エグゼクティブ・トレーニングのすすめ
商談に入る前のアイスブレイクの時間は、職業に関わらず誰しも少なからず緊張した経験があることでしょう。そのアイスブレイクの共有のある・なしによっては交渉ごとの良し悪しの決定打になりうることもあります。それでは、そのようなスモールトークのスキルは海外研修でどのように身につけられるでしょうか。
語学トレーニングのパターン
突然ですが、語学トレーニングはパターンが決まっています。1つ目の一般的な英語力向上のための研修は、レベル別のグループレッスンが中心となります。通常13名ほどのクラスメイトに対して講師1名というパターンで授業が進み、午前9時頃からスタートして、午後3時頃までには終了するのが一般的です。国籍の異なる留学生同士が集うことで、異文化理解力を養います。
もうひとつの典型的な研修として、フィリピンでの場合は、マンツーマンの授業が1日8時間ほど設けられています。受講生と講師との2人だけのレッスンのため、短期間集中型の発話訓練が可能になります。
どちらの研修にも異なる長所があり、前者は多国籍のクラスメイトとの会話でトークスキルが身につき、また後者ではマンツーマンで自分のシチュエーションに即した話し方を身につけることで会話の自信がつけられます。
ネットワーク構築のためのエグゼクティブ・トレーニング in ベルギー
ビジネスを展開していく上で人脈というのは鍵となります。人脈というのは経営者が知り合った人とのちょっとした会話から発生することも多く、スモールトークの会話術はとても重要です。そのモデルケースをご紹介しましょう
私の担当企業の役員のお客様が、「商談の際のちょっとした会話のネタを準備できるようにしておきたい」とおっしゃったことをきっかけに、研修の組み立てがはじまりました。英語研修はもちろんですが、加えてネットワークを構築するための機会がもてることがもっとも重要なポイントとのことです。そのために「Global English Training」というエグゼクティブコースをご提案するに至りました。
研修校「Ceran」(ベルギー)は全寮制で、全校で受講人数最大40名ほどと、徹底した少人数システムとなっています。受講者の平均年齢は40歳前後であり、会社経営者、マーケティングマネージャー、校長先生とさまざまなバックグラウンドの方が集います。彼らが求めているのは語学のブラッシュアップに加え、「商談ではない」顔合わせ。研修期間中にビジネスが始まることも、まれではないそうです。それはスケジュールも起因しています。
トレーニングからもたらされる効果
前述したような1日の流れをこなしながら、最短1週間からのトレーニングコースとなりますが、常に誰かとコミュニケーションを保つことになります。その途切れない研修の合間には、立派なスイートルームでのブレイクとフルコースの料理があります。仕事をするというのは、決められた時間に課題を完成させ、終われば居心地のよいときが待っているもの。この研修はまさにこの流れを汲んでいるのです。
コミュニケーション訓練=仕事、をまる1日抱えているところから開放されて、美味しい料理と落ち着いた部屋でくつろぐ。そのときにでさえ、一緒に受講するトレーニング仲間や先生とのコミュニケーションが伴います。どういったことに普段興味があるのか、仕事はどういったところが取引先なのか、次第に会話が展開されていくことで、ビジネスネットワークが広がっていくのです。
このエグゼクティブ・トレーニングの成果は、お客様がおっしゃった言葉に尽きると思います。
・とにかく話すことへ(商談時のスモールトーク)の自信がついた
・友だち(ビジネスパーソン)との輪が増えたので、今後こういった研修制度も会社で検討しなくてはいけない
このようにトレーニングには英語のみや、一定の国際的交流を目的にしたもののほかに、エグゼクティブ向けに組まれたものがあります。忙しい方々向けに、通常1週間から参加可能な密度の濃いプランです。
昇進のタイミングやネットワーキングに、エグゼクティブ・トレーニングというものがあることを知っていただけたら幸いです。
今回のコラム担当
法人部 企業研修担当 F.I.
【Profile】
学生時代に北米、南米を中心に海外経験を積む。また東南アジアへスタディーツアーに参加するなどボランティア活動に従事。前職は直販営業を担当していたが、現在は海外での業務や活動経験を基に、企業への研修提案企画立案を担当している。
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