直行便が多く比較的アクセスしやすいので、特に短期留学生に人気。観光地やレストラン、ショップが多くて便利に暮らせる。
MAGAZINE2019.10.16
TEXT : Yuri Murakami
※本稿は『留学ジャーナル2019年11月号』の記事を再編集したものです。
「語学学校って言われても具体的なイメージがわかない」。そんな人のために気になるポイントを詳しく解説。自分に最適な学校を選ぶためのヒントにもしてみて。
その国で日常的に使用されている言語を、その言語を母語としない人に教える専門学校のこと。講師はネイティブスピーカーであり、世界各国から集まった留学生と共に学べる国際的な環境だ。各校が独自のカリキュラムや施設を有しており、開講されているコースもさまざまであるため、自分の目的や好みに合った学校探しをすることが重要となる。
1,000人以上が在籍するマンモス校からアットホームな小規模校まである。大都市にはアジア人留学生が多く集まる傾向があるものの、国籍比率は学校やシーズンに左右される部分も大きい。特定の国籍の生徒が増え過ぎないよう、同一国籍の制限を設けている学校も。
学校の所在地は生活費などに影響を及ぼすだけでなく、留学中に体験できることにも関わる。「田舎は不便だから嫌」なのか「のどかな環境だから理想的」なのかは価値観次第。自分に向いている場所を選ぼう。
都市
直行便が多く比較的アクセスしやすいので、特に短期留学生に人気。観光地やレストラン、ショップが多くて便利に暮らせる。
郊外
自然にあふれた環境で、落ち着いて勉学に打ち込むことができる。物価が安く、授業料や生活費を抑えたい人にもおすすめ。
リゾート
概して物価が高めではあるものの、海などの景勝地に近く、留学とバカンスを同時に楽しみたい人にぴったり。
大学キャンパス
大学内に位置しているため、図書館や学食などの施設を使える。キャンパスの雰囲気を体験し、現地学生と交流できるチャンスも!
勉強やホストファミリーにまつわることなど、悩みや分からないことがあるときに頼れる存在。励ましやアドバイスが期待できるのはもちろん、必要な場合は学生に代わって諸機関に問い合わせてもくれる。1人でストレスを溜め込まず、何でも気軽に話してみよう。
留学生が快適に過ごせるよう、語学学校内にはラウンジやPCルーム、自習室、食堂などの施設が設けられている。クラスメートとの談笑や予習・復習、食事など、用途に応じて各施設を活用しよう。
渡航先の物価による他、選ぶ学校やコース、1週間あたりの授業時間数によって大きく異なる。さらに、ホームステイや寮などのステイ方法によっても差が出る。コスパの良さを追求するなら、国や都市を変えて複数の語学学校を比較検討してみるのがおすすめだ。
英語レッスンだけじゃない!習い事などと組み合わせOK
語学学校では多彩なコースが開講されている。英語学習だけに集中したい人のための一般英語コースはもとより、「語学だけでなくほかの活動もしたい」「資格を取得したい」などの幅広い願いに応えてくれるプログラムも。つまり自分の興味によって、英語レッスンとスポーツやカルチャーなどの習い事やボランティア、インターンシップなどを組み合わせて学べるのだ。「海外でこれが体験してみたかった」という夢を叶える絶好のチャンス!
バラエティー豊かなコースたち
語学学校ではさまざまなニーズに応えるプログラムを用意している。
「コレは面白そう!」「将来に役立ちそう」と感じるものがあるか見てみよう。
一般英語
「読む・書く・聞く・話す」の4技能をバランス良く体得する、最もポピュラーなコース。初級から上級までクラス分けがされ、自分の実力に合った授業が受けられる。ペアワークや討論など、スピーキングの機会も多い。
英語+カルチャー
英語の授業と文化に関するレッスンを組み合わせたコース。カルチャーレッスンは学校により異なり、例えば料理や音楽、ダンス、ヨガ、映画制作、アート&デザイン、フラワーアレンジメントなどがある。
英語テスト対策
TOEFLやIELTS、TOEIC、ケンブリッジ英検といった英語資格試験の対策コース。頻出単語をまとめて覚えたり、各設問の効率の良い解き方を教わったりできるため、独学で伸び悩んでいる人にもおすすめだ。
[英語+スポーツ]
大自然の中で汗を流す
スキーやスノボ、サーフィンやスキューバダイビングなど、スポーツを通じて留学先の美しい自然と触れ合おう。英語レッスンを学びながらなので、インストラクターの指示が理解しやすく、ほかの参加者との会話も楽しめる。
[英語+ボランティア]
現地コミュニティーを手助け
子どもや高齢者のお世話、日本語教師のアシスタント、自然や動物の保護など、さまざまな分野でボランティアが可能。現地の人たちと協力し合いながら活動するのは貴重な体験。成果を日本でのキャリアアップにつなげる人も。
[ビジネス英語]
職場で即戦力になる技能を
ビジネスメールの書き方やビジネスマナー、交渉時に役立つ表現といった実践的な内容を学べる。クラスメートには社会人も多く、お互いの国の就職状況やビジネス環境、商習慣などを教え合うこともできる刺激的なコースだ。
[職業専門英語]
業界の用語や表現を習おう
ITやホスピタリティー、医療などの業界で必要とされる英語の専門用語や表現力を鍛えるコース。書類の記入方法といった必ず知っておきたいスキルもあわせて教わることができる。就活やキャリアアップにも効果大。
[J-SHINE]
英語教師を目指すなら!
小学校や塾、英会話学校で英語を教えたい人なら、小学校英語指導者資格であるJ-SHINEの取得がおすすめ。海外で学ぶことで現地文化に触れられるのもメリット。海外で体得した生き生きとした英語表現を子どもたちに伝えよう。
[英語+インターンシップ]
海外で働く体験ができる
一定以上の語学力がついたら、現地の企業・団体で研修生として働くことができる。仕事を通じて生きた英語を学び、現場の雰囲気もしっかり味わえる。外資系企業への就職を希望する人や将来は海外で働きたいという人に人気。
[英語+学部聴講]
現地の大学で授業に参加
語学学校で英語を学んだ後、大学で授業を履修。講義を聞き、討論やレポート提出にもチャレンジする。本格的な大学留学を考えている人がお試しで体験することも多い。また、取得した単位を日本の大学の単位に移行できるケースも。
[進学準備]
大学で必須のスキルを培う
大学・大学院留学を希望する人向け。大学・大学院の授業でよく使われる単語や表現のほか、ノートの取り方やレポートの書き方などのアカデミックスキルを養う。コースを修了すると、TOEFLなどのスコアなしで進学できる場合も。
コース選び あるあるQ&A
どのコースか迷ったら?
多くの留学生が選ぶのが一般英語コース。海外での生活に必要な英語スキルを満遍なく効率的に身に付けられるのが魅力だ。どのコースにすべきか決められない場合には、第一選択肢として検討してみては。
受講条件はあるの?
ビジネス英語やインターンシップ、学部聴講など、一部のコースは一定以上の英語レベルに達していることが受講条件となる。レベルが足りない場合は一般英語コースのレッスンを受け、実力を高めていこう。
途中でコース変更はできるの?
ほとんどの語学学校でコース変更が可能だが、授業料の差額が発生する場合には支払いが必要だ。また、移動先のクラスに空きがあることも条件となるので、学校スタッフにすぐに相談を。受講中のコースの延長も早めに要相談。
生徒参加型の授業で
話す・聞くの練習量が多い
海外の語学学校の授業は、講師が一方的に話す授業スタイルではなく、ペアワークやグループワーク、ディスカッションなどに割かれる時間が長く、英語を話す機会がいっぱい。シャイな人には講師が答えやすい質問を投げてくれるので、安心して参加しよう。たくさん話すうちに「英語で考える力」も身に付いてくる。また、ゲームや音楽を使った楽しいレッスンも散りばめられているので、「授業が退屈」と感じることは滅多にないはずだ。
さまざまな工夫がいっぱい!一般英語コース
初級クラスでは日常英会話に慣れるためにペアで会話をする時間が多く、内容は趣味や自国の文化についてなど話しやすいものがメイン。上級クラスになるにつれ、一つのテーマについて皆で討論をすることが増え、扱うトピックも政治や環境問題といった複雑なものに。
事前のプレイスメントテストの結果を受け、初級から上級まで6~10段階に分かれたクラスのいずれかに参加。授業を受けて、難し過ぎる・簡単過ぎると感じた場合には先生や学校スタッフに相談を。
時間割は学校によって異なるが、月曜から金曜の週5日通い、1日3~6時間程度の授業を受けるのが一般的。1レッスンは45~60分ほどだ。全員が受講する基本クラスのほか、選ぶコースによっては1~2コマ程の選択クラスも受講する。
選択クラスは4分野で実施
Exam Success
IELTS、TOEFL、ケンブリッジ英検の対策やテストスキルの向上など
Professional Success
ビジネス関連、キャリア関連、マーケティングやデジタルメディアなど
Fluency and Experience
スピーキング、発音矯正、アクセント、ミュージック&ランゲージなど
University Success
エッセーライティング、アカデミックリーディング&ライティングなど
一般的に1クラス当たりの生徒数は10名ほどだが、夏休みや春休みなどのハイシーズンは留学生の数がぐんと増えるため1クラス15名を超える場合も。また、初級クラスは人数が多く、上級クラスでは生徒数が少ないという特徴がある。
紙のテキストに加え、PC画面を映したボード上でパソコン操作や書き込みのできるインタラクティブ・ホワイトボードなど、最新のデジタル教育ツールを導入している学校も。さらに、オンライン学習用にeラーニングサイトを開設するところも増えている。
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