留学成功の秘訣

語学留学/ワーキングホリデー体験者のケース

今月の成功者

-- Photo -- 岡本奈保子さん(26歳)通信機器メーカー 海外営業事務

半年間のニュージーランド語学留学と、オーストラリアでのワーキングホリデーを経験。現在は、大手の映像・通信機器メーカーで海外営業部のアシスタントとして勤務している。テレビ局などで使われる放送用カメラや医療用カメラの分野で知られており、北米やヨーロッパのほか、アジア圏から取引先が来日することも多い。大学時代、獣医学部に在籍し動物の勉強をしていた頃には英語を使って仕事をすることは想像もしていなかったという。2度の海外経験を経て価値観がどう変わったのか、今の仕事にたどり着くまでのプロセスを伺った。
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成功のポイント
 
岡本さんのステップアップ

2004年3月
麻布大学獣医学部動物応用科学科 卒業
留学資金を貯めるためアルバイト。
2005年6月?12月
ニュージーランド、カプランアスペクト、オークランド校に語学留学。
2005年12月
帰国時に留学ジャーナルでキャリアカウンセリングを受ける
2006年2月?4月中旬
ワーキングホリデーをスタートさせる前にニュージーランド・クライストチャーチへ。留学時代にできた友人の家に滞在し観光を楽しみながら、インターネットでシドニーで住む場所などを調べ、準備する。
2006年4月下旬?8月
ニュージーランドからシドニーに移り、当初の目的だったワーキングホリデー開始。日本人留学生のサポートを行うオフィスで働く。

2006年8月下旬?

勤務を終了し、グレートバリアリーフなど観光を楽しむ。

2006年9月

帰国を1ヵ月後に控え、インターネットで就職情報など収集。転職サイトで自己分析などもやってみる。
2006年10月
帰国。実家に戻り、地元の派遣会社に登録。単発の仕事をしながら就職活動開始。旅行会社などを中心に活動。
2006年12月?2007年4月
留学関連の企業に採用される。これを機に上京し、勤務開始するが、会社の営業方針に疑問を感じ5ヵ月で退職。
2007年4月?9月
派遣会社に登録。外資系化粧品会社で研究所の事務職として短期間の契約で勤務。理系出身であることが条件だったためすぐに勤務が決まる。業務を通じ英語の文献に目を通す機会あり。
2007年10月?
上記の派遣契約終了と共に、現在の通信機器メーカーでの勤務開始。
海外営業部のアシスタントとして北米・アジアのクライアントを担当。電話やメール、接客などで英語を使用し仕事をしている。
きっかけは「海外の動物、ペット事情を知りたい!」という一途な気持ち。
視野が拡がった留学。英語が苦手だった私が今では英語を使って仕事をしています。

「大学の卒論で日本と海外のペット事情について調べていたんです。調べれば調べるほど現地で自分の目で確かめたいという気持ちが募りました」。元々飛行機が嫌いで修学旅行で沖縄に行くのも苦労した岡本さん。それまでは留学どころか、海外旅行も考えなかったそうだ。海外のペットの文献などを調べるうちに「もっと英語ができれば」と感じ、留学にかかる費用などを調べ始めた。そして、アルバイトで資金を貯めて卒業して1年3ヵ月後にニュージーランドで半年間の語学留学を実現する。

「最初はとにかく英語ができなくて授業にもついていけず苦労しました。普通はなるべく日本人同士で固まらないように、とか考えるんでしょうが、クラスに日本人は一人だけで、私の場合、日本語を話す相手がいないことがストレスでホームシックになりました」。しかし、友達がほしいと感じているのは他の国からきているクラスメイトも同じこと。友達を作ろうとするとき、相手を理解しようとすることで言葉の壁は大きな障害にはならなかったという。2週間もすると、「ここでやっていくしかない」という覚悟ができ、気持ちを切り替えることができたそうだ。そんな状態でスタートした留学生活で役に立ったのが『できたことノート』だった。「1日に1個は、新しくできたことを書く、と決めてノートに書いていました。本当に小さなことなのですが『一人でバスに乗れた!』とか、『動物園に行けた』とか。そんなレベルのことでも振り返ると自分の成長が実感でき励みになりました」

こうして3ヵ月もすると、最初は『単語』で何とか理解していた英語も、『文章』として会話が成立しているのを感じ、上達していくことが楽しくなってくる。様々な国の友人もたくさんでき、当初の目的だった現地の動物保護センターなどの見学も果たす。留学を終える頃には「英語が話せるとこんなに世界が拡がるんだ」と更なる英語力の向上に意欲が沸いてくる。

語学留学を終えて帰国したが、せっかく上達し始めた英語力の、その上達した感覚を忘れないうちに伸ばしたいという気持ちが高まりワーキングホリデーを考える。「ただ、就職のことは不安でした。大学時代の同級生は既に社会人2、3年目。特殊な学科だったため在学中も一般的な就職活動をしたことがなかったんです」。そんな思いもあり、留学ジャーナルでワーキングホリデーの相談と共に、キャリアカウンセリングを受ける。これまで『動物関連』という狭い業界で考えていた岡本さんはこの時のキャリアカウンセリングで、『世の中全体の仕事研究の仕方』や『相場観を持つ視点の養い方』『ワーキングホリデー中に現地で意識すること』『関心にアンテナを向けること』などについてアドバイスを受ける。「アドバイスは具体的に何をしたらよいか、イメージが出来、不安が消えてワーキングホリデーへのモチベーションが上がったのを覚えています」

2ヵ月後、岡本さんは2度目の海外生活をスタートさせる。前回の留学での『できたことノート』の経験から、今回は事前に『やりたいことリスト』を作成。「仕事、遊び、旅行など、おおまかなテーマを5つくらい挙げて、そこに具体的な目標を追加していきました」。中でもワーキングホリデーの仕事に関しては、「日本食レストランではなく、オフィスでする仕事」と決め、帰国後のキャリアの評価や自分自身の自信につながる仕事を意識したそうだ。

留学ジャーナルのシドニーオフィスでネットを活用して情報収集をしたり、日系の旅行会社の一覧と地図の載ったガイドブックを手に、英語と日本語のレジュメを20枚ほど持ち歩き飛び込みで店舗に売り込んだりもしたそうだ。こうした活動の結果、3週間目から勤務が決まる。日本人留学生のサポートを行う企業だ。到着した留学生のオリエンテーションや個別の相談は日本語での対応だが、現地の学校やホストファミリーとのやりとりは英語で行った。PCを使った文書作成などの業務も経験し、企業に共通する一般的な事務の仕事もイメージできた。

 

仕事の契約期間を終え、『やりたいことリスト』に挙げていたグレートバリアリーフへも計画通り旅行すると、気になってくるのはやはり帰国後の就職のこと。帰国1ヵ月前くらいからネットで日本の就職サイトなどをチェックし始め、留学ジャーナルの『メールでキャリア相談』のサービスも活用する。そして帰国後も、留学やワーキングホリデーを通して興味をもった旅行業界を中心に活動を進める。

実質初めての就職活動で、活動の進め方自体に不安はあったものの、面接の場面では思いのほか落ち着いてコミュニケーションが取れたという。「面接官は、どんなふうに考え、何を聞こうとしているのか。相手を理解しようとする態度は留学中に自然と身についたものだと思います。おかげで面接もスムーズに進みました」。数社の面接も順調に進み、その中で、ワーキングホリデー時代の経験がそのまま活かせると思い留学エージェントに就職を決め上京する。

順調に思えた就職活動だったが、実際に入社してみるとそこには岡本さんの想像との間に大きなギャップがあった。「どんな企業でも、利益を追求したりノルマがあるのは当然なのかもしれませんが、会社や先輩達のスタンスにどうしても納得ができなかったんです。今考えるとよい経験をさせていただいたと思いますが、当時は深夜まで仕事をしながら体力的にも精神的にもキツかったですね(笑)」

「自分には何が向いているんだろう?」と悩み、自信を喪失し地元に戻ることも考えたというが派遣で登録し、短期の仕事をスタートし生活のリズムを取り戻す。そこで、外資系の化粧品会社の研究所の事務の仕事を紹介され、若干ではあるが仕事で英語に触れる機会を持つ。そしてその契約終了とともに、現在の会社を紹介される。「実は、ここを紹介された時に、もう1社、大手の外資系の企業を紹介されたんです。今の会社を選んだ決め手は、勤務する事業所の規模が少人数で一緒に働く人たちが把握できる勤務環境。その分、任せてもらえる範囲も広いと思ったからです」

現在の配属は海外営業部。世界各国と取引しており担当する国により2つのチームに分かれている。岡本さんが所属しているのは北米とアジアを担当しているチーム。「お客様から英語で電話がかかってくることもしばしば。台湾などのアジア圏の国からもかかってきますが、特有の訛りも、留学中に多くのアジアからの留学生に接していたので動揺することなく対応できます。留学中の友達を通じて各国の国民性や文化的な背景を理解できたことも大きいと思います」。仕事で使うメールや書類についてはフォーマルな英語。職場の人に教えてもらいながら、ビジネスとして通用する英語を実践で身につけている。受け入れの企業側も岡本さんのキャリアを考え、知識を身につけていけるよう配慮して下さっているそうだ。

岡本さんに2度の海外での生活を通じて得られたものについて伺った。「留学前と一番大きく変わったのは『コミュニケーション力』です。語学力だけではなく、相手を理解しようとする姿勢や洞察力が身についたと思います。実は、留学するまでどちらかというと、興味の無いものにはあまり関わらない性格だったんです(笑)。今は、自分の無知さそのものよりも『知ろうとしないことが一番いけない』と思うようになりました。これは海外で多くの国籍やバックグラウンドの人と関わり、友達になったことで、これまでの無知さに気づき、知ることの楽しさを体感したからだと思います」

留学やワーキングホリデーで目覚めさせた好奇心をもって、岡本さんは現在日々の仕事の中に新しい発見を楽しんでいる。



キャリアカウンセラーが分析

  先日留学ジャーナルで開催した『ワーキングホリデーフェア』で、岡本さんにパネリストとしてご協力いただきました。ワーキングホリデーを希望する参加者の前で笑顔で体験談を語る岡本さんと、出発前にキャリアカウンセリングにいらした時の岡本さんの『Before, After』をご自身の話と併せて分析してみたいと思います。

1つ目のコミュニケーション力について。留学ジャーナルでは出発前の方を対象にした『キャリアセミナー』を行っていますが、その中でも、企業が求める人材像のひとつとして採り上げているのが『コミュニケーション力』です。岡本さんの場合、初めての留学でホームシックにかかるほど孤独を感じた際に、状況を解決すべくとった行動が『相手を理解しようとすること』でした。コミュニケーションとは、受信と発信の双方向を指しますが、いくら話術が達者でも、場が読めたり、相手が真に何を求めているのかを理解できなければやはり一方通行になってしまいます。就職活動の際に、面接でコミュニケーション力を測るのは、入社後、社内社外と双方向で意思疎通ができ、業務を推進していける人なのかどうかを知りたいからです。

2つ目の『目標設定と、達成感を感じる習慣』というのも、企業が求める人材像の中に含まれます。補足して言うならば『自ら』課題設定ができる主体的な人、そして達成意欲が高い人といえます。主体性については今回更新した『キャリアの達人』の船橋社長もおっしゃっています。小さな目標でも、達成感を味わっている人は達成することの喜びを知っているので再現性が高いのです。岡本さんも、落ち込んだ時にできたことを振り返り励みにしたと言いますが、何かを成し遂げた経験は他者からの評価に関わらず、自分自身の大切な財産になるのではないでしょうか。

3つ目のポイントは、『知る喜び』を実感できたこと。最初の留学を終えて帰国したとき、岡本さんは『海外の動物事情をこの目で見たい!』と思った時と同じくらいの情熱でワーキングホリデーにチャレンジしたのではないでしょうか。専門分野について深く学ぶことは大切ですが、興味の対象を拡げていくことも大切です。拡げていくとどこかで繋がるからです。「留学する前は、どちらかというと特定の人や興味の中で行動していた気がします。今は、どこでどう関わるかわからないし、初めて会う人と話すのも楽しい。それは日本にいても同じことです」。岡本さんは好奇心にあふれた笑顔で、こうおっしゃいました。

帰国後最初に入社した会社では苦労も経験されていますが、留学での経験同様に、その体験から学んだことも多いはずです。冷静に振り返ると、お客様を支援したり、人と接する仕事そのものは好きであるという価値観にも改めて気づいたそうです。

「今の仕事では、輸出向けに英語で船積みの書類を作成したりしているのですが、小さい頃に途上国に文房具を送ったことを思い出しました。あの文具も船積みされて送られたのかな、と。それに、ちょうど韓国語を習っているところなんですが、取引先は韓国にもあり、先日も来日したお客様と韓国語で会話をする機会があってビックリしました。韓国語も留学をきっかけに習い始めたんです」。

当初考えていた「動物業界」「旅行業界」という分野から一見離れたように感じますが、20代の今のうちに、現在の職場で視野を拡げながら『できることの輪』と『関心の輪』を拡げていくと『可能性の輪』も拡がっていきます。留学・ワーキングホリデー経験で、企業が求める人材の『基礎力』をつけて帰国した岡本さんは実践の中で自らの可能性を醸成しているようです。

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