学校に期待される海外体験や留学への支援

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夏休みもそろそろ終わりに近づいた今月20日午後、東京有楽町の国際フォーラムで「未来の教育を考える Corenet New Education Fes 2015」というイベントが開催されました。

そこで主催会社の方とともに中高の先生方に向けた 『意味ある海外体験プログラム』の作り方 という講演を行いました。

個人の留学や語学研修における最近の傾向や相談者や保護者の変化について感じるところをお話しし、今回のメインである学校単位での研修企画と個人単位の研修企画との違いはというプレゼンターからの質問に対して、私の回答はこんな感じでした。

既存のプログラムに参加されるのであれば、学校単位で行っても、個人参加で行く人と同じです。強いて言えば、同じ学校の生徒とばかりいて、せっかくのインターナショナルな環境を活かせないというケースが団体研修では起こりやすいこと。ですが、たとえば大学の特別講義を生徒のニーズやレベルに合わせて組み込むとか、希望者が集まれば開催するというアクティビティを必ず行えるように手配するとか、そんなことは学校単位での研修企画であればこその内容になります。

そこで具体例としてご紹介をされたのが、主催会社が今年の春に募集実施した「グローバルチャレンジプログラム」。ニューヨークの大学や企業などを訪問し、そこに働く日本人や現地スタッフの人から話を聞いたり、街行く人たちに自分たちのテーマにそったインタビューをして、それを新聞記事にするというもの。チームでの取り組みが「記事」という形になり、最優秀チームの記事は本物の現地日本語フリーペーパーに掲載されたということなので、生徒達にとっては、「思い出+AO入試などの自己アピール」となります。

こうした研修は出発空港で初めて出会った仲間と実施することも可能ですが、限られた時間や集まる参加者の特性によって、期待できる結果が違ってきます。ぜひ当社でも学校の先生方と生徒の未来を想像しながら、こうした研修をもっと一緒に作っていきたいものです。

海外研修の次は、海外進学

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海外研修を実施している高校では、「今度は長期で留学したい」「交換留学をしたい」「卒業後は海外の大学へ行きたい」といった相談をする生徒や保護者が少しずつ増えているということも良くあることで、今回のイベント中も弊社の個別ブースには、こうしたケースへの対応についてご相談をいただきました。嬉しいのは、こうしたイベントに出席される学校だからということもありますが、先生方が「わからないから反対」するのではなく「少しでも一緒に考えてあげたい」と仰っていることです。

10年ほど前なら、「そんなことは考えないで、まず日本の大学へ行け」という先生のほうが多かったのではないでしょうか。でも文科省も高校や大学での留学を促進している中、先生方も情報収集されたり、ご自身も留学を経験されたりして、私たちのような留学会社を利用した留学についても理解が深まってきていると感じます。

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ご自身が留学を経験されている場合には、その留学体験が全てとしてしまうと、生徒の学力や英語力、また適性などとは違った方向へ指導してしまうケースもあるので要注意です。実はこれは、プロの留学カウンセラーにもありがちなこと。「コミュニティカレッジなんて誰でも入れる短大に行くのは意味がない。」と言いきる人もいますが、今はアメリカ人でも授業料が安く、自宅から通える短大で2年間勉強してから4年制大学へ編入する学生も少なくありません。

また大学院生が教養課程の授業を教えているマンモス名門大学よりも、学生の名前をちゃんと憶えている教授から学べるカレッジで、しっかりと基礎固めをしておいたほうが(特に授業スタイルに慣れていない留学生には)いい成績で学位を目指せるという声もあり、実際、多くの日本人留学生が高校卒業時には考えもしなかったレベルの大学を卒業しています。

こうした話を高校で、あるいは中学時代に聞かせることは、生徒が高い目標をもって
大学進学を考える機会にもなるのではないかと思います。

今回のコラム担当

代表取締役副社長 加藤ゆかり

【Profile】

横浜市立大学卒。ニュージーランドでの1年間の海外生活を機に、帰国後、英会話講師を経て現在の(株)留学ジャーナル前身であるICS国際文化教育センターで留学カウンセラーの職につく。名古屋支店長を経て、2001年よりプロダクトマネージャーとしてプログラム開発等に従事し、2003年1月同社取締役就任。現在、(株)留学ジャーナル代表取締役副社長として、日本人の海外留学促進に努めている。JAOS海外留学協議会理事、留学・語学研修等協議会常任幹事。

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