留学成功の秘訣

大学留学体験者のケース

今月の成功者

-- Photo -- 吉川はづきさん(27)

 テクノジム・ジャパン株式会社 マーケティンググループ

高校を卒業して留学した最初の大学で経験した試練。自ら転機を作ってその試練を克服した吉川さん。休学中の専門学校や、編入先の大学で学んだコミュニケーション学。数社の転職経験を経て、現在外資系企業のマーケティング部門で活躍している吉川さんに留学・転職を通しての転機とチャンスを掴む成功のポイントを伺った。
↓
成功のポイント
 
吉川さんのステップアップ

1998年3月
カリフォルニア州にあるレッドランズ大学の語学学校に入学。
1998年8月
同大学の(General Education)一般教養コース入学。
1999年12月
同大学を休学。
2000年1月
休学期間を利用し航空関連の専門学校International Air Academy入学。
2000年5月
同コース修了。
2000年8月
コンコーディア大学に編入。コミュニケーション学を専攻。
2002年12月
同大学卒業。
2003年3月
現地でのアパートや自動車の手続きを終え帰国。
大学で勉強したことを活かしたいとマスコミ業界、PRコンサルタント、 広告代理店に絞って就職活動。実家の栃木に滞在しながら、PR協会などのHPに掲載されている企業に片っ端からコンタクトを取る。雇用条件よりも仕事内容を重視し、正社員にこだわらず10社ほどに履歴書を送る。
2003年7月
外資系PR会社から、東京勤務を条件にアルバイトとして入社。上京。
2003年12月
スポーツ専門のCSTV局に転職。マーケティング部販売促進グループにて、新聞社やスポーツ専門雑誌への番組表の配信、テレビガイド誌の校正、番組宣伝用の素材提供の件で野球・サッカーをはじめとしたプロスポーツ団体とのやり取りを行う。
2005年10月
CRMパッケージソフト開発・販売・導入コンサルティング会社に転職。
ここでは、販売促進の大規模イベントへの参画や、Webアクセス解析や、SEM対策・分析などを行う。
2006年10月
イタリアに本社を構えるフィットネスマシンメーカー、テクノジム・ジャパン(株)に入社。マーケティンググループに配属。本社からの情報(英文)を日本向けにリリースしたり、販売促進のために日本のマーケットについて本社にフィードバックを行うなど活躍中。
『自分を見失った時期。』?? あの時を乗り越えた経験があるからこそ今の私がいる。
頑張ってもダメなときもある。そんな時も小さな目標を作って自分の意志を強く持ち続けることが大切だと思います。

メーカーのエンジニアで海外勤務の多かった父を持つ吉川さんにとって、海外に進学するこ とはそれほど特別なことではなかったようだ。「父が海外から買ってくる珍しいおみやげに興味をもったり、田舎で育ったこともあって外の世界を見てみたいという気持ちが強かったですね」。高校1年生の夏休みにはひとりでサンフランシスコに語学留学する。進学するための大学を自分の目で探すためだ。高校でのクラスもあえて、理系クラスを選ぶ。「留学を希望する人は英語が好きという人が多いようですが、私は英語が苦手だったんです。今でも、あまり得意ではありません(笑)。英語は私にとって海外に出る(留学する)機会を得る手段でしかありませんでした」。吉川さんはこうして、着実に準備を進め、3月に渡米する。

検討した結果、ロサンゼルスの学校を進学先に選んだ吉川さんだったが、留学して1年半ほどは、大変な苦労をしたという。「あの頃は自分を見失っていた時期でしたね(笑)」と当時を振り返り冷静に分析する。「ただでさえ、英語に苦手意識を持っていた私は、劣等感を感じてしまい、発音や言葉の使い方など細かなことを指摘されるたびにとても傷つきました(笑)。英語での授業についていくのもやっとの中で、人間関係にもかなりナーバスになっていました。しかも周囲は車を持っていないと何もできないようなロケーション。息抜きのために外に出ることもできず、本当にきつかったですね。英語力だけでなく精神的にかなりまいっていました」。泣きながら日本に電話したことも何度もあったそうだ。途中で帰国しようとは思わなかったのだろうか?「大学を卒業しないまま帰ることのリスクも考えました。あとは、やはり決めたことだから途中であきらめたくなかったんです」。絶対に卒業する、絶対にこのままで終わりたくないという強い意志があったそうだ。

吉川さんは、自分を見つめ直すためにいったんレッドランズ大学を休学し、治安のよいアーバインの街に引っ越し環境を変える。そして、「とりあえず、好きなことをやってみなさい」という両親の励ましもあり、興味のあった航空関連の専門学校に通う。気持ちを決めたあとの吉川さんの行動は早かった。1ヵ月の間に、引っ越しから専門学校選び、情報収集から手続き、入学までをすませ、新生活をスタートさせる。実際に足を運び、対応の良さなどで選んだInternational Air Academy はアメリカでは就職率がほぼ100%という専門学校だったが、就職を目的に選んだわけではなかったそうだ。「いったんは休学しましたが、復学(編入)したら、専攻も決める必要があったので、好きなことを学ぶことで何かヒントがあると思ったんです」

こうして環境を変えたことが大きな転機となった。住環境もよく、近所の人も親切。専門学校では日本人は吉川さんひとりだったが、就職を目的に真剣に学んでいる人が多く、「皆で卒業」というクラスの団結のようなものが感じられ、積極的に授業に参加し楽しんだという。

元々、『自分探し』の目的で入った学校だったが、チケッティングやホスピタリティの授業が楽しかったことで、『人と接する』『コミュニケーション』というキーワードで休学後の進路を考えはじめる。気持ちにゆとりが出てきたことで、日本に一時帰国した時に、参加した手話のボランティアにやりがいを感じたことを思い出したり、自分の関心や適性を見つめ直す時間が持てた。レッドランズ大学に戻るか、他の学校に編入するかを検討していた時にアーバインにあるコンコーディア大学にコミュニケーション学科という専攻があるのを見つけ編入を決めた。

 

ここでは、映画、音楽、広告、広報(メディアへのプレスリリース)や、心理学的な要素も含む“Interpersonal Communication”(対人コミュニケーション)まで幅広く学ぶことができる。グループワークも多く実践的で毎日が楽しかったという。苦手な英語を人前で話す機会が多いコミュニケーション学科にあえて挑戦して卒業できたことも、達成感と自信につながったようだ。

3月に帰国した吉川さんは、実家の栃木に滞在しながら就職活動を開始する。『マスコミ』『PRコンサルタント』『広告代理店』に絞って、正社員だけではなくアルバイトや派遣にも幅を広げて、業界にこだわって活動した。「雇用形態ではなく、とにかく大学で学んだことが活かせそうな仕事内容にこだわりました。PR協会のホームページで調べて、興味のある会社には求人のあるなしに関係なく、片っ端から履歴書を郵送しました。10社くらいに送ったでしょうか?その中から外資系のPRコンサルタントの会社から返答があり、東京勤務を条件にアルバイトで働くことになりました」。吉川さんの希望する業界はどうしても都内に集中する。こうして、まずは都内に上京し、足場を固める。

1社目の会社では大手の外資系企業の広報資料の翻訳やクリッピングなどの実務を経験し、半年ほどで2社目の会社に転職する。2社目の会社は国内外のスポーツ番組を制作するCS放送局。ここでの1年半は、多忙を極めるが、任されることも多かった。プロ野球球団や、Jリーグの広報部とのやり取りのほか、新聞社や雑誌社との交渉経験を通じ大きく成長した時期だったという。その後、会社の事業統合などを機に退社。現在の会社に入社するまでにはもう1社CRMパッケージソフトの開発・導入コンサル会社に勤務している。それまでの会社での販売促進やマーケティングの実務経験を活かし、この会社では、さらにイベントの企画運営や、Webのアクセス解析などを担当し、集客や問い合わせ数を伸ばし評価された。しかし、ソフトウェアという商品自体になかなか興味を持てず転職を決意したという。「ここの勤務は10ヵ月程度だったのですが『何か実績を残すまで辞めたくない』という強い気持ちがありました。担当した大規模イベントで、会場内の集客率がよく、新聞社から取材を受けたことで消化感を得られたため転職を決意しました」

アルバイトも含めて4社目になる現在の会社はイタリアのフィットネスマシンメーカー。 ヨーロッパでは知らない人はいないほど有名で、F1や、プロサッカーチームでも使用されている。この会社で、吉川さんはマーケティンググループに配属になり、イタリア本社からデータを集め日本国内向けに発信したり、Webでのe-learningコース(フィットネストレーナー教育)の翻訳や運営などを担当している。入社2週間目でひとりでイタリア出張し、ドイツ、スペイン、アメリカ、中国など各国のトレーニングマネージャー会議にも日本を代表する形で参加したそうだ。

「マーケティング、PRをやりたいと希望し転職しましたが、結果的にこれまで数社で経験してきた実務経験が全て活かせるんです。『スポーツ業界での仕事の繋がり』や、e-learningやHP管理を担当する際の『Web解析』、ショールームや展示会を考える時にも『イベントの企画運営』を経験していることが役に立ちます」。移転したばかりの新しいオフィスには商品であるフィットネス器機のショールームも併設されている。イタリア製の洗練されたデザイン。丸いフォルムは、インテリアのようだ。入社してまだ半年経たないが、既に自社商品への愛情(=ブランド意識)を感じ、それを広めていく仕事にやりがいを感じているそうだ。

紆余曲折を果て、納得のいく仕事にたどり着いた吉川さん。これから留学をする人にアドバイスをいただいた。「何のために留学するのか目標をもって欲しいと思います。留学は苦しくて当たり前。でも目標があれば乗り越えられるはず。気持ちを切り替えるための時間をとったり、目標を修正することも必要ですが目標があれば『ここで終わるわけにはいかない』という気持ちを思い出せるはず。あとは、できれば、『英語が好き』なだけではなく、英語以外に好きなことを持っているといいと思います。料理でも、車でも、音楽でもダンスでもファッションでも。何でもいいから、英語以外で自分が話題にできるものを持っていると海外で興味を拡げることもできるし、コミュニケーションのきっかけをつかめます」



キャリアカウンセラーが分析

  帰国後4年経ち、マーケティングのお仕事で活躍されている吉川さんに初めてお会いしたのは留学ジャーナルで定期的に開催しているOB会の懇親会の席でした。改めて取材をお願いし、留学のきっかけから現在に至るまで10年近くを振り返っていただきました。第一印象は清楚で、どちらかというとおとなしい方なのかと思いましたが、留学時代や転職のプロセスを詳しくお聞きするとイメージが一変しました。バイタリティにあふれ、大変な努力家です。現在のお仕事に就かれるまでの道のりも決して平坦ではなかったようですが、困難な情況のたびに、それらをチャンスに変えてきた吉川さんの強みは上で述べた3つのポイントに他なりません。

1つ目の『目標設定力』ですが、吉川さんは長期的な目標設定だけでなく、わかりやすい短期的(身近な)な目標設定も上手な方です。例えば、『絶対に(海外の大学を)卒業する』というのが、留学当初4年?5年先の目標だとすると、その一方で『授業でわからない箇所を毎日教授に聞きに行く』という結果の出やすい目標を課し、実行しました。留学中に身につけた習慣は仕事をする際にも再現されていたようです。スポーツCS放送局のマーケティング部宣伝販促グループにいた時には「絶対、表紙の枠を押さえると思って頑張っていました」とおっしゃっていましたし、ソフトウェアのパッケージの販促の仕事も「イベントでの集客一番を目指していました」とおっしゃっていました。無意識に出てきた言葉かもしれませんが、これらの目標は、きっと会社から与えられた目標ではなく、吉川さん自らが設定して張り合いにしていた目標に違いありません。

また、リサーチ(情報収集)と、その後の行動力も吉川さんの特徴のひとつと言えます。高校の時に、現地視察するためにひとりで渡米したり、留学先で打ちひしがれていた時にも1ヵ月の間に、引っ越しと並行して5?6校の専門学校を自分の目で確かめてまわりました。この行動力は、就職活動、転職活動の時も特徴として活かされています。困難な時に、『深刻』になってしまうのではなく、『真剣』で前向きな行動が結果を出してきたようです。

そして、これらの2つのポイントである『目標』『行動』を継続させたのが3つ目のポイントとして挙げた『強い意志』といえます。それぞれのエピソードをうかがいながら「途中で諦めようと思いませんでしたか?」「なぜ、そんなに頑張れたんですか?」と質問するような場が何度もありました。その答えに共通していたのは「ここで終わりたくない。自分から絶対逃げちゃダメだと思ったんです」という言葉でした。そうした姿勢で頑張っていると、不思議と理解者が現れるのだそうです。もちろん、それを期待して頑張っていたわけではありませんが、今こうして約10年の歳月を振り返り、転機の都度、支えてくれた人達の顔を思い浮かべているようでした。

『キャリアの築き方』は人それぞれ。正解はありません。編入、転職などが多い方は、それだけ多くの人に関わってきているということになります。そのポイントポイントで真剣に頑張ってきたことは、その時にはわからなくても、期せずして繋がっていくものです。10年後をイメージするのは難しくても、こうして10年を振り返ると、一つひとつの出会いや経験が繋がっています。吉川さんは今、そのことを確信してますます活躍されていかれることでしょう。

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