アジアでのプログラム作りで大切にしていること
学校からのご依頼によりアジア圏でのプログラムを作る機会が増えてきています。
最近の、特に大学生を中心とした学生のみなさんは生まれた時からインターネットに囲まれて育ってきた世代。
どんな情報も「検索」すれば、正しいものか間違っているかは別として、膨大な情報を手に入れることができます。例えば、海外へ行った体験談は、写真はもちろん動画まであり、まるで現地に行ったかのような錯覚に陥るほどです。そんな状況の中でプログラムを作るということは、その膨大な情報を持ってしても、お金を出して行きたいと思っていただかなければいけません。
そこで、私がプログラムを作る際に一番大切にしていることがあります。
それは、"現地の人と多く深く交流できるようする"ということです。
「行ったことが、自分の中で大きなターニングポイントになった」
以前、大学生対象のアジア圏での研修で引率した際、空港からの送迎車の中で、参加者の表情に注目するのですが、ほとんどの参加者は移動の疲れも忘れ、逆走や信号無視など交通ルールを守らない運転をしている人達、裸足で外を歩いている子供達、スーツ姿のビジネスマンが屋台で夕食をほおばる姿に目を輝かせて、興奮しながら参加者同士で盛り上がります。
しかし、同時に日本とあまりに違う環境や人達に、これからの滞在に対して不安そうな表情を浮かべる参加者もいます。
旅行としてのツアーですと、観光名所を見たり買い物をしたりと、行った先の施設やお店にいる現地の人と接する機会はありますが、時間としてもほんのわずか。研修プログラムでは、同年代である現地大学生との交流、街中でのアンケート取り、インターンシップなど、実際に現地の人達とコミュニケーションを交わす機会を多くし、交流の「濃さ」を盛り込んでいます。
プログラムに参加した学生のみなさんからは、ファッションやグルメのこと、恋愛の話で盛り上がったりなど、本質的なことは一緒なんだな、と気づかされる一方で、今後の夢や就職についてなどに話が及ぶと、母国語と英語だけでは良い条件の企業には就職できないため、日本語も学んでいるという話や、国立の大学を出ても簡単には就職できない現実を知ると、自分はなんて恵まれた環境に今いるのだろう…と感じた、という声もありました。
日本という先進国に生まれたことで、こうやって海外へも来たいと思えば行くことができるし、何でもできるのではないか。
そんな感情から、本当に自分がやりたいことにまっすぐ向き合う覚悟が生まれてきます。その裏には決して恵まれていない環境にも関わらず、たくましく強く夢を追っている同年代のアジアの人達への危機感も芽生えてきているのです。
“今自分は努力すれば叶う環境にいる”
これこそがアジアに行って感じる大切なことだと思っております。『行ったことが、自分の中で大きなターニングポイントになった』そんなことを言っていただけるようなプログラムになるよう、今後も現地の人との交流を深くしたプログラムを作って行きたいと考えております。
ぜひ若いうちに一度はアジアの方々と接する機会をもちませんか?
今回のコラム担当
グローバルビジネス部 F
【Profile】
アセアン地域での半年間の個人旅行を機に、帰国後、大手旅行会社勤務を経て(株)留学ジャーナルで渡航手配担当の職につく。その後、2009年よりアジア方面での研修/ボランティアプログラム開発担当として従事している。 「グローバル人材に必要なスキルとは何か?」まずは体験して知ることから始まるという考えのもと、大学生、社会人の体験型の研修ツアー開発、販売促進に努めている。
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