留学先としてのマレーシア。その特性を確かめに行ってきました。
経済発展が目覚ましいアジア諸国。ここ数年、特に東南アジアを研修の候補地としたお問い合せを頂くようになりました。
留学の環境として適しているか、治安や教育のレベルは?、アジア留学の優位性とは?などさまざまなことを確かめるため、今回視察に訪れました。
"そもそも、マレーシアで英語を学べるの?"という方もいらっしゃるかもしれません。マレーシアの公用語はマレー語。しかし、かつてイギリス統治下にあったこと、マレー系・中華系・インド系の三つの民族からなる国家であることから、コミュニケーションをとる上で、英語が実質的な共通言語となっています。大学の授業も、留学生を多く受け入れている大学では英語で行われます。
今回の視察の訪問先は大学7校と語学学校2校。大学7校は授業を英語で開講しています。
ホスピタリティ分野で世界的にも評価が高いTaylors University、大学名のブランドも持つ芸術系大学Limkokwing University、財閥系でキャンパス内にモノレールが走るSunway University...。どの大学のキャンパスも想像以上に近代的で設備が整っています。そして、マレーシアは物価の安さが大きな魅力です。授業料、滞在費、生活費総額で年間150万円程度。オーストラリアの名門Monash Universityのマレーシア キャンパスも、学費は安く設定されています。
マレーシアの語学学校とカンポンビジット
語学研修先としての希望をいただくこともあるため、「目的にあった研修が提供できるのか」を見ることも今回の目的でした。
マレーシアにある語学学校は欧米により運営されているところが大半を占めています。今回はアメリカ系のELSランゲージセンターとオーストラリア系のイングリッシュ ランゲージ カンパニー(ELC)のマレーシア校を訪ねました。
ELSは国立大学のUniversiti Putra Malaysiaのキャンパスに併設され、大学進学を目的とした学校。ELCは市内にあり、オーストラリアの校舎とほぼ同じ雰囲気の中、同じプログラムが行われていました。同じ語学学校でもかなりカラーが異なります。
滞在は学生寮や学生用のバジェットホテル。欧米では定番のホームステイは、マレーシアでは難しい代わり、マレーシアの家庭環境を体験できる“カンポンビジット”というホームステイ プログラムがあります。
近代的なビルが立ち並ぶクアラルンプールから少し離れると、東南アジアらしい農村の風景が広がります。カンポン(Kampong)=農村のことで、カンポンビジットを体験するための施設があり、ここでマレーシアの伝統的な生活を体験することができます。獲物を捕るための釣りや吹き矢、ココナッツジュースの試飲や、ゴムの木の樹液の採取を私も体験してみました。施設内の家に泊まることも可能で、伝統的なマレーシアを体感できる、面白いプログラムだと思います。
初めてマレーシアを訪れ、留学先としてのポテンシャルを感じたわけですが、最も印象的だったのは、実は“マレーシアの人々”でした。3つの民族から成り立つ国であることからお互いを尊重する気持ちが強い。外国人に対しても距離のとり方が上手く、居心地良く過ごさせてくれます。同じアジア人という近しい空気の中で生活できることも、マレーシア留学の利点かもしれません。
今回のコラム担当
グローバルビジネス部 I
【Profile】
東京学芸大卒。学生時代に北米や南米を中心に、短期留学からインターンを含めた長期留学と留学経験を積む。一方で、国際教育を専攻していたことから、東南アジアへスタディーツアーに参加するなどボランティア活動に従事。アジア圏での視察研修にも参加しながら、現在は法人向けプログラムの開発と販売促進に努める。
【中学生】マレーシア サマーキャンプで生徒達は何を学んだか
中学生を対象に、留学ジャーナル主催の「名門インターナショナルスクールでサマーキャンプ&SDGsを学ぶinマレーシア」が催行されました。 10日間の海外スタディツアーで、生徒たちが体験し、学んだことをレポートします。
【中高・研修事例】留学2ヵ月前の事前準備講座を開催
留学は行くだけでも大きな学びがありますが、準備をすればするほど、より高い学びの効果が得られます。留学ジャーナルが行った「事前準備講座」をご紹介します。
【大学・実施例】シンガポール 語学研修+現地企業訪問
コロナ禍が明け、海外研修も本格的に再開した2023年8月に、留学ジャーナルでは大学にて「シンガポール 語学研修+現地企業訪問」(15日間)の研修を実施しました。あえてアジアで研修を行った目的や様子をご紹介します。