近い将来に行けるはずだった留学。
世界中に感染拡大したウイルスの影響で、少し遠のいてしまった。
悲しい、悔しい、むなしい……。でも、諦めないで!
この状況だからこそ、時間をかけて丁寧にできることがある。

「準備運動は念入りに!」。スポーツをする前によく言われるこの言葉の意味を思い出してみて。

これから始める運動に備えて体をほぐし最大のパフォーマンスを得るためにも、
準備運動はなくてはならないもの。

これは“留学”においても全く同じ。
日本にいる時間が長くなったということは、いざ留学したときに使える
知識や力を十分に蓄えられるということ。
留学の効果を最大限に得られるよう準備運動=ウォーミングアップをしっかり行い
最適な状態をつくり出しておこう。
晴れて、留学する、その日のために。

Warming up 1
目標

留学を成功させるため具体的なゴール設定を

せっかく時間とお金をかけて実現する留学も、漠然と学校に通うだけでは効果薄。「価値のある留学だった!」と心から思うためには、渡航前の明確な目標設定が欠かせない。複数のゴールを定め、その中でもどれを確実に達成したいのか、優先順位をつけておこう。
例えば、多くの留学生が掲げる目標が“語学力の向上”だが、「リスニングとスピーキングを得意にする」などの具体的な目標に落とし込むことが大事。さらに「そのためにホストファミリーなどのネイティブスピーカーと1日1時間は話す」といった、実際の行動まで決めておくと良い。これにより、現地での行動ポリシーが確定し、大切な目的に向かって迷わずに進めるようになる。

Warming up 2
語学力

「留学までにワンランクUP」そんなハングリーな気持ちで!

留学経験者の多くが「渡航前にもっと勉強しておけば良かった」と悔やむもの。だからこそ、「普段より時間がある」「留学はまだ先になりそう」という人は今がまさにチャンス!渡航前に語学力を鍛えておけば、現地での生活がいっそう豊かに。特に初級・中級の人はホストファミリーやクラスメートとの会話を楽しむためにも、以下のおすすめ勉強法を参考にしてみて。すでに上級者の人も、一歩先を目指してチャレンジを。

レベル別おすすめ勉強法

英語圏への留学を前提とした、学習事例をご紹介!

初級

英検3~5級。英語であいさつができる簡単な文法が分かる。

中学レベルの参考書をおさらい

初級者は「何から手を付けたらいいのか分からない」という人が多いもの。まずは初心に立ち返り、中学英語の問題集を購入して解いてみるのがおすすめだ。「不定詞は覚えているけれど、関係代名詞はかなり怪しい」など、文法上の自分の弱点を把握することができる。苦手な部分は何度か解き直し、自分のものにして。

中級

英検準2級~2級。日常英会話レベル。基礎的な文法は習得済み。

会話の潤滑油となる相づち表現を覚えよう

日常会話の中で、自分の意見や感想のちょっとした相づちをスムーズに打てると、会話がより盛り上がる。例えば同意の「はい」であれば、Yes以外にExactlyやAbsolutelyなど、共感を表すのであればSounds goodやMe tooなど、多様なバリエーションが。知識はあっても、実践ではとっさに出てこないので、覚えておいて損はない。

上級

英検準1級~1級。ビジネス会話レベル。高度な文法をマスター。

希望する渡航先のニュースを文字と動画で

上級者になると、話す内容も大事だ。留学中にネイティブスピーカーに時事ネタを振られて慌てないためにも、渡航を希望している国のニュースは定期的に確認を。各国のニュースサイトで記事を読めばボキャブラリーが強化できるし、動画を見ることによってその国のアクセントや独特の言い回しに慣れることができる。

Warming up 3
生活力

最高のスタートを切れるよう知識と心の準備を

普段とは違う環境や文化、人々……。楽しい刺激にあふれている一方で、何かと戸惑いを感じたり、人によっては臆病になって積極的に活動できなかったり。そんな抵抗感を少しでも減らすために、渡航前に留学する国についての知識を深め、自分の実現したいこともリストアップしよう。そう、語学力と並んで重要なのが、“異文化の中で生活するのに必要な力”。下記の3点を中心に、海外でも臆せずに行動できる力を養っておいて。

現地情報を調べる

治安や衛生状況、日系病院の有無などをチェック。それによって防犯グッズや除菌グッズを持参するべきか、どんな留学保険に加入すべきかが判断できる。また、国や都市ごとにさまざまな交通機関がある点にも注目。空港から市内への移動方法や、通学で利用する地下鉄やバスの運賃、定期券・回数券についても調べておこう。

異文化への理解を深める

海外のルールやマナーを知っておくと、留学先で自信をもって振る舞える。飲食店やタクシーを利用する際のチップの目安など、その国独自の文化やタブー、国民性、コミュニケーションにおける注意点は学んでおく価値あり。ガイドブックでも一部触れられている他、各国の留学生や在住者によるWeb上での発信も参考に。

やりたいことをまとめる

留学は貴重な体験ができる絶好のチャンス。最大限に生かすことを考えたい。海外にいる、ということだけで満足せず、観光やイベントなどもとことん楽しもう。そのために重要なのが下調べ。政府観光局サイトや現地情報ブログなどで、興味のある見どころやレジャースポットについてリサーチして、やりたいことをまとめておこう。

Cooling down
準備運動の後は、クールダウンして心を整えよう

留学した自分を想像する

目標設定に語学力強化など、留学準備は意外に忙しい。思ったように進まないと焦りや不安を感じることがあるかもしれないが、スポーツで汗を流した後には整理体操やストレッチが必要なように、留学準備を少しでも進められたら「今日もよくやった!」と自分を褒めて心をリラックスさせてあげて。また、留学中の自分を思い描き、ワクワクする気持ちを保つことも大切に。いつかその想像が実現し、すべての努力が報われる日が来るから。