海外から学ぶ。日本のIT化×グローバル教育の課題とは。
社会や産業界ではあらゆるところにITが活用されていますが、教育現場にもITを生かした教育が求められるようになってきました。しかし世界基準からすると、日本は立ち遅れていると言われています。海外の状況をご紹介しつつ、今後の課題を考察します。
世界のIT教育の進化は早い
今年もイギリスでBETT(British Educational Training and Technology show)が開催されました。1,000社近くの企業がブースを出し、将来の教育現場で活かしていける素材を紹介しています。そこではITを駆使した教材や、管理システム、業務支援素材などさまざまな視点から企業が案内を出しています。あるブースではVRを使用して、まるで宇宙を歩行しているかのような環境を体験する教材を紹介していました。これまで具体的な教材にはなりにくかった宇宙にまで教育環境を広げられるようになっているとは、ITの教育への影響は計り知れません。
さて、日本の教育現場も変化が起こりつつあります。IT教育の導入で、どのような効果が考えられるのでしょうか。現在、日本の教育現場でもICT教育が推進されています。生徒ひとりに対してPC1台を支給するという取り組みも始められています。しかしやはり日本の現場では、まだまだ試行錯誤されているようです。
例えば電子黒板は今でこそ日本で一般的になっていますが、10年以上前私が留学していたメキシコでは、私立の小学校でアクティブラーニングが促進され、電子黒板も既に使用されていました。
ペーパー(紙)による教育には、捨てがたい良さがあります。しかしそのうえで、日本の教育現場にIT導入をする時代となっているのも事実です。
最先端のIT知識を早いうちに身に付ける重要性
近年は海外でITとそれに付随する様々なものを学ぶことができる研修プログラムが多彩に用意されるようになってきました。当社では例えばアメリカ・西海岸のスタンフォードのプログラムにSTEM(Science, Technology, Engineering and Mathematics)を題材にしたコースがあります。
これはグラフィックデザイン・人工知能・アプリ開発などを現地の大学の講師から直に学べるコンテンツになっています。英語を使い最先端のIT知識を身に付けることができます。こういったコースは最近のトレンドです。学生本人のみならず、親たちが重要性を知り、若いときから学べるよう背中を押している背景もあるかもしれません。
IT導入の教育は、能動的に考えたり、実践してみたりする、という双方向の学びにつながります。受動的に授業を受けるだけでは、グローバル社会やこれからさまざまな変化が予想される将来の社会で、どうしても能力が不足してしまうことが考えられます。双方向で学ぶことの楽しさ、これまでの教育とは異なった視点を生徒たちに知ってもらうことは大切です。さらに英語力も身に付けば、強い力になるでしょう。
自ら発信できる力を養う教育システム推進のために
日本はIT教育は導入途上にあるため、生徒と一緒に教師たちも共に授業環境を発展させられる状況にあります。生徒たちがITを通じた授業や双方向の学びについて、もっと知りたい・挑戦してみたいと発信すると、学校側もその学びを支援する体制が強化されるかもしれません。また保護者、現場の教師からの声も大切です。
自ら発信していく力を養ってくれる教育システムのある未来となるよう、願ってやみません。私達も「みらい人財をデザインする」をテーマに、より良いIT教育プログラムや教育事例を、これからもご紹介してまいります。
今回のコラム担当
法人部 企業研修担当 F.I.
【Profile】
学生時代に北米、南米を中心に海外経験を積む。また東南アジアへスタディーツアーに参加するなどボランティア活動に従事。前職は直販営業を担当していたが、現在は海外での業務や活動経験を基に、企業への研修提案企画立案を担当している。
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