留学成功の秘訣
2006年8月下旬?
2006年9月
「大学の卒論で日本と海外のペット事情について調べていたんです。調べれば調べるほど現地で自分の目で確かめたいという気持ちが募りました」。元々飛行機が嫌いで修学旅行で沖縄に行くのも苦労した岡本さん。それまでは留学どころか、海外旅行も考えなかったそうだ。海外のペットの文献などを調べるうちに「もっと英語ができれば」と感じ、留学にかかる費用などを調べ始めた。そして、アルバイトで資金を貯めて卒業して1年3ヵ月後にニュージーランドで半年間の語学留学を実現する。 「最初はとにかく英語ができなくて授業にもついていけず苦労しました。普通はなるべく日本人同士で固まらないように、とか考えるんでしょうが、クラスに日本人は一人だけで、私の場合、日本語を話す相手がいないことがストレスでホームシックになりました」。しかし、友達がほしいと感じているのは他の国からきているクラスメイトも同じこと。友達を作ろうとするとき、相手を理解しようとすることで言葉の壁は大きな障害にはならなかったという。2週間もすると、「ここでやっていくしかない」という覚悟ができ、気持ちを切り替えることができたそうだ。そんな状態でスタートした留学生活で役に立ったのが『できたことノート』だった。「1日に1個は、新しくできたことを書く、と決めてノートに書いていました。本当に小さなことなのですが『一人でバスに乗れた!』とか、『動物園に行けた』とか。そんなレベルのことでも振り返ると自分の成長が実感でき励みになりました」 こうして3ヵ月もすると、最初は『単語』で何とか理解していた英語も、『文章』として会話が成立しているのを感じ、上達していくことが楽しくなってくる。様々な国の友人もたくさんでき、当初の目的だった現地の動物保護センターなどの見学も果たす。留学を終える頃には「英語が話せるとこんなに世界が拡がるんだ」と更なる英語力の向上に意欲が沸いてくる。 語学留学を終えて帰国したが、せっかく上達し始めた英語力の、その上達した感覚を忘れないうちに伸ばしたいという気持ちが高まりワーキングホリデーを考える。「ただ、就職のことは不安でした。大学時代の同級生は既に社会人2、3年目。特殊な学科だったため在学中も一般的な就職活動をしたことがなかったんです」。そんな思いもあり、留学ジャーナルでワーキングホリデーの相談と共に、キャリアカウンセリングを受ける。これまで『動物関連』という狭い業界で考えていた岡本さんはこの時のキャリアカウンセリングで、『世の中全体の仕事研究の仕方』や『相場観を持つ視点の養い方』『ワーキングホリデー中に現地で意識すること』『関心にアンテナを向けること』などについてアドバイスを受ける。「アドバイスは具体的に何をしたらよいか、イメージが出来、不安が消えてワーキングホリデーへのモチベーションが上がったのを覚えています」 2ヵ月後、岡本さんは2度目の海外生活をスタートさせる。前回の留学での『できたことノート』の経験から、今回は事前に『やりたいことリスト』を作成。「仕事、遊び、旅行など、おおまかなテーマを5つくらい挙げて、そこに具体的な目標を追加していきました」。中でもワーキングホリデーの仕事に関しては、「日本食レストランではなく、オフィスでする仕事」と決め、帰国後のキャリアの評価や自分自身の自信につながる仕事を意識したそうだ。 留学ジャーナルのシドニーオフィスでネットを活用して情報収集をしたり、日系の旅行会社の一覧と地図の載ったガイドブックを手に、英語と日本語のレジュメを20枚ほど持ち歩き飛び込みで店舗に売り込んだりもしたそうだ。こうした活動の結果、3週間目から勤務が決まる。日本人留学生のサポートを行う企業だ。到着した留学生のオリエンテーションや個別の相談は日本語での対応だが、現地の学校やホストファミリーとのやりとりは英語で行った。PCを使った文書作成などの業務も経験し、企業に共通する一般的な事務の仕事もイメージできた。
仕事の契約期間を終え、『やりたいことリスト』に挙げていたグレートバリアリーフへも計画通り旅行すると、気になってくるのはやはり帰国後の就職のこと。帰国1ヵ月前くらいからネットで日本の就職サイトなどをチェックし始め、留学ジャーナルの『メールでキャリア相談』のサービスも活用する。そして帰国後も、留学やワーキングホリデーを通して興味をもった旅行業界を中心に活動を進める。 実質初めての就職活動で、活動の進め方自体に不安はあったものの、面接の場面では思いのほか落ち着いてコミュニケーションが取れたという。「面接官は、どんなふうに考え、何を聞こうとしているのか。相手を理解しようとする態度は留学中に自然と身についたものだと思います。おかげで面接もスムーズに進みました」。数社の面接も順調に進み、その中で、ワーキングホリデー時代の経験がそのまま活かせると思い留学エージェントに就職を決め上京する。 順調に思えた就職活動だったが、実際に入社してみるとそこには岡本さんの想像との間に大きなギャップがあった。「どんな企業でも、利益を追求したりノルマがあるのは当然なのかもしれませんが、会社や先輩達のスタンスにどうしても納得ができなかったんです。今考えるとよい経験をさせていただいたと思いますが、当時は深夜まで仕事をしながら体力的にも精神的にもキツかったですね(笑)」 「自分には何が向いているんだろう?」と悩み、自信を喪失し地元に戻ることも考えたというが派遣で登録し、短期の仕事をスタートし生活のリズムを取り戻す。そこで、外資系の化粧品会社の研究所の事務の仕事を紹介され、若干ではあるが仕事で英語に触れる機会を持つ。そしてその契約終了とともに、現在の会社を紹介される。「実は、ここを紹介された時に、もう1社、大手の外資系の企業を紹介されたんです。今の会社を選んだ決め手は、勤務する事業所の規模が少人数で一緒に働く人たちが把握できる勤務環境。その分、任せてもらえる範囲も広いと思ったからです」 現在の配属は海外営業部。世界各国と取引しており担当する国により2つのチームに分かれている。岡本さんが所属しているのは北米とアジアを担当しているチーム。「お客様から英語で電話がかかってくることもしばしば。台湾などのアジア圏の国からもかかってきますが、特有の訛りも、留学中に多くのアジアからの留学生に接していたので動揺することなく対応できます。留学中の友達を通じて各国の国民性や文化的な背景を理解できたことも大きいと思います」。仕事で使うメールや書類についてはフォーマルな英語。職場の人に教えてもらいながら、ビジネスとして通用する英語を実践で身につけている。受け入れの企業側も岡本さんのキャリアを考え、知識を身につけていけるよう配慮して下さっているそうだ。 岡本さんに2度の海外での生活を通じて得られたものについて伺った。「留学前と一番大きく変わったのは『コミュニケーション力』です。語学力だけではなく、相手を理解しようとする姿勢や洞察力が身についたと思います。実は、留学するまでどちらかというと、興味の無いものにはあまり関わらない性格だったんです(笑)。今は、自分の無知さそのものよりも『知ろうとしないことが一番いけない』と思うようになりました。これは海外で多くの国籍やバックグラウンドの人と関わり、友達になったことで、これまでの無知さに気づき、知ることの楽しさを体感したからだと思います」 留学やワーキングホリデーで目覚めさせた好奇心をもって、岡本さんは現在日々の仕事の中に新しい発見を楽しんでいる。
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