ヴァージン アトランティック航空
成田空港支店
カスタマー サービス オフィサー
- ■留学前の英語力:英検2級
- ■就職時の英語力:TOEIC 800点
- ■留学にかかった費用:約400万円
留学ジャーナル2012年8月号
人生を変える、英語&就職力UP留学 |
||
ヴァージン アトランティック航空
成田空港支店
カスタマー サービス オフィサー
成田国際空港北ウィングの出発ロビーに、全身深紅のユニフォームが、ひときわ目立つ。社会人生活8年間、一貫して航空業界に身を置き続ける岡村聡美さん。2012年1月、憧れだったヴァージン アトランティック航空(以下VAA)の地上勤務に就いたばかり。
飛行機の定刻出発が使命であり、常に時間との闘いに追われるグランドスタッフ。チェックインカウンターから搭乗ゲートまで、すべてのコーディネートを円滑に進めるには、クルーや他のスタッフと連携しつつ、介助の必要な乗客のサポート、問い合わせへの返答など、多くのことを同時進行でこなさねばならない。そのうえVAAでは、限られた時間の中でも乗客の印象に残るプラスアルファを、スタッフ一人ひとりが考えるよう奨励される。
ある時、外国人客の子供から「今日ダディの誕生日なの」と聞かされて、ステッカーなど小さなサプライズギフトを機内で用意できないか、客室乗務員に打診したこともあった。
「朝早く起きて空港に着いてみれば、長蛇の列で待たされて、希望の席はすでに満席と言われ・・・お客様にとって旅行中で一番印象が薄く、かつストレスフルなのが空港のチェックイン。せめてお待ちいただく間、私から『今回の旅はお仕事ですか?』『京都ではどこか行かれましたか?』と話しかけたり、逆に『ロンドンでおすすめスポットは?』といったご質問にお答えすることで、少しは気分も紛れるのではないかと思いまして」
イギリス留学を決めたのは、初めて就職してからわずか1年後。ただでさえ就職難の時代、職場を去るのは不安もあったが「外資系の航空会社で地上勤務をしたい」という夢を前に、迷いはふっきれた。「スキルアップして、必ず1年で成田に戻ってくる!」と、日本を後にする。
留学当初の英語力は、「聞くことはできるが、自分の言葉で返すのは難しい」レベル。それをたった3ヵ月で、現地の専門学校に入学が許可されるまでに上達させた。
「ヨーロッパの子に、『聡美は日本人だからそんなに真面目に勉強するの?』と言われ、『気軽にここに来られるあなたたちとは違い、私は3ヵ月後に専門学校に行かなきゃならないから』と説明したんです。するとクラスメイトや先生が、それならずっと英語を話さなきゃ、と協力してくれて。皆でピクニックやパブに繰り出し、グリニッジまで遠出したことも、いい思い出です」
週末、息抜きでヒースロー空港に大好きな飛行機を眺めに行くうちに、イギリス系の航空会社に行きたいと思い始めた。専門学校に進学すると、旅行業界の産業構造やマネジメント、航空チケットの計算システムなど、幅広い専門分野を英語で学べたこと、そして多国籍な学生との交流が自分を精神的に成長させてくれたと振り返る。
「中でもアフリカ諸国から学びにくる学生は基本エリートが多く、自分に自信があって志も大きく感心させられましたが、宿題をやってこずに『ちょっと見せてよ』なんて言ってくる(笑)。最初は何となく応じていましたけど親しくなるにつれて、『ノー、宿題は自分でやらないと意味ないよ』って、冗談めかしながらもきっぱりと断れるようになりましたね」
今の職場でも、荷物の未着や飛行機の遅延などのトラブルやクレームに対応しなくてはならない。お客の要望を受け止めつつ、明確な説明をして納得してもらい、ベストな解決策を模索するよう求められる。この点まさに、留学で鍛えられた交渉スキルが存分に活かされているようだ。
外資系航空会社の中途採用は不定期なうえ人気企業には応募が殺到するなど、競争率が激しい。岡村さんは航空会社専門の掲示板サイト「クルーネット」などでこまめに採用情報をチェック。航空業界のキャリアが長いこともあり、同業種の知人がVAAの採用応募開始を口コミで教えてくれたことが今回の採用のきっかけになった。
語学学校はロンドンの真ん中にあり、イギリスらしさが満喫できるエリア。パブに行ったり、歴史ある場所を散策したり、1期生らしい団結を満喫
オープンしたてで設備が完全でないお詫びに校長がディナーに招待
岡村さんはこの語学学校の第1期生。みんなで記念にパチリ!
【1】成田空港でただひとり、VAAの深紅のユニフフォームを身にまとう誇りをかみしめる。 【2】乗客に渡すユニオンジャックのステッカー。 【3】オフィスにはVAの社訓(?)が。「ALIVE」「CONFIDENT」「LOVED」とメッセージはシンプル。 【4】持ち場のチケットカウンター前。列待ちの乗客と交わす会話で聞かれるエピソードから学ぶことも少なくない。