理想の人材像を生み出す人材育成設計とは?成長過程にあわせた3ゾーン活用

皆さんは「コンフォートゾーン」「ラーニングゾーン」「パニックゾーン」という表現を聞いたことがあるでしょうか。ノエル・M・ティシー氏によって提唱された、人の成長過程をまとめた3つのコンセプトです。

私たちの生活行動範囲はこの3つのゾーンのどこかに位置しており、そのゾーンによって成長の度合いに変化が起きるものです。今回は「仕事」をメインの環境にする場合、どのような成長過程が考えられるか、紐解いていきたいと思います。

CONTENTS
●居心地の良いコンフォートゾーン
●挑戦すべきラーニングゾーンと新規開拓エリアのパニックゾーン
●期待する人材像を生み出し、人材育成計画を設計することで理想の社員をつくる

居心地の良いコンフォートゾーン

コンフォートゾーンとは、気の合う友人・同僚・仲間と過ごし、ストレスがないままを保っている環境です。例えば気心しれた同僚と飲みにでかけたり、新卒社員の頃から携わっている仕事をこなすというのは、なんの問題もなく時が過ぎていくもの。そういう状況であればストレスは少なく、苦のない毎日を過ごすことができるでしょう。ただしコンフォートゾーンはその名のとおり「居心地が良い」環境ですが、成長という観点からみると大きな変化は望めません。

挑戦すべきラーニングゾーンと新規開拓エリアのパニックゾーン

コンフォートゾーンの外側にはラーニングゾーンが存在します。今いる環境=コンフォートゾーンから+αの学びを必要とする環境です。人が成長をするためには、このラーニングゾーンに身を置くことが必要だと言われています。

人事考課の際も目標を設定するときには、前年比よりも高みを目指すことを望まれます。その理由が前に述べていることに関係します。新たな段階へ進んだ経験はだれもが持っているでしょう。例えば進学・就職といったタイミングが該当します。そのステップに至るまでにはきっと努力を個人個人で重ねていることかと思います。

ラーニングゾーンのさらに外側にはパニックゾーンが存在します。ラーニングゾーンのように、今の自分の少し上を求められる環境とは異なります。全く関わったことがなく、自分のスキルが何も通用しないような環境を指します。

例えば海外にも英語にも全く興味を持たなかった人が、いきなり海外へ移住し日本人がいない環境で生活をする、といった事例はまさにこのゾーンに属します。新しくビジネスを起こそうとする人もまた、このパニックゾーンに属すことになります。

今の自分では歯が立たないと感じれば、人はどうにか課題(仕事)をクリアするためになんらかの働きかけを行います。そうした積み重ねがひとりの仕事からチームをつくり、より良いものを生み出していく組織に変化していくのではないでしょうか。

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期待する人材像を生み出し、人材育成計画を設計することで理想の社員をつくる

先に述べてきた3つのゾーンが段階として社内に設定されているならば、社員は向上心を持ち仕事に打ち込めるようになるのかもしれません。コンフォートゾーンに居続けて日ごろと変わらない毎日を過ごすことは簡単ですが、大きな学びや成長を得ることはできません。

一方で新しいことに挑戦すると、解決しなければならない問題が出てきます。パニックゾーンに飛び込むことでたとえ跳ね返りが大きいものだとしても、飛躍的に変われるチャンスになりうると考えます。

今の環境から新たなゾーンへ足を踏み込むことができたとしたら、努力をして環境に順応する必要性に直面するでしょう。どうしたら環境に馴染めるか、苦手を克服できるか、問題を解決できるか、といったことを考えて行動をしなければならない状況も多いでしょう。まさにこの過程が、人が成長するために必要な時間なのです。

3つのゾーンのどこにいるかは個人で異なりますが、必ず次の段階には目標となる人が存在するものです。社員一人ひとりが仕事を価値あるものに高めるためには、目標や理想を追いかけていくことになります。だからこそ期待する人材像を生み出すことは、会社組織として社員に提供できる向上心をもつためのアイテムとなります。人材育成の設計というのは後々会社に貢献していく「理想の社員」をつくる壮大なプロジェクトにほかなりません。

留学ジャーナルでは、「みらい人財をデザインする」海外研修やグローバル人材の育成に取り組んでいます。まずは貴社の課題をお聞かせください。

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今回のコラム担当

法人部 大学法人担当 K.F.

【Profile】

高校時代にアメリカで現地校留学を経験。大学入学後は内閣府主催の「世界青年の船事業」に参加。前職ではフィジーの語学学校にて日本人スタッフとして勤務し、現在は留学カウンセラーとして大学生を中心にカウンセリング業務を行っている。

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