語学留学経験者のケース|大手総合機器メーカー

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就職成功の秘訣

語学留学経験者のケース
今月の成功者
高木英明さん (24歳)
大手総合機器メーカー 勤務

大学4年次を1年間休学し、カナダトロントにある語学学校の一般英語コースで約半年間、ビジネス英語コースで3ヵ月間、英語を学んだ高木英明さん。海外で知らない人たちと生活し、友達を作り、自分よりも年上の社会人の前でプレゼンを幾度もする経験は高木さんに何をもたらしたのか。高木さんの留学生活と就活について話を聞いた。

成功のポイント
  1. 自分に自信を持って活動したこと
  2. 積極的に会話をしたこと
  3. 緊張を感じられるのは若いうちなので、緊張を楽しむことを心がけたこと
高木英明さんのステップアップ
  • 2017年 2月 中央大学法学部政治学科4年次を休学し、カナダのILACトロント校(International Language Academy of Canada)に入学。一般英語コースで約半年英語を学んだ後、ビジネス英語コースで3ヵ月間ビジネス英語を学ぶ

  • 2017年 11月 帰国。就職活動について留学ジャーナルのキャリアカウンセラーに相談し、エントリーシートの書き方や面接の方法を学ぶ

  • 2017年 12月 就職活動を開始

  • 2018年 3月 同大学に復学

  • 2018年 4月 東京で最終面接を受け、第一志望の大手総合機器メーカーから正式に内定をもらい、就職活動を終了

  • 2019年 3月 同大学を卒業

  • 2019年 4月 大手総合機器メーカーに入社

「確固たる自信が得られた休学留学。ワンランク上のビジネス英語コースで鍛えられたプレゼン力と論理的思考力が就活で活きました」

徹底的な英語漬け生活でTOEICスコア935点に!

幼いころから貿易業を営む父親の働く姿を見ながら、グローバルに活躍するためには英語の習得が必須だと感じていた高木英明さん。

「現地で生活しないと生きた英語を身につけられない。特に英語でのスピーチやプレゼンを求められたとき、英語脳へすぐに切り替えるには海外経験が必要だと思っていたので、いつかは留学しようと思っていました」

社会人になってからでもいいとアドバイスしてくれる友人もいたが、入社して2~3年で会社を辞めて留学するとなると、社会人として一人前になる前に留学することになり時間がもったいない。英語を集中的に勉強できるのは大学生の今しかない、と就職活動を本格的に始める前に1年間休学して留学することに決めた。語学学校ではできるだけ日本語を使わず英語で生活することにこだわったという高木さん。

「日常での会話はもちろんのこと、ひとりごとや頭の中での考えごとも英語で行うようにしました。最初はもちろん簡単にできるはずがなく、考えもまとまらずつらい時期もありましたが、1ヵ月もすれば慣れてきて3ヵ月経つ頃には英語で夢を見るようになりました」

高木さんは、学校での課題も日常生活も英語を使うことを徹底すれば、短期での習得も可能だと実感したという。実際TOEICのスコアも460点から935点に上がった。

ビジネス英語コースのクラスメイトと。コースを修了すると認定書がもらえる(高木さんは右奥の端から2番目)

一般英語コースを修了後、ビジネス英語コースに進んだ高木さんは、アジア圏や南米、ヨーロッパから集まった15~16名ほどのクラスメイトとともに、ビジネスの現場ですぐに使えるスキルを学んだ。毎日、決められたテーマに沿ってディスカッションを行い、2週間に1度は10~15分のプレゼンを行った。

「いかに原稿を見ず、聞き手の興味をひくような話し方、スライドづくりができるか、こだわりをもって取り組みました。プレゼンのいたるところに"笑いと緊張"を織り交ぜ、緩急をつけることで聞き手が飽きないよう毎回工夫していました。なかでも、オーディエンスから一人選んでデモンストレーションを行い、そのやり取りの深層心理を解説したプレゼンは、先生やクラスメイトの反応も良く大きな自信となりました」

留学先で得た自信が自分を輝かせたのかも

将来は父親の貿易業を継ぐことを考えているという高木さん。帰国後すぐに始めた就職活動ではコンサルティング業を第一志望に動いていたが、将来のことを考えるとコンサルティング力に加えて営業力もつけられる会社を探し始めた。

「たまたま留学先で出会った大手総合機器メーカーの内定者から、自分の考え方と同社の求める人物像が合っていると強く勧められたこともあり、同社を受けてみました。会社の説明会に参加したとき、人事の人の話し方がすごく上手で感動しました。わかりやすいのはもちろん、話し方に淀みがなく抑揚も完璧。まさに"理想の人"でした。そんな人が働く会社なら自分も入って学びたいと思い受験し、そこからトントン拍子で内定が決まりました」

同社の採用試験は一風変わっていた。他企業では必ず課される、志望動機ややりたい仕事などを書くエントリーシートがない。その場で問題が出され、即座に答えなければならないため、準備をすることができず、日頃からの問題意識や論理的思考力、即座に考えをまとめられる瞬発力が試された。

「外資系のコンサルティング業を目指していた就職活動の序盤に、論理的思考力を鍛えるため毎日ケーススタディを解いて考え方の癖をつけるようにしていたのが良かったと思います。また、留学で英語力が目標以上に上達できたことや、年上の社会人を目の前に英語でプレゼンを幾度もした経験が、間違いなく自分の自信になり、堂々と受け答えができたのかもしれません。自分に自信がある人は言動も行動も積極的になり、魅力的に映るもの。留学で得た自信が就職活動において大きな武器になったと思います」

トロント市のイベントDoors Open(普段は入れないところに入っていい日)でテレビの取材用バンに入った高木さん

英語力の向上を第一目標に留学をした高木さんだが、就職活動を意識して留学を考えていたらもっと視野が広がりもっと多くのことに挑戦できていたかもしれないと後悔を口にする。

「どのような業界でどのような職種で働きたいかイメージをして留学すると、現地で興味のある業界の人を見つけて交流でき、日本では得られない情報やさらなるイメージを得られるかもしれません。また、現地でのインターンに参加するのも非常に有意義でしょう。次があれば、今度は海外でインターンシップを経験してみたいです」

現状に満足することなく、さらに成長するにはどうすればいいか考えながら行動する高木さん。就職活動を終えた今も"グローバルに活躍する自分"を目指し、着々と準備を進めている。

キャリアカウンセラーが分析

高木さんの場合、一番の成功要因は「行動力」と「向上心」だと言えます。どんな状況でも自分を高めるためにベストを尽くす「行動力」を発揮したからこそ、語学留学にもかかわらず、留学前のTOEICスコアが2倍の935点に上がるほど、英語力を上げることができたのだと思います。

また、もともとプレゼンテーションが苦手だった高木さんですが、ビジネス英語のクラスで2週に一度、15分のプレゼンテーションを行わないといけないことになると、いかにスムーズに話すかを練習し、事前の準備をしっかり行うことを徹底しました。話す際も、ただ情報を伝えるというだけでなく、いかにして聞き手の興味をひくか、というところも意識して話すように工夫したところ、反応が良くなったとのこと。こうしたもともと苦手なことでも、できるようになるためにどうすればよいか考え、できるようになるまで努力を重ねる「向上心」は高木さんの最大の強みだと言えます。その結果、プレゼンテーションは常にクラスでトップの評価を得るまでになったというのも納得です。

こうした高木さんの姿勢は帰国後の就職活動でも活かされていました。常に自分に合った会社を探し、積極的に応募するという行動を重ねていった結果、もともと志望していたコンサルティング業界ではなく、ご自身が一番働きたい、と思える新たな会社に出合い、そこから内定をもらうことができました。目標達成のためにベストを尽くす「行動力」と「向上心」は、留学から就職まで一貫して高木さんの成功を支えていたと感じます。

語学留学をして単に「語学力を上げた」というだけのアピールだと、就活時に企業から評価されないのでは?という不安の声をいただくことがあります。しかし、高木さんのように最初の半年間でしっかり英語力を上げ、ビジネス英語クラスを受講することで、語学留学でも英語力+αの力を身につけ、就活に役立てることは十分に可能です。ビジネス英語クラスは社会人が多いので、日本では普段接することがない社会人のクラスメイトからの刺激を受けながら、ビジネスシーンにおける効果的なプレゼンテーションの仕方や会議での交渉方法、ビジネスコミュニケーションといった実践的な内容を学ぶことができます。この貴重な経験は、自身のスキルアップはもちろん、自信にも繋がり、就活時に面接官の前で自分の意見をしっかりと伝える際にも役に立つはずです。選択科目にビジネス英語があれば、ぜひ挑戦してみてほしいと思います。

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