2011年2月22日に大地震にみまわれたニュージーランドのクライストチャーチ。「ガーデンシティ」と呼ばれた美しい街は一瞬にして瓦礫で覆われてしまいました。それから半月ほどの3月11日に遠く離れた日本で起こった東日本大震災。自国の復旧もままならない中、いち早く日本に救助隊派遣を表明してくれたのがニュージーランドでした。
地震発生から1年以上が経った今も、余震はまだ完全にはおさまってはいませんが、日本と同じように徐々に街は復興に向かいつつあります。その象徴といってもいいのが、街のシンボル「クライストチャーチ大聖堂」。今年3月に被害の大きさから正式に取り壊しが決まりましたが、かねてから計画が進んでいた日本人建築家、坂茂氏の設計で"紙"によって仮設の大聖堂が造られることになり、今年4月29日に起工式が行われました。
特殊なボール紙(紙管)を用いて建てられる大聖堂には700名が収容可能といわれ、耐用年数は20年以上だといいます。紙管と紙管の間から入る日光がやさしい印象を残す仮の大聖堂は、教会としての役目のほかにイベントなどでも使用されるということで、今後市民が憩える新たな場所となり、新しい街のシンボルとなっていくことでしょう。完成は今年11月の予定。ニュージーランドに留学予定の方、今年のクリスマスはこの大聖堂を訪れてみてはいかがでしょうか?