留学成功の秘訣

大学留学体験者のケース

今月の成功者

-- Photo -- 大澤陽介さん(25)トランスコスモス株式会社勤務

日本の大学からアメリカの大学に編入。そこで専攻したビジネスマーケティングのクラスをきっかけに、広告業界に興味を持ったという大澤さん。ボストンのキャリアフォーラムに参加するなど、アグレッシブに就職活動を行った。その後、内定が出た数社の中からネットとリアルのマーケティングを行うトランスコスモスへの入社を決意。留学時代に学んだことを活かしながら、営業担当として充実した社会人生活を送っている。
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成功のポイント
 
大澤さんのステップアップ

2003年5月
神奈川大学経済学部中退。
2003年10月?12月
米国インディアナ州にある、インディアナ州立大学内にあるインターリンクという語学学校に入学。9週間英語を学ぶ。
2004年1月
インディアナ州立大学の2年次に編入。最初に目指した専攻はスポーツマネジメント。半年後、専攻をビジネスマーケティングに変更。
2005年10月
ボストンのキャリアフォーラムに参加。大手広告会社から好感触を得る。
2005年12月
日本に一時帰国。キャリアフォーラムで好感触だった大手広告会社にて面接。
2006年4月
大手広告会社の要請で再度帰国し面接。
2006年6月
最終面接にまで残ったため再々度帰国。結局内定獲得には至らなかったが、ネットを通じてエントリーしていたトランスコスモスから、数回の面接を経て内定獲得。
2006年12月
インディアナ州立大学を卒業。
2007年4月
ネットとリアルのマーケティングを行うトランスコスモス株式会社に入社。
持ち前の行動力と好奇心を武器に、大手企業にも積極的にアプローチ。
教授でも、友だちでも、人事担当者でも、どんな人にでも積極的にぶつかっていきました。

小学校時代からずっと野球をやっていた大澤さんには「将来はスポーツに関わるビジネスをやってみたい」という夢があった。バイト先で知り合った人が留学経験者で、アメリカにはスポーツマネジメントという専攻があるということを知ったからだ。ただ、留学したいと思ったときはすでに日本の大学への推薦入学が決まっていたし、どうすれば留学できるかも知らない状態。留学ジャーナルカウンセリングセンターに来てはじめて、アメリカの大学に行くにはTOEFLというテストが必要だと知ったくらいだった。それでも、半年くらいかけて英語を勉強し、必要なTOEFLスコアをクリア。スポーツマネジメントを学ぶことができるインディアナ州立大学に合格した。

「アメリカに着いてすぐ、空港から寮までの時間が一番辛かった。その間、迎えにきてくれた人とはきちんと会話ができないし、周りは一面トウモロコシ畑という田舎。寮に着いたときはバッグの荷物を解いていない状態だったから、今ならまだ帰れる、と本気で思っていました。でも、寮の隣の部屋の学生が声を掛けてくれて、すぐに仲良くなったので帰らないで済んだのですが(笑)」

着いてすぐに「帰りたい」と思ったというものの、語学学校では順調に英語力を身につけ、9週間で大学へ。日本の大学を中退しての留学なので、大学2年次への編入となる。友だちもたくさんでき、生活にも慣れてきたところだったので、大学に入学しても大丈夫だろうと思っていたというが、大学の授業は甘くなかった。大学での最初の授業は、憧れていたスポーツマネジメントだったが、何ひとつ聞き取ることができない。宿題の指示を出されているらしいが、それがどこを指しているのかも分からないほどだったそうだ。そこで大澤さんは持ち前の行動力を発揮。授業が終わった後、先生を掴まえて「もう1回説明してほしい」と頼んだ。そうやって他のクラスでも授業が終わった後で先生から直接指導を受け、徐々にアメリカの大学の授業に馴染んでいった。

大学に入って最初のセメスターが終わり進路について相談すると、先生から「スポーツマネジメントの場合は大学院まで進学しないと実践的なことが学べない」といわれ、専攻をビジネスマーケティングに変更。実は、この選択が、その後の就職活動や社会人生活に大きな影響を与えることになる。アドバタイジング(広告)の授業で、広告の仕事に興味を持ったのだ。その授業は、大学近くに実際にあるお店に関して、いろいろなメディアを使ってプロモーションしてみるというもの。大澤さんも近くの日本料理屋の協力を得て、インターネットでお店をプロモーションするためのプランを行った。この授業で広告の面白さを知ったのだという。「それまで広告などまったく興味がありませんでした。でも、広告は自分が考えたプランでその会社や店の売り上げに貢献でき、広い人に訴えかける力がある。これは特別な技術を持たない僕にでもできると思いました。また、性格上いろいろなことを知ったり体験したりするのが好きなので、様々な業界の数多くの会社と関われる広告の仕事は自分に向いていると思えました」

授業を通じて広告業界に興味は持ったが、やはりスポーツ関連の仕事をしたいという希望が捨てきれない。そもそも日本で働くのか、アメリカで働くのかも決めてはいなかった。そんなとき、日本人留学生の先輩から「せめて日米どちらで就職するかは早めに決めた方がいい」とアドバイスされ、現状を知っておいたほうがいいだろうと、軽い気持ちでボストンのキャリアフォーラムに参加する。ここで思わぬことに大手広告会社から好感触を得て、一気に気持ちが広告会社志望へと傾く。しかも、この広告会社とは、大澤さんが日本に帰っているタイミングを見計らって面接をした後、さらに2回ほど帰国を求められて面接を重ねていき、最終面接にまで残ることとなった。

 

この大手広告会社を第一志望としつつ、インターネットで約10社にエントリー。その中に、現在勤務するトランスコスモスもあった。正直にいうと、そのときトランスコスモスという会社のことはまったく知らなかったそうだが、インターネット広告という新しいビジネスに対する可能性、ベンチャー精神を感じる企業風土、会社規模など、「いいかも」と思える点は多々あったという。留学生であるという事情を考慮して、大澤さんが夏休みである6月中に4回の面接の予定を組み、すぐに内定通知をくれたところにも好感が持てた。

大澤さんの心の中では、依然として広告会社が第一志望だったのだが、残念ながら最終段階で内定とはならなかった。それでも、どうしてもその会社のことを忘れられない。「来年もう一度チャレンジさせてもらえないか」と、直接その広告会社の担当者に問い合わせたりもした。トランスコスモスなど数社から内定は出ていたものの、大学卒業の12月ギリギリまで「やっぱり来年もう一度受け直そうか」と悩んでいたのだという。そのことを日本にいる父親に相談すると、「今年ダメだったから来年もう一度なんていうことは、ビジネスの世界にはない。そんな考えは甘すぎる」と一蹴された。会社経営者として、厳しいビジネスの世界に生きてきた父らしい意見だった。父の意見のお陰で「会社に入ることがゴールではない」と目が覚めた。そのお陰で、トランスコスモスで充実した毎日を送る、今の自分がいる。

社会人としての第一歩を踏み出したトランスコスモスという会社は、Web構築ビジネスにおけるナンバーワンカンパニー。その中で大澤さんはWebインテグレーション営業本部という部署で、企業に対してWebサイトの改善提案を行う営業を担当。Webサイトの改善提案といってもさまざまで、デザイン、コンテンツなどの見た目の問題もあれば、システムそのものの問題、インターネットを絡めたイベント提案など、実に多岐にわたる。こういったことを全部含めて、改善提案を行うのが仕事だ。仕事の中で、留学中に学んだことがダイレクトに活きることも多い。プレゼンテーションや資料の作り方は大学の授業で学んだことだし、海外のグローバル企業とのやりとりや海外サイトからリリースを探す時など、英語力が役立つことはたくさんあるそうだ。今はまだ、優秀な先輩たちにサポートを受けながらの仕事だが、新人の大澤さんでもどんどん仕事を任せてくれる。まずは自分一人の力で受注を受けることが目標で、その後3年以内には部内トップに立ちたいという大きな目標もできた。

第一志望ではなかったが、こうして今充実した毎日を送ることができているのは、多くの友だちに支えられてきたからだと大澤さんは自己分析する。「キャリアフォーラムに参加することや就職に関するアドバイスもそうですが、周囲にいい友だちがいてくれたお陰で今の僕がある。留学生の中には日本人同士の交流を嫌がる人もいますが、日本人の友人から得られるものは大きいです。それに海外で暮らすと、それまで以上に日本人であることを意識せざるをえないし、本物の国際人ならばそれこそ白洲次郎のように日本人かどうかなど関係なくどんな国の人とも付き合うべきだと思います。そう思って、僕は大学の日本人会に入りました。日本人会では、日本語でインディアナ州立大学と書かれたTシャツを作って販売したところ大人気で、300枚以上売れました。その儲け分は『I LOVE ISU(インディアナ州立大学)』というパネルを作って大学に寄付しました。こういう活動を通じて、日本に興味を持ってくれる人が増えればいいと思ってのことでしたが、大学側にもとても喜ばれて、やって良かったと思います」。実は、日本人会などでのこうした活動は、就職活動にとってもプラスだったようで、どの会社でもこの活動については詳しく聞かれたという。このエピソードは、大澤さんの行動力や人心掌握術、人柄などをよく表しているからだろう。

最後に大澤さんから、現役留学生そして留学を目指す人たちにメッセージをもらった。「学校の勉強など社会では役立たないといいますが、僕はそうは思いません。確かに、ダラダラと勉強していたら役に立ちませんが、きちんと学んだことはきっと仕事の中でも役に立つ。しかも、留学という経験からもっと多くのものが学べるのですから、その時間を大切に過ごしてほしいと思います」



キャリアカウンセラーが分析

  留学初日寮に着いた時、スーツケースを開けずに引き返したいと思ったという大澤さん。不安でスタートした留学をかけがえのない財産にできたのは、周囲の人に自ら働きかけていく行動力があったからかもしれません。取材やキャリアカウンセリングで帰国者にお話を伺うと、ほとんどの人が「最初の頃は授業が聞き取れない!」という洗礼を受けるようです。勇気のいることかもしれませんが、そこで友人を作ったり、教授にわかるまで聞きに行ったり、といった行動を起こすことは留学生の誰もが通過する『留学を成功させるための登竜門』かもしれません。

授業についていくために学校が終わってから8時間も勉強する毎日。そんな中でも休日には地域の野球チームに参加し地元の人と交流したそうです。野球チームのことは留学先で知り合った日本人の先輩に紹介してもらったそうですが、自分がずっと続けてきて得意分野である野球を自分のコミュニケーション手段の一つにしたのかもしれません。野球だけでなく留学全般を通し、人との関わりから言葉の壁も超え多くのものを得ていったようです。大澤さんは、留学のきっかけや就職の情報、地域での活動も含め、「○○から聞いて」「○○の紹介で」など、『人を介して情報を得るタイプの方』だと感じました。

成功のポイントとして挙げた『①素直で物怖じしない性格』『②積極性と行動力』は、小学校から野球を通じてチームワークを学んできた大澤さんが本来持っている資質なのかもしれません。そうした点も『③人脈(信頼関係)構築力』の大きな要素です。そして、①と②の要素の他に、大澤さんが信頼関係を発展していける理由として、彼の「人の役に立ちたい」というスタンスも大きいかもしれません。いくら行動力があっても、自分が欲しいものだけを求める人は協力を得られません。上の体験談でも紹介しましたが、広告業界に興味を持ったきっかけをお聞きした際、「『ネットでクーポンをつけるなどの企画を考えて商品が売れたら、お店の人に喜んでもらえる!』ってことに気づいたんです」と言う大澤さんの言葉が印象的でした。広告業界を目指す人は多いですし、技術的なことやマーケティング理論的な話を語る人はたくさんいらっしゃいます。もちろんそれらも大きな魅力の一つだと思いますが『広告は喜んでもらえる手段の一つ』という何気ない一言に大澤さんの人柄が表れているように感じました。

『周囲を巻き込んで何かを達成する経験』??これは、『キャリアの達人に聞く』のページのJICAの取材の際にも、人事の方が『求める人物像』としておっしゃっていたことですが、大澤さんも周囲を巻き込んで特製Tシャツを販売します。その売上で大澤さんたちが大学に寄贈した『I LOVE ISU』のパネルは、多くの人の顔写真のコラージュで文字を作ったアート作品とのこと。インディアナ州立大学では今も、『I LOVE ISU』の形をしたたくさんの笑顔が、不安と期待で到着した留学生を迎えていることでしょう。

素直に情報を受け取り、協力を得る。行動しながら信頼関係を紡いでいく。留学経験で磨きをかけた大澤さんの人間力・推進力は、たくさんのソリューションを持つトランスコスモス社に場を移して更に発展していかれると思います。

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