社会のグローバル化が進む今、子の早期からの英語教育に関心を持つ保護者が増えている。英語教育は“いつ”始めるのがベスト?留学との関係は?

やりたいと思ったときが始めどき

幼少期から始めないと手遅れになる……とばかりに、就学前から子どもに英語を習わせることが珍しくなくなった。よく言われるように「子どものころから練習した方が発音やリスニングが得意になる」というのは間違ってはいない。ただし、それは「小さい頃から触れていないと英語が得意にならない」という意味ではないことも事実。中学生になってからでも熱心に勉強すれば英語が得意科目になる子どもは少なくないし、実際に「中学生から始めれば十分」とする専門家の意見もある。むしろ注意すべきなのは、親が無理に押しつけて習わせたり、学習に関して子どもをきつく叱ったりしていないかという点だ。小さいうちに「英語が苦手」「嫌い!」という意識が芽生えてしまうと、後になってそれを払拭することは思った以上に困難。それならば、たとえ親にじりじりとした焦りの気持ちがあったとしても、本人が英語や外国文化に興味を示し始めるまで待ってから習わせた方がずっと効率が良く理想的だ。

留学は英語学習のモチベーションに

大切なのは、さまざまなチャンスを与えて「英語が好き」「楽しい」という気持ちを少しずつ育んであげること。海外を舞台にした映画やドラマを一緒に楽しんだり、洋楽を聴いたり、家族で海外旅行をしたりして、「英語ができたらいいな」「外国のことをもっと知りたい」と自然に思えるような機会を積み重ねていくと良いだろう。留学は、そういう気持ちが芽生えつつある子どもにこそ体験してほしいもの。「1週間ほどの留学で英語がペラペラになるわけじゃなし、本当に意味があるの?」という懐疑的な見方もあるが、たしかに短期間で英語がみるみる上達するというケースはあまりない。しかし留学中の、先生やクラスメイト、ホストファミリーとの生き生きとした会話を通じて、「ネイティブはこうやってあいづちを打つんだ」「こう発音したら通じた!」という気づきを数えきれないほど体験できるものだ。「もっと上手だったら、こんな話もできるのに」という悔しさをバネに、英語に打ち込む子も多い。特に現代では、現地でできた友達とネット経由で簡単に交流でき、海外とのつながりや向上心をキープしやすい好環境。「友達やホストファミリーといつか再会したい」「また海外に行きたい」という気持ちから、帰国後も積極的に英語学習にあたることが望める。