留学成功の秘訣

大学留学体験者のケース

今月の成功者

-- Photo -- 黒田太郎さん(21)オーストラリア・ラトローブ大学卒業予定、大手オフィス機器メーカーSE職に内定

「英語と理系の勉強を両立させたい!」と、オーストラリアの大学で情報システムを専攻。就職に関しては「まったくゼロ」の状態だったが、一時帰国した際に就職フォーラムに参加して一念発起。企業研究や自己分析について一から勉強し、夏に全過程を終えて帰国した際には、複数の企業から内定を得た。黒田さんの就職を成功に導いたものは何だったのか、留学中の経験とともにうかがった。
↓
成功のポイント
 
黒田太郎さんのステップアップ

2003年8月
高校2年のとき、オーストラリアへ短期語学留学
2004年4月
卒業後の進路を考え、高校3年生になるとすぐに留学ジャーナルカウンセリングセンターを訪れる
2005年3月
千葉県立船橋高校を卒業
2005年6月
オーストラリアへ渡り、メルボルンのラトローブ大学に入学
2006年7月
情報システム科へ
2007年12月
就職活動のため一時帰国、留学生向けの就職フォーラムに参加
2008年6月
オーストラリアで全過程を修了して帰国、再度就職フォーラムに参加
2008年7月
数社から内定を獲得、来年4月から第一希望の大手IT企業に入社予定
「一時帰国中の就職活動を生かし、4月新卒入社の内定を得ました」
「大学の授業でチームを組んでプロジェクトに取り組んでいたことが、面接で高く評価されました。多国籍の環境で働けることをアピールできたんです」

高校2年のとき、短期留学プログラムでオーストラリアのメルボルンに約3週間滞在した黒田太郎さん。卒業後の進路を考え始めた時、元々英語に興味があり、理系の勉強もしてみたいと思っていたことから、「そうだ、留学して、英語の環境の中で理系の勉強をしよう!」と決意。3年生になるとすぐ、留学ジャーナルへ相談に訪れた。そして、短期留学の間にすっかり気に入ったメルボルンの大学を探し、環境やプログラムの内容などから、ラトローブ大学への留学を決めた。

日本では普段から洋画や洋楽に親しみ、英会話学校にも1年以上通っていたことから、語学コースには入らず、まずは外国人留学生向けの進学準備プログラムへ。そこで、論文の書き方などオーストラリアの大学で授業を受けるための基礎的なスキルを学び、次に、1年生の過程を通常の3分の2の期間で履修できるディプロマコースへ。こうして、入学して1年後には、なんら遅れをとることなく、「情報システム科」の2年次に進むことができた。「留学前にTOEFLの勉強をしていたことも、大学で授業を受けるうえで、とても役立ちましたね」。TOEFLは、入学条件のスコアを取ることを目的とするだけでなく問題そのものが留学先の授業を想定したアカデミックな単語や設問が多いため、留学準備としても役に立つ。

コンピュータには以前から関心があったが、大学で本格的に学び始める前は、メールを送ったりワープロソフトでレポートを書いたりと、ごく簡単なユーザーレベルのことができる程度。プログラムの書き方など、コンピュータのプロとしての基礎は、すべてオーストラリアで学び始めた。「一から英語で学んだことが、かえってよかったのかもしれません。頭の中で日本語から英語に直す必要がなくて、全部英語のまま覚えていきましたから」。

情報システム科では、日本人学生は黒田さん一人。ほかに中国人やインド人の学生もいたが、皆現地のオーストラリアの学生と同じ条件で学んでいかなければならかった。「もちろん、英語の説明が最初から全部理解できたわけではありませんから、『もう少しゆっくり話してください』『今のはなんという意味ですか』など、わからないときはちゃんと聞くようにしていました。それさえきちんとできれば、英語で学ぶのは難しいことではないと思います」。

ラトローブ大学は、授業の内容が実践的であることが特徴。SEを目指していた黒田さんが学んだのは、まさにSEとして企業に勤めた際に必要とされるようなスキルと知識だった。「オンラインショッピングのシステムを作ったり、シミュレーションソフトのプログラムを書いたりといったことをしていました。いろいろな国籍の学生7?8人と組んでプロジェクトにあたるので、チームで仕事をするときに必要なことも学べたと思います」。

留学中の住まいは大学の敷地内にあるアパート。日本人やオーストラリア人の友人と一緒にバンドを組んで音楽活動をしたり、ブリスベンやゴールドコーストを旅行して回ったりと、留学生活を満喫していたそうだ。「仲間とする音楽の会話は、授業の英語より難しかったですね。『3連符って、英語で何て言うんだろう』なんてね(笑)」。

ごく順調な留学生活を送っていたように思える黒田さんだが、実は最初のうちは、「家族もいない、友人もいない、自分は本当にこんなところにいていいんだろうか」という迷いも多少あったという。「『こういうときは、外に出ないと!』と、日本食レストランでバイトを始めたりしたんです。そのうち現地の友人もできて、どうにかメルボルンのサイクルに溶け込んだと思えたのは、3ヵ月くらい経ってからでした」。

 

やがて卒業年度を迎え、「そろそろ就職に向けて何か始めたほうがいいかもしれない」と、漠然と考えるようになった。日本で大学生の高校時代からの友人は、すでに着々と就職活動を始めていた。そこで黒田さんは、大学の休みを利用して年末に帰国、就職に関する情報を集めることにした。「帰国したら、ちょうど留学ジャーナルから『保護者会』の案内が届いて、そのテーマが『就職』だったんです」。その時の保護者会では、就職したOBや企業の人事担当者を招いた座談会や、キャリアカウンセラーが活動のポイントについてセミナーを実施した。保護者会には、留学生本人も参加できるので、黒田さんはまずはそこに参加して就職活動の概要を把握した。また、12月という時期は、海外から一時帰国している留学生も多く、海外大生向けの就職フォーラムも数社で開催される。その就職フォーラムに参加することも帰国の目的だったが、参加にあたり、保護者会のセミナーとは別に、留学ジャーナルで個別のアドバイスを受けた。「自己分析や企業研究の方法、面接の練習までをみっちり行い参加しましたが、いざ、企業の人を前にすると、いったい何を話せばいいのかと、頭が真っ白になりました」。

「これではいけない」と考えた黒田さんは、就職活動用のノートに、自分の長所や短所、オーストラリアの大学で学んだこと、留学中の活動などだけでなく、面接や企業とコンタクトを取るごとに気づいたことをノートに書き出して整理していった。記入したノートのページが増えるにつれ、企業の研究だけでなく、自分についての発見も増えていった。黒田さんの場合、IT企業へSEとしての就職を目指していたが、自分がSEとして何ができるのかを、徐々に表現できるようになっていった。「大学の授業でチームを組んでプロジェクトに取り組んでいたことは、面接で高く評価されたように思います。いろいろな国籍の人が参加していましたから、多国籍の環境でも働けることをアピールできました」。そのほか、短期間の滞在中だったが、企業の就職試験でよく使われている適性試験SPIの対策も立てていったそうだ。このときの就職活動で、1社内定を受けるが希望の条件に合わず辞退。今回の集中的に行った活動を通して自己理解や企業、世の中の仕組みの理解が深まったことは最大の収穫だった。

2月にオーストラリアに戻り、6月に全過程を修了すると、再び帰国して就職フォーラムにチャレンジ。「2回目のフォーラムでは、自分でもビックリするくらい、自分自身をうまく表現できたと思います。ただ自分のやりたいことを伝えるのではなく、相手のニーズを考慮し、それを満たすために自分には何ができるかをアピールしないといけないんですよね」。当初は「8月までに内定が出れば・・・」という目標でいたが、7月中に早くも第一希望の会社から内定を得、無事に4月から新卒として入社することになった。「やはり、年末に一時帰国して就職活動というものを“体感”できたのがよかったんだと思います。それを機に、オーストラリアに戻った時に自分のこれまでの留学生活を冷静に振り返る時間をもてました。この夏が初めての就職活動だったら、とてもこううまくはいかなかったと思います」。

入社予定の会社ではSEとしての採用なので、ラトローブ大学で学んだことがそのまま生かせそうだ。面接のときにも、IT関係の話題がよく出たという。「コンピュータの新しい技術はアメリカから伝わってくることが多いので、英語がわかれば、それを自分で直接把握することができます。英語ができることを求められたわけではないのですが、やはりできたほうが、絶対にトクですよね」。

大学は10月の卒業式をもっていよいよ修了。最後のオーストラリア滞在をどのように過ごすか、いろいろと計画を立てているところだそうだ。

キャリアカウンセラーが分析

  黒田さんに初めてお会いしたのは一時帰国中、東京でのキャリアフェアへの参加を機に就職活動に初挑戦する直前でした。その時は、名刺交換や第一印象を上げるための挨拶など、今の黒田さんには全く不要な練習もしたのを覚えています。それからわずか半年程度しか経っていないのですが、第一志望の企業への進路も決まり、日本の真夏の太陽で日焼けした黒田さんは一まわり大きく見えました。

内定のご連絡を頂き、実際に行った就職活動について改めて取材させていただくと、活動中に使っていたノートを見せてくださいました。そこには事前の研究だけでなく、会社説明会や面接後の感想や反省点、改善点など、気づいたことが書き留められていました。「時間がなかったので、帰りのバスの中や移動の途中に入ったカフェなどで忘れないうちに書き留めました」。ノートをパラパラとめくりながら、ほんの数ヵ月前の記録なのに随分と懐かしそうに振り返っていらっしゃるのが印象的でした。日本の大学生の就職活動に比べると短期間ではあるものの、集中して密度の濃い時間を過ごされ、今はその緊張感から開放されていらっしゃるからだと思います。

『自己分析』というと、何となく、“就職活動の前にするもの”と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、特に新卒の方や初めて就職活動される方の場合は、就職活動そのものが、大きな発見や成長の機会になります。中でも、社会に触れることで磨かれ、鍛えられるのは『伝達力』です。キャリアセミナーなどで就職活動のステップを説明するときに、私はこの実際の活動を『ビジネスパーソンへの助走期間』と例えて説明しています。苦労や感動、留学中に血や肉として身についたものが、プレゼンの“コンテンツ”、あるいは“自社の商品サービス”だとしたら、それらを誰に対していかに効果的に伝えるか?プレゼン力も大切です。

コミュニケーションにもいくつかの種類があります。日本での友達同士の会話や「あうん」の呼吸のように、場や空気を読むコミュニケーション。留学先では様々な国や文化の人との関わりの中で「主張することの大切さ」を学ぶ人も多いでしょう。そしてビジネスの場では「ロジカルに、説得力をもって伝える」ことが求められます。

ロジカル(論理的)に伝えるためには、目的(理由・根拠)、プロセス、結果、それらを説明する“客観的な事実”を把握できている必要があります。黒田さんが行った、就職活動の一つひとつを、そのたびに振り返り書き出す作業こそが、“事実を確認、分析するトレーニング”であり、その結果、ビジネスで要求される伝達力を格段に上げることができたのでしょう。

技術・開発や提供サービスがボーダレスになっていく中で、留学先の多国籍なチームでのプロジェクト経験は、コミュニケーション力の高いエンジニアとして企業が期待するに十分な“客観的な事実”=“相手が知りたい情報”として伝えられたのだと思います。

黒田さんは、企業を選ぶ際に特に海外での勤務や英語を使うことを意識しなかったようですが、数年後には新たな技術を身につけてグローバルに活躍されているかもしれません。その時に、学生時代に経験した世界中の仲間との交流、旅やバンド活動を含めたアナログなコミュニケーションが、技術を広めていくための潤滑油として黒田さんの価値をより豊かなものにしていくのではないかと思います。

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