その講演を聞いたのが、2006年10月のこと。その年の暮れにアメリカのボストンへ一人旅に出ると、自分がこれまでしてきた仕事、これからやりたいと考えていることをじっくりと整理し、「やはり本格的に英語を勉強し、いつか留学しよう」という決意を固めた。「ボストン美術館には日本庭園があるんですが、そこに笹の葉があり、七夕のように短冊がつるせるんです。そこで、I will be able to speak English.(英語が話せるようになろう)と誓って帰ってきたんです。年が明けて2月から、会社の近くのマンツーマンの英会話学校に通い始めました」。
数カ月通い、?, please.ではなくI would like to ?(?したいんですが)などと、ある程度英語らしい話し方ができるようになったところで、念願だった留学を実現させようと、会社を退職。留学ジャーナルへ相談に訪れた。「会社にそのままとどまってできることと、外の世界に出てできることを、じっくり検討した後だったので、辞めることに迷いはありませんでした。その後の仕事についてまったく不安がなかったわけではないのですが、日本のITの成長時代を現場で体験してきたので、使える知識は多いはずだという思いはありました」。