留学成功の秘訣

専門留学体験者のケース

今月の成功者

-- Photo -- 近藤佳菜子さん(30歳) 専門商社勤務 貿易事務

病棟クラークとして働いていた近藤さん。日頃注射器やカテーテルの在庫管理をしており、外国製のパッケージを目にすることも多かったという。『ストレス解消のために好きなことを!』と英会話スクールに通い始めた当時は『留学』は夢でしかなかったという。28歳でカナダの専門学校への留学を決意し、帰国後『貿易事務』というこれまでと違う職種へのキャリアチェンジを果たした近藤さんの就職成功のポイントをうかがった。
↓
成功のポイント
 
近藤さんのステップアップ

1998年3月
早稲田速記医療福祉専門学校医療秘書科 卒業
1998年4月
病院で病棟クラークとして勤務。
2003年
英会話を習い始める。初級クラスからのスタートだったがクラスのレベルが上がり楽しくなる。
2005年10月
病院を退社
2005年11月?2006年4月
カナダ バンクーバーの語学学校(Pacific Gateway International College)に通う。
2006年5月?2006年10月
Arbutus Collegeに入学。International trade Managementを専攻し、ビジネスの基礎や貿易について学ぶ。
2006年11月?2007年1月
日系企業にてインターンシップ。航空便で送るために必要な書類作成やマーケットリサーチを行う。
2007年2月
帰国。留学ジャーナルにてキャリアカウンセリング。
2007年4月
派遣会社を通じ専門商社に貿易事務として入社。
不安な気持ちは目標をクリアするたびに自信に変わる。
帰国後の就職、すごく不安でした。だからこそ余計に頑張れたのかもしれません。

医療系の専門学校を卒業後、大学関連病院の病棟クラークとして勤務していた近藤さん。患者さんの受付やカルテの管理のほか、衛生材料(主に注射器やカテーテルなど)の在庫管理や発注の仕事もしていた。扱う薬剤は外国製のものが多く、パッケージに書かれた英語を日頃から目にしていて、「英語が理解できたらいいなぁ」と漠然と思っていたそうだ。仕事が忙しくなりストレス解消のために「好きなことをやろう!」と英会話学校に通い始めた近藤さんだが、英会話を始めるまでは留学は夢でしかなかったという。「最初は初級クラスからのスタートでしたが、クラスが上がっていくうちに英語を話すのがすごく楽しくなってきました。ちょうど転職も考え始めていたので、『留学して専門学校で貿易を学びたい』という思いが強くなってきました」。帰国後の不安がなかったわけではないが、その分、期限を決めて必死に頑張れたという。留学実現までに英会話スクールの担当講師の存在も大きかったそうだ。「その先生には本当にお世話になりました。帰国子女で英語が完璧なのはもちろんなんですが、『留学』という目標に合わせてレッスンも組んでくれて、叱咤激励されて頑張れたことで、留学を実現できました」

『専門学校で貿易を学ぶ』という明確な目標を持ち、まずはカナダの語学学校(Pacific Gateway International College)に半年間留学する。専門学校への入学基準を満たす英語力をつけるのが目的だ。母国語禁止ルールが徹底された学校だったが、とにかく物怖じせずに、わからないことは何度でも聞き返したそうだ。

英語やカナダでの生活にも慣れ、いよいよ専門学校へ入学。近藤さんは『現地カウンセリング型』という留学プログラムに申し込んでいた。留学前に語学学校だけを決めて出発し、現地での英語力の伸びに合わせて、カウンセリングを受けながらその後の進路を決めていくプログラムだ。実際に学校の見学ができるのも現地ならでは。近藤さんは留学前に『留学ジャーナル』誌に掲載されていた学校の授業内容などをチェックしてやりたいことをイメージしていたので現地オフィスで紹介された学校についても確認したいポイントが明確だったという。紹介された学校の体験レッスンを受けてみて、実践的な内容が気に入りArbutus College でInternational Trade Management(国際貿易)のコースに入学を決める。

インターンを含め1年2ヵ月の留学生活を振り返ったとき、一番大変だったのは専門学校に入って約1ヵ月の時期だそうだ。これまでの語学学校とは使う英語もスピードも違う。専門学校というのは「英語で」ビジネスを学ぶ学校で、その条件は現地の学生も留学生も変わらないのだ。授業の内容は、現地の新聞記事で貿易関連のTOPICSについてディスカッションしたり、リサーチのために実際の企業にコンタクトすることもあったそうだ。「私はワイナリーに電話して原価を聞いたり、学校内にあるワインショップに行って、メインの倉庫の場所や在庫管理方法を聞いて運搬コストを下げる工夫などについて教えてもらいました。企業と話す時の英語も慣れるまでは緊張しましたが、現在の仕事に直接役立っています」。大変だったが、その分新しい英語表現や言い回しも、クラスメートやホストファミリーに助けられ吸収していったという。

一番印象深い授業は『Beyond The Border』という貿易・流通に関するクラスだったそうだ。週に1度2ヵ月のコースで、20名のクラスメートを5人1組、4チームで架空の会社を設立し展示会に向けて準備をしていくというもの。「チームの一人にチョコレートが大好きな男性がいて『Choco Monster』 という会社名にしました。社長を決めたり名刺も作って、プレスリリースや記者会見もやりました(笑)」。授業のゴールである新製品紹介の展示会イベントでは、自分たちで作ったお菓子を販売し、他のクラスの先生や生徒も授業を中断して参加したそうだ。

 

専門学校を卒業後、3ヵ月のインターン。インターン先の会社は日本人が経営するベンチャー企業で、引っ越しサービスなどを行っている会社。近藤さんはそこで、書類作成の実務に加え、新規開拓のDM作成などを任され、大口の受注にも繋がったそうだ。

帰国後は、『派遣で貿易事務の仕事』と決めていた。「留学前の自分の経歴や年齢を考え、すぐに正社員というのは難しい思ったんです。貿易事務の仕事は圧倒的に派遣での募集が多いので、まずは、派遣で実務経験を積むことを留学前から考えていました」。帰国前に、カナダから留学ジャーナルのキャリアサポートサービスでメール相談。帰国後のキャリアカウンセリングで就職活動をどう行っていくか方向を決めた。インターネットで調べながら派遣会社に10社ほど電話をかける。前職は病院での勤務で、一般での企業での実務経験が無いことで断られることもあったそうだ。思ったより大変だったというが、これまで着実に目標をクリアしてきた近藤さんは「なんとかなる」という気持ちの方が強かったとそうだ。

そして現在は晴れて専門商社で貿易事務を行っている。「専門学校では、貿易や物の流通に関して1?10までを習ったんです。貿易に関わる企業はメーカーだったり、商社だったり、船会社もあります。就職活動を始めたばかりの頃は『貿易事務』ということは決まっていましたが、何がやりたいんだろうと漠然とした部分がありました。Webで仕事情報を調べたり、派遣会社に問い合せているうちに、多くの仕事に関われるのは商社だと気づき、やりたいことが明確になったことが就職に結びついたのだと思います」

現在の仕事は、大手商社の専門部門で繊維機械を南アジアや中東に輸出業務に携わっている。貿易実務で使う専門用語は、カナダの専門学校で習ったことがそのまま活きているので困ることはないという。また、貿易事務の仕事を実際にしてみて『管理能力(納期管理、優先順位付け、進捗チェックなど)』『決断力』などはこれまでの病院での仕事や、カナダでのインターン先での実務が活かされていると実感しているという。

留学での経験を活かして念願の貿易事務の仕事に就いた近藤さんにメッセージをいただいた。「目標を持つことが一番大事だと思います。最近では留学は当たり前になってきているので、なぜ自分は留学したのか、どういう目的を達成したいのかなど、きちんと自己啓発をしないと最後に後悔することになります。泣くも笑うも自分次第です。意思を強く持ってください」。強い意思で、一つずつ目標を達成してきた近藤さんは新たな目標に向けて頑張っている。



キャリアカウンセラーが分析

  カナダに留学中の近藤さんから「帰国後、派遣で貿易事務で働くことを希望している」とメールを頂いたのは帰国の2週間ほど前のことでした。その時は、年齢や留学前のキャリアを伺った上で、貿易事務だけにこだわらずに、外資系製薬会社の営業アシスタントなど、英語を使う機会のある事務系の職種でこれまで勤務してきた業界に近い分野も視野に入れてはどうかとご提案しました。派遣契約とはいえ、アピールの仕方を工夫しないとそれほど容易ではないと感じたからです。帰国後のキャリアカウンセリングでは『貿易事務の仕事に就くことが留学前からの目標であった』と、強い意志を持っていらっしゃったので、提携先のアデコ社を含め派遣会社の紹介をし、お持ちいただいた職務経歴書に対してのアドバイスと今後の活動方法の確認を行いました。

留学ジャーナルで主催するキャリアセミナーの中では、年齢によるキャリアチェンジの難易度を『お天気マップ』にして説明することがあります。一般的に学生や、『第二新卒層』と言われる25歳くらいまでは、業種や職種が未経験の転職(就職)であっても、比較的、人間性ややる気などの『ポテンシャル(伸びる可能性)』を重視する企業が多いのですが、20代後半になるとやはり実務経験重視の即戦力を期待されます。例え、1年留学しても6年の社会経験があるのであれば、帰国後の就職の際、企業からは1年の留学よりも6年の社会経験での実績が重視されます。

では、どうアピールしたらよいのでしょうか?一見全く違うかのように見える『病棟クラーク』の業務経験の中から『貿易事務』の仕事で活かせそうな点をアピールします。具体的に見てみると、衛生材料(注射器やカテーテル)などの『在庫管理』や『発注業務』、『納期管理』などは貿易事務でも必要なスキルです。それらに加えて、留学先で貿易について専門性を学び、3ヵ月のインターンで学んだことを実践しました。そうして期間は短いものの、留学前には足りなかった経験を補いました。自分が持っている現状の資源に何が足りなくて何を補えば目的を達成できるのか?客観的に自分を理解すること。そして帰国後には「まずは派遣で実務経験を積む」という目的までを近藤さんは明確に設定していました。そして『貿易事務』というゴールにたどり着くまでに、『留学前の実務』と『留学で得た専門性と英語、インターン経験』をきちんと1本の線に結びつけることができました。また、この、他の業界や職種で活かせるスキルのことを『Transferable Skill(転用・応用可能なスキル)』といいます。転職を考える際に、自己分析し、これまでやってきたことの棚卸をしますが、どのような仕事でそれらが活かせるのか視野を拡げるためには、多種多様の業界や職種の知識を持つキャリアカウンセラーとのカウンセリングは自らの可能性を知るヒントになるかもしれません。

3つ目のポイントとして挙げている点ですが、取材の最後に『留学で得られたもの』について伺ったところ、近藤さんは「留学を通じて自分との付き合い方が上手くなった」とおっしゃっていました。様々なバックグラウンドを持つ他国の留学生とのコミュニケーション。多くの人との関わりを通じて、自分を客観的に見ることができるようになったのだそうです。卑下するでもなく、自信過剰になるでもなく、ありのままの自分を受け入れることで自分にフィットする位置を理解し、希望を伝えたり自分を表現できるようになったと言います。そして、この感覚は帰国後の就職活動の場で大いに発揮されました。

留学も就職も人生も、ゴールを見つけてそこに辿り着くために自己表現していくという点では一緒です。これまで自らの意思で選んだ選択に、一つひとつ達成の喜びを感じてきた近藤さん。これからも新たなチャレンジを愉しんでいかれることでしょう。

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