留学成功の秘訣

語学留学体験者(休学留学)のケース

今月の成功者

-- Photo -- 小寺規晶さん(24) アクセンチュア株式会社 戦略グループ勤務

大学3年目を迎え、就職かロースクール進学か決めかねていたとき、「留学」という第3の進路を見出した小寺規晶さん。留学中に法律ではなくコンサルタント、という自分の新しい可能性に気づき、帰国後に外資系コンサルティング会社への就職が決まった。「今、仕事が楽しくて仕方がない」という小寺さんに、成功までの道のりをうかがった。
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成功のポイント 1)現地で社会人との交流も積極的に行った 2)帰国前からインターネットで情報収集、エントリーを行った 3)留学経験を面接のアピールの材料として上手に利用した
 
小寺規晶さんのステップアップ

2005年
大学2年の夏、ニューヨークに2週間語学留学。海外生活に関心を持つようになる
2006年3月
1年間休学してアメリカへの留学を決意。アメリカのUniversity of Washingtonで、一般英語(IEP)、ビジネス英語(IBEP)、Business for International Professionals Certificate Program(BUSIP)を学ぶ。留学前のTOEICテストは550点
2006年11月
インターネットで情報収集し、大手就職サイトに登録。複数の企業にエントリーを行う
2006年12月
帰国。年明けからすぐテストや面接を受け始める
2007年2月
数社から内定を得る
2007年9月
日本の大学を卒業
2007年9月
University of Washingtonに再留学、IBEPコースに5ヵ月通う
2008年4月
外資系コンサルティング会社、アクセンチュアに入社。戦略コンサルタントとして仕事を始める。入社時のTOEICは900点
「留学するまで、コンサルタントという仕事があることすら知りませんでした(笑)」
「面接ではたいてい、留学の動機、留学中に何をしたかを聞かれました。質問を想定しておくことで、自分の得意なことをうまくアピールできたように思います」

英語は元々苦手で、「何とか克服する方法はないものか」と考えていた小寺規晶さん。大学3年の夏、ニューヨークに留学中の友人を訪ねて、2週間の語学留学に行った。「学校に紹介されたYMCAに一人で滞在したんですが、英語があまりできないにもかかわらず、『外国でも意外に暮らしていけるんだなぁ』という手ごたえがあったんです」

そして3年生の就職活動開始時期になると、法学部に在学していた小寺さんは、就職か、ロースクール進学か、という選択を迫られることになった。「どちらか決めかねていたときに、ニューヨークに行ったときのことを思い出して、『将来、英語力は必要になることだし、大学を1年間休学して、留学するのはどうか』と考えるようになりました」

留学ジャーナルへ相談に訪れ、留学先をワシントン州シアトルにあるUniversity of Washingtonに決定。シアトルは、野球選手イチローの活躍やコーヒーチェーン「スターバックス」発祥の地として、日本人の間でも知名度が上がってきたところだった。「University of Washingtonはアメリカでも名門の大学ですし、東海岸よりは西海岸のほうが物価が安いということも決め手になりました」

最初の3ヵ月間は、ホームステイをしながら一般英語コースに通った。語学留学や日本での英会話学校通学経験はあったものの、スタート時は“スタバでコーヒーも頼めない”状態だったという。「少しでもしゃべれるようにならなければと、日本人の学生相手にも英語で話しかけるようにしたんです。また、地元の学生がディスカッション・パートナーとして話し相手になってくれるのですが、彼らと一緒にテニスをしたりしているうちに、次第に会話に慣れていったように思います」

日本では法律を学んでいたが、アメリカでは「弁護士っていうより、経営者に向いているよね」と言われ、本格的に経営者への道を意識するようになった。そんな中、University of WashingtonのビジネスコースBUSIP(Business for International Professionals Certificate Program)は人気のプログラムで、あいにくクラスは満員。「そんなことであきらめるわけにはいかないと、プログラムディレクターに直談判に行ったんです。『後ろの方で、座らせてもらうだけで良いから』と言ったら、仕方がない、という調子で受講を認めてくれました。いざ講義が始まったら、先生の真ん前の席に陣取っていましたが(笑)」

授業では、他の大学のMBAの講師や実際に企業で働いているビジネスパーソンなどがやってきて、それぞれが得意とするテーマについて話してくれた。内容はディスカッション形式で、プレゼンテーションの機会もあり、小寺さんはボーイング・エアバスの経営戦略比較をテーマに発表を行ったという。

また、語学コース修了と同時に、自分でアパートを見つけ、一人暮らしをするようになった。「空き部屋があると、アパートの入口に"For Rent"(空室あり)という貼り紙がしてあるんです。気に入ったアパートの前にその掲示を見つけると、中に入っていって、管理人さんに部屋を見せてもらいました。何件か訪問している内に、入居条件の交渉力も何とか身についたんです」

 

和食を作って部屋に友人を招いたり、逆に他国の留学生に故郷の料理を作ってもらったりと、小寺さんの部屋は、いつも訪れる人が絶えない場所になった。「できるだけ日本人だけでかたまらないようにしていたんですが、向こうに住む日本人と会って、いいこともありました。日本で経営コンサルタントをしていた人にいろいろ話を聞くことができたんですが、実はその人と会うまで、コンサルタントという職業があることすら知らなかったんです(笑)」

日本にいる友人とも連絡を取っていたので、11月ごろになると、「そろそろ就職活動を始めなければ」と意識するようになった。「外国にいてもインターネットで情報収集できますから、リクナビ、日経就職ナビ、マイナビといった大手就職サイトに登録して、希望の企業にエントリーしていきました」。外資系企業に応募するときは、カバーレターの英語をネイティブの先生に見てもらったり、「オレのいいところって、何だろう?」と友人に聞いてみて、外国人から見た自分の長所をアピールしたりしたという。

アメリカにいるうちからメールや電話でアポイントを入れ、帰国するとすぐ、テストや面接を受け始めた。正月明けから動いて、2月にはいくつかの内定を得ることができたそうだ。「エントリーシートや面接では色々な文化背景をもつ様々な国の人と交流してきたことを活かしたいというようなことをアピールしました。留学経験のあることがすぐ就職に結びつくわけではないと思うのですが、『どうして留学したのか』『何を学んだのか』といったことを聞かれるので、質問を予測し、答えを用意していくことができました。また、自分が留学してやりたかったことを話すことで、自分自身のいいアピールになったと思います」

帰国後、シアトルへの想いが増していく中、予定より早く日本の大学を9月に卒業、再度シアトルにわたり、University of Washingtonのビジネス英語コース(IBEP)を5ヵ月間受講した。「行く前には、資金作りのために販売員や荷物運びなどいろいろなバイトをしましたが、それも社会人になる前のいい経験になったと思います」

4月から入社した外資系コンサルティング会社は、全世界にネットワークを持つ大手企業。クライアントだけでなく、他国のオフィスと連絡を取るときにも英語が必要となる。「入社前にTOEICは900点を取りましたが、英語ではいまだに苦労しています。大学で学んだことや日常生活で覚えたことだけでなく、この仕事ならではの専門用語が使われることもありますから。でも、新しい刺激がたくさんあって、今、仕事が楽しくて仕方がないところです」

充実した留学生活の末に就職を成功させた小寺さんだが、「留学中は、自分らしくいることが一番。無理に行動半径を広げようとする必要はない」と考えている。「留学したからといって、急に何かが劇的に変わるわけではありません。その代わり、自分らしく生活していれば、おのずと自分のやりたいことが見えてくるものです。人間、自分のやりたいことをやるときに100パーセントの力が発揮できるものだと、僕は実感しています」

キャリアカウンセラーが分析

  小寺さんには、『休学・認定留学事前ワークショップ』でのOBファシリテーターや、イベントのパネリストとして帰国後も色々とご協力いただいています。とてもオープンマインドな方で、かつ、お話がわかりやすく、セミナーも大好評で感謝しています。現在はコンサルタントとして働き、ロジカルなコミュニケーションスキルをビジネスの現場で磨いているのだと思いますが、学生時代からコミュニケーションの『基礎力』が高い方なのだと思います。

コミュニケーションの『基礎力』創りに大切なことは、できるだけたくさん異種の人と交流することです。そこから試行錯誤しながら行動することで様々なコミュニケーションのスタイルを学び、新たな発見をすることができます。留学ジャーナルで主催する出発前のキャリアセミナーなどでも「現地で社会人と交流することや『仕事/働き方』をテーマに話してみること」を勧めていますが、それは、実際に働いている人の“リアルな声”を聞くことでその仕事との距離がグンと縮まるからです。いわゆるOB・OG訪問というのは同じ大学の先輩を辿って話を聞きに行くことと捉えがちですが、“同じ大学”などの枠を取り払いましょう。留学は、日本では出会えない世界中の人生の先輩(現地で出会う日本人も含めて)にOB訪問できるチャンスです。

“生の声”が大切な一方で、情報収集や連絡手段にインターネットは不可欠です。逆に言えば、海外にいても活動は可能です。日本の新卒採用は、例年3年生(4年制大学の場合)の10月?2月くらいまでの時期に企業の募集が集中します。また、小寺さんが受けた「外資系コンサルティング業界」や「マスコミ」、「外資系金融業界」などは募集・締切が一般の業界より早いので新卒で就職活動する方は、留学?帰国を含め、事前に年間のスケジュールを把握しておきましょう。ただし、タイミングが合わない場合は直接電話で問い合わせるなどして交渉するくらいの積極性が大切なこともあります。

3点目に挙げた「留学経験のアピール」ですが、小寺さんもおっしゃっているように、残念ながら留学そのものが就職に直結するわけではありません。(1)「まず伝えたいこと(=留学で得たこと)に、“興味をもってもらうためのイントロダクション”を提示する」。そして(2)「質問された時に“具体的でオリジナルなエピソード”を伝える」。その結果、(3)「更に相手の関心度を上げる」。という、コミュニケーションの方程式を成立させる必要があります。

多くの企業が求める人材要件である『コミュニケーション力』を細分化すると、小寺さんのように“オープンマインド(心的距離を縮める効果)であること”や“理解力やロジカル(論理的)であること”などが挙げられますが、特に、コンサルティング業界では、『ロジカル』であることが強く求められます。何のために行うのか、“目的”や“理由”を確認し、伝える際にはSTAR??すなわち“Situation(どのような状況で)” “Task(どんな役割を担い)” “Action(どう行動して)” “Result(どんな結果を導き出したのか)”に沿って思考・伝達することを習慣にすると論理的思考を鍛える一助になります。

文字や時間に制限のある就職活動で、留学のすべては語れませんが、イベントで体験談をお話しされる小寺さんは、多くの失敗談、そして感激して泣いたり笑ったりしたこと、時には交渉してピンチを乗り越えたことなど、とても懐かしそうにお話しされます。感受性を磨く数々の経験は、就職のためだけのものではありません。人間力の引き出しを増やし人生そのものを豊かにします。お仕事でも多忙ながら充実した日々を過ごされている小寺さんは、今後のビジネスでもプライベートでも更にチャンスをつかんでいかれることと思います。

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