年代を問わない万能アクティビティ(研修)を行ってみる
今回は、手を動かし、頭を使い、チームで目標を達成する万能アクティビティを紹介します。
身近な素材を活用し、タワーを作りましょう。高さを競うのはもちろんですが、いかに早く、確実に作るのか。
チームを組んで目標にたどり着くために必要なことを体験しながら学びます。
高いタワーを作ってみよう!
目の前にある素材を使って、誰よりも早く、高いタワーを作りましょう。
目の前には、パスタ(乾麺)が置いてあります。6つのチームに分かれ、与えられた制約の中で試行錯誤しながら、チームでの協働作業を行います。初めて行う方々は目が点です。「どうする?」「誰が仕切る?」「高いってどれくらい?」そこにはいろいろな試行錯誤が見え隠れします。制限時間は18分間。隣のチームよりも高く作るには?どうやって作ろうかと議論している間に時間切れとなり、あたふたした割には高くない…「なんで?」という疑問がチーム全員の頭をよぎります。
これは、私が先日新入社員の研修の際に「チームビルディングの難しさ」を体感してもらうために行ったプログラムの一場面です。チームで何かを成し遂げる。そのために必要なことは何か。普段は冷静な人も、いざ題が提示出されると思考停止に陥ることはよくあります。
タワー作成の本質的な狙い
実はこのプログラムは、チームビルディング研修としては比較的知られている、「パスタタワー」というものです。このプログラムは、小学校高学年くらいから行うことができ、構造物の設計方法という算数の実践にも活用できます。高校生に行う場合には、少ない材料で強度を保ちつつ、いかに高いタワーを「美しく」作るか。そのためには、チームメンバーの特性を生かして、共同で作業する必要があります。当然数学が苦手な人でも、アートのセンスに優れていたり、黙々と作業に徹するメンバーや、指示を出しまくる「仕切り屋」なども登場したりして、生徒の特性もはっきりわかります。
プログラムの目的は、それぞれの年齢や職務階層に合わせて設定するので盛り上がります。小学生ではコミュニケーションの重要性や社会・キャリア教育の一環ととらえることもでき、中学・高校生ではSTEAM教育の一環でもあり、社会人ではチームビルディングや目標設定の重要性などを感じてもらうことができます。
手を動かしながら会話をして、一つの目標に向けてみんなで作業する。これは、学生時代でも、社会に出ても重要な要素です。教科書やマニュアルでは学べない生きた研修であり、これこそ学びの王道ではないかと感じています。未来に向けて成長していくためには、こういったプログラムも大切ではないでしょうか。
タワー作成を通して学ぶ未来人財育成
これからの社会は、一方的なコミュニケーション法を変えなければならないと言われています。AIが現在の仕事の半分以上を行うような世界において、人間の行うことで最も重要なことは、相手の多様な文化背景のもとで、コミュニケーションをとりながら、自分一人ではできないことをチームで達成することです。
例としてこの研修をご紹介しましたが、その代替となるのが留学です。留学をするだけで、多様な国の常識と対峙し、柔軟性を持たざるを得なくなります。そしてクラスのペアワークやグループワークにおいて、それら発想の異なる人々との協働することとなります。まずは短期間でも海外に出て、自身の常識が通用しない体験を子供達・社員にさせてみてはいかがでしょうか
今回のコラム担当
法人部 K.Y.
【Profile】
留学事情に長年従事し、オーストラリアや英国にも長年滞在。事業開発をはじめ、学校や企業法人をサポートする。
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