社内に変革を起こすための手法:デザインシンキング

企業で今、「デザインシンキング(デザイン思考)」が急速に求められはじめています。この変化の背景は何でしょうか。またそれはどのようなものでしょうか。日本で身に付けることも可能ですが、海外で学ぶべき有益性も併せて解説いたします。

CONTENTS
●デザインシンキングが今求められる理由
●デザインシンキングとは
●海外でデザインシンキングを学ぶ意義

デザインシンキングが今求められる理由

企業が新たな戦力として「新卒採用」を欠かさず行う理由は、新たな風の取り込みを期待している、という点は言わずもがなでしょう。ただ今年は面接を受ける学生たちも、昨年までとは比べ物にならない苦戦を強いられていると言っても過言ではありません。ではどういった人材が狭き門をくぐり抜けることができるのでしょうか。

急激な環境の変化を猛スピードで体験している今日において、変革を起こせる人材を企業が欲するのは当然の流れでしょう。入社採用時に学生たちは筆記試験や口頭試験などさまざまなプロセスを通じその思考を問われますが、人事担当者は、中でも彼らの会社に対する貢献や新たな発想に期待をしているのではないでしょうか。

会社を大きく発展させていくにあたり、人材選択というのは重要な場面です。その見極めをするにあたり、入社試験のなかでグループワークなどを設定する会社も少なくありません。

また、在籍する社員に対しても社内研修の一環でチームビルディング研修などが用いられることも耳にします。ただ、ある程度年次がある社員は環境に慣れすぎてしまい、現状以上のことが想定しづらくなってしまう傾向があります。もちろん新入社員だけでなく、在籍している社員についても「新たな風」の巻き起こしを期待していることは間違いありませんが、そう簡単に人材の発掘や育成はうまくいきません。

しかし会社の大きな発展を望むとするならば、入社から努力を重ねてきている在籍社員にも、「新たな風」を起こすことが求められます。そこで解決の糸口となるのが、「デザインシンキング」です。

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デザインシンキングとは

「デザインシンキング(デザイン思考)」とは、お客様もしくは社員が持つ課題を解決するための考え方を指します。従来のビジネスは、技術的に進化しているものであれば消費者が欲しがる時代でした。敢えてお客様のニーズを捉えずとも、経済が回っていたのがこれまででした。

けれども時代の流れから、発想が「お客様目線」に置かれることが求められるようになりました。それは生活の豊かさから、お客様自身が欲しい商品のみを選択することが普及したためです。

どの企業も従来の商品開発から変革を起こすことを余儀なくされ、お客様のニーズを引きだして「デザイン」することが価値として見られるようになりました。そこで「デザインシンキング」の醸成が必要とされるようになってきたのです。

デザインシンキングのプロセスは、皆さんもご存知のように以下の5段階を踏みます。

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この5段階は、お客様がどういう対象であり、最終的に何を望んでいるか、ということを検討して提供するまでのプロセスです。たとえ事業のことをよく理解する社員であっても、お客様のニーズを想定し想像することはたやすいことではありません。逆に言えば年次に関係なく、この考え方を養成することができるとも言えます。

商品の質をより活かす。顧客満足度を上昇させる。利益を○%あげる。どの視点もおろそかにできることではありませんが、現代で何より活かされるべきは「お客様の視点」だということが我々に課されている課題です。

たとえば新型コロナ禍での当社に置き換えてみると、学生や社員たちに「海外に行けないが何かしら力をつけさせたい」というときに、リアルでありかつリアルでないオンライン留学プログラムの開発や、出発が先になったとしても、それまでに心構えを保つためのeラーニングの開発などがそれに当たります。

それらのプログラムは、お客様の視点で考えることや課題がなければ提供させていただく機会はなかったかもしれません。お客様の声をなんらかの形にして提供することこそが当社の場合急務であり、デザインシンキングでした。

海外でデザインシンキングを学ぶ意義

海外では当たり前のように新規提案というものが序列に関係なく行われます。起業家や企業家となっている海外のリーダーたちは、下は20代からとスタートの時期が早いこともあるでしょう。年齢性別に関係なく、論議が行われ意見交換がされますし、良いものは良いとされ、改良されていきます。だからこそ海外の方法を学ばせることに企業が投資をしようとするのではないでしょうか。

以前担当させていただいた当社の法人のお客様の中にも、リーダーシップ論と併せてデザインシンキングを学ばれた方がいらっしゃいました。帰国後に「論理のみを学ぶのではなく、実践的なケーススタディを通して取り組むことが多かったので良かった」と振り返ってらっしゃいます。

こういった研修には知識が豊富なリーダーたちが世界各国から集います。また次期リーダーと期待される人も多数います。つまり、考え方や価値観が異なった世界各国のリーダーたちと英語でテーマに沿って課題を追究していく過程を疑似体験できるわけです。これまでの知識に加え、仲間たちからインプットされる情報、発想の転換、さまざまな要素が組み合わさり、限られた時間内で画期的なアイディアが生まれることを体感されているのでしょう。

企業にとって、お客様に選ばれる理由は何であるのか。
お客様が物足りないと感じていることは何であるのか。

現状を振り返りながら、課題を共有し、お客様のニーズを掘り下げていく、という過程こそ成果を生むためのチャンスになりうるのだと考えます。これこそがデザインシンキングの根底なのではないでしょうか。

日本で「デザインシンキング」を学ぶこともできるでしょう。しかし、デザインシンキングを身に付けた先に解決したいことが、日本や日本人に限定されないのであれば、海外で学ぶメリットの大きさは明白です。

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今回のコラム担当

法人部 企業研修担当 F.I.

【Profile】

学生時代に北米、南米を中心に海外経験を積む。また東南アジアへスタディーツアーに参加するなどボランティア活動に従事。前職は直販営業を担当していたが、現在は海外での業務や活動経験を基に、企業への研修提案企画立案を担当している。

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