10代のうちに海外で暮らし、学ぶ経験は、将来のことを考える上で大いに役に立つ。国と国との自由な往来が滞る今、注目される新たな“留学のカタチ”をご紹介!

どんなことが身に付くの?
10代での海外経験から得られるのは、語学力+人間力 etc.

中高生という伸びしろが大きい時期の留学経験は、その後のものの見方や人生そのものを変え得る体験となる可能性を秘めている。中高生向けの留学プログラムは1ヵ月未満であることが多いもの。「そんなに短期間で何が得られるの?」と思うかもしれないが、感受性が豊かで柔軟な10代のうちに、日本とは異なる環境で暮らしながら語学を学ぶことは大きな刺激に。語学の上達は言うまでもなく、自分とは違う考え方や信念を持った人々との出会いが一気に視野を広げ、人間的な成長が見込める。

語学力

この年代はのみ込みが速く記憶力に優れ、語学習得に最適だ。留学中は授業中だけでなくステイ先などでの交流にも会話が必要で、まさに外国語漬けの生活。起きている間は“生きた外国語”が絶えず流れ込んでくる。このため、特にリスニング力やスピーキング力の向上は短期間の留学であっても成果として実感できる場合が多い。

タフな精神力

10代の子どもが親元を離れて、海外で学ぶことは大きなチャレンジ。意思疎通がスムーズにできないことや日本とは異なる生活習慣に戸惑いを覚え、時にはくじけそうになることもあるだろう。それを乗り越え、最後までやり遂げる達成感を得ることで、帰国する頃には精神的なタフネスさ、また自分に対する自信も付けることができる。

海外・日本文化の理解力

留学中は、現地の文化や習慣に何度も驚かされるはず。他国出身の友達との交流によっても多様な考え方や生活スタイルの存在を知ることになる。それぞれの良さを認めて受け入れていくことは、国際性を培う上での重要なプロセス。逆に外国人から「日本はここがすごいね」と評価してもらうこともあり、母国の強みを知るきっかけにも。

進路を考える力

留学体験が刺激となり、「英語をもっと真剣に学びたい」「海外の大学に進学したい」「日本と外国の懸け橋になれるような仕事がしたい」などの目標を見つける子も。たとえすぐに具体的な目標にたどり着かなかったとしても、それまでよりもはるかに広い視野で自分自身や社会全体を見つめ、将来について考えられるようになる。

どの方法で学ぶ? 体験する?
中高生におすすめの留学スタイル

リアルの留学が難しくなっている今、国内にとどまりながら体験できる“留学”がある!

オンライン留学

海外の語学学校の授業を、自宅からネット上で受講できる。本格的なカリキュラムに沿って、ネイティブスピーカーの先生がリアルタイムで授業を行い、多国籍のクラスメートたちと共にそれに参加する刺激はまさに実際の語学学校さながら。生徒同士の交流タイムもあり、外国人の友達づくりという夢もかなう。日本での生活を続けながら、親子共に安心できる環境で“留学”できるのもメリットだ。

費用の目安

渡航費や滞在費が発生しないので、リーズナブルに留学を体験できる。授業料はレッスン数やサポート内容などによって異なるが、目安は1週間3~5万円ほど。また、「実際の様子を見てから決めたい」という人のために、トライアル受講が可能な語学学校もある。

アクティビティ

語学学校が放課後や週末に主催する課外活動のこと。通常は市内観光やスポーツ、小旅行などを行うが、オンライン留学でも、街のバーチャルツアーやダンス、ビンゴ、各種ゲームなど、ワクワクできるアクティビティを豊富に用意している学校も。

スケジュール

海外とは時差があるので、日本時間での時間割を確認してから申し込みを。欧米の語学学校の場合は不便な時間に授業が行われるケースもあるものの、学校によってはこのような問題に配慮し、日本人が参加しやすい時間帯にもレッスンを設定している。

国内留学

日本にいながらにして、外国人の講師やスタッフに囲まれ、毎日を英語環境で過ごす“国内留学”。イングリッシュキャンプなどの名称で呼ばれることも。日本語禁止の状況に身を置くことで英語のスピーキング力やリスニング力の向上が期待できる上、やり遂げれば「英語で生活できた!」という大きな自信になる。国内の施設で行われるため電車や車で気軽にアクセスが可能なのも、このスタイルならではの長所だ。「新型コロナウイルス終息後は海外留学に」と考えている人は、その準備や“お試し”としてチャレンジしても。

種類は大きく3つ!

語学力アップ型
英語レッスン主体で成績を一気に伸ばす!

合宿気分で語学力をみっちりと鍛えていく。英語試験のスコアアップや英語の成績アップを狙えるのはもちろん、講師による解説や生徒からの質問を全て英語で行うため、「聞く」「話す」といったスキルも自然に身に付けることができる。

国際交流型
ネイティブスピーカーとの交流や文化体験を満喫

外国人宅でのホームステイや、外国人スタッフがいる環境での共同生活を通じて、ネイティブスピーカーとの英会話に慣れることが主眼。一緒に料理やゲーム、スポーツなどを行い、楽しい思い出をつくりながら「生活に必要な英語力」を養える。

ミックス型
授業とアクティビティをバランス良く組み合わせ

英語レッスンとアクティビティの時間を交互に設けるなど、1と2をバランス良く混合した留学プログラムも。授業で学んだ文法やフレーズを、アクティビティの時間に先生や他の参加者を相手にすぐに実践的に使うことができ、自然な形で英語力の定着を図れる。

保護者の声

息子には、10代の早いうちに留学してほしいという希望がありましたが、当の本人は英語が大の苦手で、当然留学に興味なし。ですが、中学1年生で参加した2泊3日の国内での英語キャンプがきっかけとなり、留学への姿勢が前向きなものへと変化しました。結果、中学3年生の夏休みにオーストラリアで3週間の留学を経験。一見回り道のようでも、国内でステップを踏んだことが、海外での留学につながったと思います。