It's the day of infamy.
...という名前の本を図書館で借りてきました。どういうことに関する本だか、ご推察できますか。
INFAMYという語がわからない、とおっしゃる方もいると思います。自分もわかりませんでした。某天才辞書さんによりますと、悪評とか醜聞とかいう意味らしいです。
こたえは、
真珠湾攻撃、です。
なんかもの凄い迫力の絵に惹きつけられ、手にとってみたところ飛行機になんと日の丸が。日本の軍用機です。99式艦上爆撃機でしょうか。
そこで初めて、これがほんとうの戦争のことを書いた本であることに気づきました。
中身は漫画のようなので、借りてみることに。本を手に貸出カウンターに並んでいたところ、うしろに並んでいた白人のおじさんに、けっこう流暢な日本語で「真珠湾攻撃の本ですか?」と尋ねられ、びっくりしました。
お話を聞いてみると、おじさんは普段日本人旅行者向けの観光バスのガイドさんをされており、真珠湾にはもう1000回くらい訪れたことがあるらしいです。
しぜん、戦争の話題に。
「真珠湾へ行ったことがあるけど、あまりの悲惨さに衝撃を受けました」自分は遠慮がちにそう言います。アメリカ人のなかには、「日本がろくでもない戦争をしかけてきたから叩きのめしてやった。ボコボコにしたのは当たり前の行為だ」という人が多くいます。「日本人の顔を見るのもいやだ」という退役軍人の方もいます(これは仕方がないことだと思いますが)。日本の教育でも、あの戦争は日本がすべて間違っていた、と教えられます。そういうバックグラウンドもあり、アメリカ人と戦争の話をするときはしぜんと萎縮してしまいまうのです。
けれどもおじさんは、「僕は長崎に滞在してたことがあるけど、長崎もとても悲惨だったよ」と静かに答えました。とてもやさしい目をしていました。日本が悪いんじゃなく、殺戮という行為が悪いのだ、日本人は必要以上に祖国を卑下する必要はないのだ、と、そう言われているような気がしました。
戦争が世界からなくなることを願って、おじさんは今日も人々に戦争のことを伝えています。
.........というわけで、思わぬ出会いがありました。手を振ってなんでもないように別れましたが、100の出会いに匹敵する、いい出会いだったと思います。