりたいことを着実に実現している大坪さん。『新しいサービスを作り、自ら海外に売る』という夢を実現する日も近いだろう。



キャリアカウンセラーが分析

  『英語をツールとして学んだ』経験や、ニュースではない生の声を世界各地の友達から聞けること。元々、人見知りする性格だったという大坪さんは、これらの経験は就職活動の際に大きな自信になったと言います。例えば、当時、香港ではKDDIという名前はあまり知られていなかった、『香港の友達の○○が言っていた』という現地の生の情報は説得力があって、人事の方も興味を持ってくれたんじゃないかと思います」。大坪さんの体験談を読まれた方は、在学中に何度も留学していたり、『学生起業』のような経験をしていたりする彼は特別スゴイ人だと感じた方もいらっしゃるかもしれません。確かに、採用する立場から見ても、新しいサービスを作り、収益を上げた実績は興味を持つエピソードです。しかし、実際にはご本人がおっしゃっているとおり、『好きなこと、やりたいことを突き詰めてやった』ことが結果に繋がったに過ぎません。

キャリアセミナーや個別のカウンセリングの際に、「自己分析や企業への応募には、『やりたい』だけではなく、『できる』と『やってきた』を3点セットでアピールすることが大切」と、繰り返しお話ししています。しかし、就職活動で初めて自己分析をする時に、『できる』や『やってきた』が思い浮かばない、と壁に当ってご相談にいらっしゃる方が多いのも事実です。今回の取材で改めて感じたのは、『好き!やりたい!』というモチベーションの重要性です。大坪さんも就職活動の際には、やってきた事(経験)や、できる事(実績)をきちんとアピールしたことでしょう。では、大坪さんが、KDDIに入社する事を意識してショッピングモールの検索サイトを立ちあげたのかと言えば、決してそうではありません。海外への強い想いも、間近で見上げたスペースシャトルの興奮がきっかけでしょう。『やりたい』がきっかけとなって、行動し、体感したことや体験した結果が『やってきた』と『できる』をたくさん生み出してきたのです。アピールする時も、『海外勤務の可能性があり、新しいことができそうなKDDI』という企業を見つけた瞬間、『KDDIにアピールするための』ありとあらゆるネタ(=経験と実績と熱意)が、恋に落ちた時のように自ずと引っ張り出されたに違いありません。もちろん、彼の夢を実現する方法が別にあり、それが他の企業であれば、その企業に対しての別のネタを記憶から引きずり出し、総動員してアピールしたことでしょう。

『好きなことを軸』に『行動をする』。大坪さんから伺ったお話は、たまたま同時期に取材をした、現在話題のテーマパーク、『キッザニア』の住谷社長のお話と重なります。夢を手に入れるための真理なのかもしれません。住谷社長のお話は2007年2月と3月に連続して、『キャリアの達人に聞く』でご紹介しますので併せてご覧ください。

最後に大坪さんとお話ししていていくつか印象に残っている言葉をご紹介します。「(中学・高校と)周りには優秀な友達がいっぱいいたから、同じことをやっても絶対に勝てないと思ったんです。だったら、他の人がやっていないようなことで勝負をする。これは今も変わりません」「要領がよくないので、時間がかかるんです。試験とかも合格までに何回か受けなおしました」「仕事は、Noとは言わないポリシーでやっています。こういうやり方ではできないけど、ここまでならできますと言う風に」

自分を含めた情況を冷静に把握して、前向きに工夫する点が周囲からも評価され夢を掴む成功の秘訣かもしれません。

留学ジャーナルはココが違う!

1.40年以上の実績

あらゆる解決策を知り尽くした経験豊富なカウンセラーがお一人おひとりベストな留学をプランニング。

2.確かな情報力

1983年創刊「留学ジャーナル」は、日本で最も歴史のある留学情報誌。確かな情報のみをお届けします。

3.強力なネットワーク

UCLAやコロンビア大学など、海外の数多くの教育機関や、各国大使館との協力関係で帰国後までサポート。

留学ジャーナルカウンセリングセンター

  • 東京
  • 大阪
  • 名古屋
  • 福岡
  • 岡山

【フリーコール】0120-890-987

  • カウンセリングのご予約やメールでのご相談はこちらから 無料留学相談
  • 資料のご請求はこちら ご希望の資料を無料でお届けします
留学ジャーナルモノになる留学へ。
就職成功の秘訣 file21の紹介ページです。
短期留学や語学留学はもちろん、ワーキングホリデー、大学留学、大学院留学まで幅広くご紹介している留学ジャーナルが、皆さんの海外留学への思いをカタチに変えます。海外留学の実現は、留学ジャーナルで!