留学成功の秘訣

語学留学/ワーキングホリデー体験者のケース

今月の成功者

-- Photo -- 伊藤藍さん(26)



株式会社アスコットジャパン勤務

東京・新宿の京王プラザホテルで、高校時代からの夢だったブライダルに携わる業務に就いていた伊藤藍さん。もう一つの夢である「いつか海外生活をしてみたい」という願いをかなえるため、イギリスのワーキングホリデービザ(Youth Exchange Scheme)に応募。狭き門を経て見事ビザを取得、ボランティア活動に参加したり、カフェでアルバイトするなどして、社会経験を積んでいった。そして帰国後は、英語力とホスピタリティ産業での両方の経験が生かせる仕事へ。着実にキャリアアップを重ねてきた伊藤さんの軌跡をたどってみよう。
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成功のポイント
 
伊藤藍さんのステップアップ

2002年3月
東京観光専門学校ブライダル・ビジネス学科卒業。京王プラザホテルに入社。宴会部でブライダルに携わる
2006年8月
ワーキングホリデーで渡英。ブライトンの語学学校ブリティッシュ・スタディ・センター(ブライトン校)に3ヵ月通う
2007年3月
ボランティア団体オックスファムで古着などの販売活動に参加
2007年4月
語学学校インテンシブ・スクール・オブ・イングリッシュに1ヵ月通う
イギリス人が経営するカフェでアルバイト
2007年7月
帰国、留学ジャーナルにてキャリアカウンセリングを受ける
複数の求人サイトに登録し就職活動開始
2007年9月
外資系金融機関に派遣社員として勤務開始
2008年3月
株式会社アスコットジャパン入社、ビジネスセンター有楽町にて受付業務に携わる
「ワーキングホリデーと、前職のホテルでの経験を生かした仕事を見つけました」
「イギリスでワーキングホリデーをするうち、自分の人生を豊かにするための仕事があってもいいかな、と思えてきたんです」

高校では普通科英語コースに在籍し、英語や海外の文化に興味を持っていた伊藤藍さん。海外ウェディングへの憧れがあったことから、「自分の力だけで海外で挙式ができる人は、まだ少ないのでは。それなら、英語を使ってコーディネーターの仕事ができるかもしれない」と、専門学校でブライダル・ビジネスを学ぶことにした。「就職のときは、サービス業全体を広く学ぼうと、ホテルへの就職を希望したんです。でも、人気職種でなかなか採用が決まらず、専門学校の就職課から『宴会部は希望者が比較的少ないだろうから、志望すると有利なはず』というアドバイスをもらいました」。宴会部とは、ブライダルや一般の宴会のオペレーションを行う部署で、まさに伊藤さんが専門学校で学んだことと一致していた。こうして、東京・新宿の京王プラザホテルで念願のブライダルに関わる仕事に就くことになったのである。

忙しく仕事をこなす中で、「いつか海外に出てみたい」という気持ちも抑えきれずにいた。「専門学校の先生に相談したところ、『それなら、ワーキングホリデーに行ってみては』と言われたんです。ただ英語を学ぶだけでなく、いろいろな経験をしてみたかったので、確かにワーキングホリデーは私に向いているような気がしました。オーストラリアやカナダには大勢の日本人が行っていますが、イギリスはまだビザの発給数が少なく、もし実現したら他の人にはない経験ができるのでは、とイギリスへの応募を決意したんです」。

応募を決めると、準備のためホテルを退社、アルバイトをしながら渡航決定の通知を待った。留学ジャーナルのワーキングホリデーセミナーに参加し、情報収集をしたのもこの頃。審査の結果、年間400名のみという厳しい枠を突破、退社から3ヵ月後にビザ取得決定の連絡があり、その5ヵ月後に、イギリスへと旅立つことになった。「まずは語学学校に通おうと、留学ジャーナルに紹介を頼みました。最初はロンドンに行きたかったんですが、授業料や物価が予算に合わず、あきらめました。結局、ブライトンという海沿いの街に行くことにしたんですが、これが大正解だったんです。ブライトンでは、何もかもがカンペキでした!」

日本では仕事中心の生活だったが、ブライトンのさわやかな空気の中で「晴れの日は気持ちいい!」という感覚を取り戻し、朝は自然に起きられるようになった。「ホストマザーはビーチのカフェで働いていて、映画関係の仕事をしているパートナーと一緒に暮らしていました。そこに前のだんなさんとの娘が2人いて・・・と、日本ではあまり見かけないような家族構成でしたね。食事は各々で取ることができて、とても自由な環境で暮らしやすく、結局ワーキングホリデー中、ずっとそのファミリーのところにホームステイしていたんです」。

のんびりしたブライトンの生活にすっかりなじみ、「そろそろ新しいことを始めたい」と思っていたところ、世界的なボランティア団体であるオックスファムの事務所で「ボランティア募集」の張り紙を見つけ、応募することにした。「仕事は、イギリス各地から届く古着の選別。ブライトン大学の学生とか、近所のおばさんたちがやってきて、一緒に楽しくやっていました。週に1回、午前中語学学校に通い、午後はオックスファムの事務所に通うというのが、いい生活のペースになっていったんです」。

 

そのうち、現地で知り合ったドイツ人の友人の励ましもあって、ホストマザーと同じビーチのカフェでのアルバイトも始めることになった。「食器を下げるだけだから、英語が話せなくても大丈夫と言われたのに、行ってみたらオーダーを取る仕事だったんです!誰かが手取り足取り教えてくれるというわけではなく、自分で覚えなければならなかったんですが、それがかえって英語の上達につながりましたね。お客様からデートに誘われたこともあったんですよ(笑)」。

帰国前には、ドイツやフランス、オランダなど、ヨーロッパ各国を一人でバックパッカーとして回ってきた。「ホテルが見つからなくて、『今日は野宿かな・・・』なんて思うこともありました。結局何とかなったんですが、あの旅の間に、自分がすごく強くなったように思います」。

留学前は、「ブライダル・ビジネスの勉強をして、ブライダルでキャリアを積んで」と一途に考えていたが、イギリスでさまざまな人と出会ううちに、「働き方にもいろいろなスタイルがある」「働くことそのものを目的とするのではなく、自分の人生を豊かにするための仕事があってもいいのでは」と思うようになった。「週末は太陽の光を浴びてのんびり過ごしたり、普段仕事が終わってから習いごとをしたり、そういう生活もあるんだ、ということに気づいたんです」。それでも、人と関わるサービスの仕事が好きで、帰国後に留学ジャーナルのキャリアカウンセリングを受けたところ、「外国人レジデンスのコンシェルジュという仕事がある」というアドバイスを受けた。外国人や外国企業が共同で借りている都心部の住居やオフィスで、英語を駆使して受付業務をこなすものだ。

「そういう仕事もあったのか」と、受付や秘書業務を意識してインターネットの人材派遣サイトに登録すると、ほどなく外資系金融機関の総務に派遣社員として採用された。英語でのやり取りも必要とされる仕事で、「ワーキングホリデーの経験と、前職のホテルでの経験が買われたと思います」。その後、シンガポールに本社を置くアスコットグループと三菱地所による合資会社アスコットジャパンに入社。ビジネスセンター有楽町で、受付業務を担当するようになった。「複数の企業が入居していて、その共通の秘書業務のようなこともしています。利用者には外国人が多く、英語の電話もかかってきますし、ホテルや航空券の手配をしたりといったこともあります。『海外からお客様が来るので、京都の観光旅行をプランニングしてほしい』なんていう依頼があったりもするんですよ」。

仕事の上で英語を駆使する一方で、「もっと勉強しなければ」という思いも出てきたという。「イギリスでは、働いていたといっても、カフェでのくだけた接客の英語。今のオフィスワークの英語とは違います。以前のホテルでの仕事とはまた違う、オフィスの仕事を覚えながら、きちんとしたビジネス英語も身につけていきたい、と思っています」。普段はポッドキャストでイギリスBBC放送のニュースを聴いたり、映画を英語の字幕で見て、リスニング力を鍛えているとのこと。インターネット上のオンライン学習コミュニティにも、最近はまりつつあるそうだ。

「ワーキングホリデー中のことは、今でもよく思い出します。前は自分一人でがんばってしまうところがありましたが、イギリスのゆったりした環境の中でいろんな人に親切にしてもらって、『私ももっと、人にやさしくなりたい』と思うようになったんです。街で困っている外国人を見ると、声をかけてあげたくなったり。前はこんなことはなかったのに、不思議ですね」。

キャリアカウンセラーが分析

  帰国直後の伊藤さんとのキャリアカウンセリングでは、『ブライダル』『英語』『接客』『ホテルでの勤務経験』などのキーワードが挙がりました。

結婚に関する価値観やライフスタイルの変化により、ブライダル関連業界そのものもお客様に合わせた多様なサービスが求められているようです。そんな中で、“人生の晴れ舞台に携わる仕事”に憧れる方も多いようです。ただし、ブライダルコーディネーターなど人気職種は新卒での採用は限られていますし、企業によって具体的な仕事内容や任せられる範囲も異なります。伊藤さんのように関連業務を経験しながら業界のマーケットや実情を把握し転職や異動等でキャリアアップしていく方も多いようです。

まず、『ブライダル』関連業界への転職に関してオススメしたいのは、求人情報だけでなく、『結婚情報誌』を参考にした業界研究です。結婚情報を提供している企業やマーケティング会社のデータでは、ブライダル関連の市場規模は2兆円とも4兆円とも言われています。その中で、お客様への情報発信や、広告アプローチの特徴は個々の企業の“色”が反映されているはずです。そうしたメッセージから企業のブランドイメージや経営方針を読み取ることは、同業種でも異なる企業文化や、就職したときの、その企業との相性を想定する材料になるはずです。

そしてもう一つ、ご提案したのは『ブライダル』というキーワードの枠を取り払って、『ホスピタリティ』『人と接する仕事』という分野まで拡げて『英語』を使う機会のある仕事に目を向けることでした。お話を伺っていて、伊藤さんがブライダル関連業界への再就職に対し、「やりがいを感じる一方で、責任も重く、打合せ時間や挙式など、勤務形態が不規則になりがち」な点に迷っていらっしゃるのを感じたからです。以前、提携先のアデコ社と情報交換していた際に、「外国人居住者向けの高級マンションで、ホテルのようなコンシェルジュを募集している」「外国から赴任する方を専門的に顧客とする不動産サービスで、日本着任直後に日本での生活や手続きなどのサポートをする英語の出来るスタッフを募集している」・・・といった案件を伺ったことがありました。募集のタイミングもありますが、新しい分野のサービスとして海外での生活や英語力を活かせる可能性は増えています。

キャリアカウンセリングでのこれらのやりとりの中で、伊藤さんは今後の自分のキャリアを選択するヒントを見つけられたのだと思います。そして、検討を進めた中で意思決定の『軸』となったのがワークライフバランス(仕事と生活のバランス)の視点だったようです。イギリスでの人々の働き方や暮らし方に触れる中で、仕事というものの捉え方に新たな価値基準が加わったのでしょう。

現在のビジネスセンター有楽町でのお仕事では、秘書業務のようなお仕事内容でありながら、対応するのは一つの会社ではなく海外から日本への進出を検討しているような様々な企業。英語力だけではなく、クライアントの個性に合わせた多様なコミュニケーションが望まれます。ホテル勤務時代の接客や調整業務と、イギリスで他国からの留学生を含めた、多種多様な人々との交流経験を戦力として期待されたものと思われます。

「今のお仕事は就業時間中は臨機応変な対応が求められる一方で、就業後や休日のメリハリがあり、プライベートの時間の使い方にも気持ちに余裕がもてるようになりました」と笑顔を見せてくださった伊藤さん。“オフタイムの質”が“オンタイムでの質”向上にも繋がり、転職や海外経験を今後更に活かしていかれることと思います。

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